ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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勉強に勤しむ少女

木綿季は学校が終わるとある人物の所へ向かっていた。

そこは大きな家で豪邸と言える大きさだった。

呼び鈴を鳴らすと声が聞こえる。

 

「はい、結城です」

 

「明日奈さんのお友達の紺野木綿季と言います。明日奈さんはいますか?」

 

「お嬢様の・・・?少しお待ちください」

 

事前に言われていたとはいえ見慣れはしなかった。

明日奈・・・結城家は所謂お金持ちの家だ。

明日奈はそこの娘にあたり、ALOでの事件に巻き込まれた。

それは和人が必死になって助けたため何も起きるどころか二人の仲が深まったといえる。

 

「木綿季?どうしたの?」

 

「明日奈!勉強教えて!」

 

「う、うん。中に入って?」

 

明日奈に言われ木綿季は初の結城家へと足を入れる。

見た目通り内装も凝っており、空間も広い。

 

「私の部屋に案内するね」

 

明日奈に付いていく途中、メイドさんが歩いていて本当にお嬢様なんだと実感させられる木綿季。

そして少し歩いて止まったのは一つの部屋。

 

「ここが私の部屋だよ。ささ、入って」

 

「う、うん」

 

木綿季が中に入ると先程の感じとは違い、普通の女の子の部屋みたいな内装だった。

 

「全然違うでしょ?私が無理矢理頼んでこの部屋だけは普通にしてもらったの」

 

「へー・・・すごいね」

 

「ううん・・・それじゃあ早速やろっか?」

 

「はーい、よろしくお願いします。明日奈先生」

 

木綿季は早速持ち込んだ教科書とノートを開き、響夜から貰った問題集を解いていく。

この問題集は総集編ではなく部分的な物で前日に渡すらしい問題集とは違うものになっている。

 

「これ・・・響夜君一人で作ったの?」

 

「そうみたいだよ?テスト範囲に入ってる重要な部分全て入れてあるって言ってた」

 

「国語に現代社会、数学Ⅰ、理科総合、英語・・・凄い。今回のテスト範囲全て網羅してる」

 

「主要教科を中心にしてるんだって。副教科は自分でやれって言われちゃった」

 

「主要教科だけでも凄いよ。私じゃこんなの作れないもん」

 

明日奈はその問題集を見ていく。

この問題集、何が凄いかと言うとテスト範囲に反して枚数が少ない。

国語であれば漢字・古文・現代文・・・と国語というカテゴリからまた細かく分けて一枚になっている。

テスト範囲全体にしていくとその分野で数枚になるであろう物をたった一枚で納めていた。

 

「あ、そうそう。答案用紙と解答用紙も貰ったよ」

 

木綿季は答案用紙を明日奈に渡す。

この答案用紙も内容をしっかり書いているが読みやすくされており、重要な部分は分かりやすくされていた。

 

「答案用紙も凝ってる・・・」

 

「響夜が渡して来たときびっくりしたよ・・・良くわからない紙をボクに渡してくるもん」

 

「木綿季には難しいかもね・・・」

 

「でも響夜が頑張ってくれたからボクも頑張るよ!」

 

「うん、それじゃあやってみようか」

 

早速二人は響夜のお手製問題をやっていくことにした。

内容は明日奈にすら難しく作られていたが頑張れば解ける問題にされていた。

木綿季には地獄のような問題だったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふい~・・・疲れたぁ・・・」

 

「お疲れ様」

 

木綿季が疲れ果て時間を見ると18時だった。

学校が終わったのが15時辺りなので2~3時間は勉強していることになる。

 

「ねぇ明日奈」

 

「どうしたの?」

 

「もし10位以内に入れなかったらどうしよう・・・」

 

木綿季はもしもの事を考える。

響夜は木綿季の成績を知らないがそれでも頑張れば到達出来る条件を提示した。

だが木綿季が入れなかった場合、永久的なお泊り禁止令が出されてしまう。

第二の家として認知し始めている木綿季からするとその禁止令はとても残酷だった。

 

「大丈夫。響夜君だって我慢してると思うよ?」

 

「我慢・・・?」

 

「響夜君も木綿季もいつも二人で居るでしょ?それが当たり前になってるから響夜君も困ってると思う」

 

「当たり前・・・かぁ」

 

SAOの世界でも離れていた期間があったとはいえ、一緒にいることが多かった。

現実世界に帰ってもそれは同じで逆に一緒じゃない期間がそこまで無かった。

 

「一緒にいるのは確かに良いけれどいすぎても駄目なんだよ?私と和人君は一緒には住んでないけれど学校で会えるから満足してる。だけど木綿季はお泊りしてたんでしょ?なら長い間一緒だったんじゃないかな」

 

「うん・・・そうだね」

 

「響夜君が木綿季に伝えたいのは多分だけど・・・依存をし過ぎない事だと思う」

 

「そっか・・・ボク、響夜と居すぎたのかな」

 

「そうだと思うよ。テスト期間を利用して離れても大丈夫なようにしてる・・・って考えじゃないかな?」

 

「明日奈は凄いね、ボクなんかより響夜の事良く知ってる」

 

「ううん、全然。響夜君の事は木綿季が一番知ってると思う。神楽ちゃんにすら私負けちゃうもん」

 

「あはは、そうだね・・・うん。頑張るよ」

 

「うん!それじゃあどんどんやって響夜君を驚かせよう!」

 

「よーし、やるぞ~!」

 

その後、木綿季は一度家に電話を入れて明日奈の家に泊まると伝えた。

明日奈の母親・・・京子は明日奈と勉強している姿を見ていたため、宿泊を了承した。

 

「ありがとう、明日奈」

 

「ううん、どういたしまして」

 

「明日行けば学校休みなんだっけ?」

 

「そうだね、テスト期間間近だからその分いっぱい勉強しようか」

 

「うん、分かった」

 

勉強も詰めすぎると良くないことは二人は知っているので2~3時間の勉強と30分程の休憩を入れていくことにした。

響夜の問題集はある意味明日奈の勉強にもなったのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響夜は木綿季のお泊りを止めるとパソコンの前に座る。

そしてあるプログラムソフトを起動する。

それは『Ordinal Scale』というタイトル名だった。

 

「・・・無茶なもんだよなぁ、カーディナル(Cardinal)と同じタイプのコアプログラム作成とか」

 

Ordinal Scale(オーディナルスケール)と書かれたそれはかつて、SAOの世界を動かしていたCardinal(カーディナル)というコアプログラムと似た物だ。

カーディナルは変数のコアプログラムに対し、オーディナルは序数のコアプログラム。

これを響夜に作ってほしいという依頼が舞い込んで来たのが10月初めだ。

 

無論、響夜は怪しんだため依頼人と直接面会を希望し実際に顔を合わせている。

響夜の腕前であればカーディナル並のプログラム作成は不可能ではない・・・が、響夜のツテを辿ると天才科学者である七色などその手に詳しい人物がいる。

だが依頼人は響夜に作ってほしいと頼んできた。

渋々それを受けた響夜はすぐさま作成に取り掛かった。

ザ・シードと呼ばれるプログラムパッケージの解析データとカーディナルデータを参照し序数で動くプログラムを組んでいた。

 

実際には出来てしまったのが正しいのだろう。

響夜が見つめるパソコンのフォルダに書かれた『Ordinal Scale』というタイトル。

絶対厳守のため、自分のパソコンであろうとフォルダに鍵をかけて保管している。

 

「・・・これを渡せば依頼は完了するが・・・」

 

このプログラムを依頼人に渡せば達成できる。

だが渡した後の危険性を秘めているため迂闊には渡そうと思えなかったのだ。

 

「保留だな。まだ早い。猶予はまだまだ貰ってるし」

 

依頼の期限は2年とされている。

それを1~2ヶ月で組み上げてしまった響夜は世界中のプログラマーより腕が立つだろう。

SAOのカーディナルプログラムですら数年かかっているのだ。

 

「もうすぐテストか・・・無理難題ではない事を条件にしちまったけど・・・大丈夫かねぇ、木綿季」

 

響夜は一週間後に来る期末テストを思い出す。

木綿季に提示した条件は木綿季の学力的には不可能ではないがかなりの努力が必要だった。

中の中辺りの成績をいきなり最上並に上げるなど並大抵の事ではない。

 

「学年トップの明日奈をまずその頂点から引きずり落とすか・・・まぁ今回だけにしよう、明日奈のガラス玉が壊れたら和人に怒られる」

 

和人の明日奈関係は凄まじい物で明日奈を一度響夜は泣かせている。

それを見てしまった和人が鬼の形相で響夜と乱闘した。

和人は響夜に負けるがすぐさま明日奈の元に行き謝ったため許している。

 

「あーあ、眠いし寝よう。やることはやった」

 

そういい、響夜はベッドに入るとすぐに寝付いた。

 

 

 



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