ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
<< 前の話 次の話 >>

51 / 67
幸せな日常生活

響夜が家に帰ると、家の明かりがついていた。

神楽は基本自分の部屋ぐらいしか点けないので誰かが居るという事でもあった。

だが響夜は疑いもせずそのまま家の中に入る。

 

「ただいまー」

 

「おっかえりぃ~!」

 

バタバタと走ってきたのは今日から本格的に住むことになった木綿季。

ご飯を作っていたのかエプロン姿だった。

 

「ん、飯作ってたのか」

 

「うん、そうだよ」

 

「とりあえず着替えてくるわ」

 

「は~い」

 

響夜は二階の自室に入ると部屋着に着替えた。

テストの結果発表は翌日の掲示板に発表される。

 

「さっさと手伝うか」

 

テストの事は考えず、下でご飯を作っている木綿季の手伝いをすべく部屋を出た。

神楽も同時に出てきたようで、いつもの耳付きパーカーを着ていた。

 

「ん、おかえり」

 

「ただいま。木綿季がご飯を作ってるから下行くぞ」

 

「うん」

 

響夜達が下りると木綿季はまだご飯を作っているようで慌ただしく動いていた。

 

「木綿季、食器の場所わかんのか?」

 

「・・・わかんない」

 

「用意するから作ってていいぞ」

 

「あ、ありがとう」

 

響夜は木綿季が作る料理を見て棚から見合った皿を取り出す。

響夜も料理をよく作るからこそ、ちょうどいい大きさの皿を取り出せるのだろう。

 

「置いといたからな」

 

「ありがとう~、あとご飯入れてもらってて良いかな?」

 

「お安いご用」

 

慣れない場所だからかまだ手早く出来ないのを理解して響夜は炊飯器からご飯を入れる。

ご飯は木綿季が炊いていたので出来たて。

 

「・・・よし!完成!」

 

「動かせるか?」

 

「あ・・・」

 

「・・・持ってく」

 

木綿季が作ったのはシチュー。

響夜と神楽の好物で密かに木綿季は神楽から聞いていた。

 

「シチューかぁ・・・美味しそうだな」

 

「えへへ~」

 

木綿季が嬉しそうにしつつ、容器にシチューを入れていく。

心なしか響夜の分は多めにも見える。

 

「んじゃ・・・いただきます」

 

「ん・・・いただきます」

 

「どうぞ、召し上がれ!」

 

響夜は木綿季が作ったシチューを食べてみる。

至って普通の味だが、木綿季が頑張って作ってくれたからかとても美味しく感じる。

 

「うん、美味い」

 

「ほんとっ?」

 

「めっちゃ美味い・・・おかわりしていいか?」

 

「良いよ!いっぱいあるから!」

 

響夜の食べるスピードが早いことからも木綿季は嬉しそうにしていた。

神楽も美味しいのか食べる量は少ないがスピードが早い。

 

「神楽、ゆっくりでいいからな」

 

「そうだよ、神楽ちゃん。喉に詰まらせたら大変なんだから」

 

「ん・・・早く食べないと、にぃにに食べられる」

 

「誰が神楽の分まで食うか。ある程度は残してやるからゆっくり食え」

 

「・・・ふふ」

 

「どうした?」

 

「なんだかね、神楽ちゃんがボクと響夜の子供みたいだなーって」

 

「・・・木綿季と同い年だぞ?まぁ身長があれだから年下に見えるけど」

 

神楽と木綿季は年齢は同じだが神楽の身長は止まったとしか言いようがほど小さい。

小学6年生レベルの身長なのだ。

 

「ん・・・じゃぁ・・・響夜はにぃに。木綿季はねぇね」

 

「ふぇっ?」

 

「木綿季がお姉ちゃんか。確かにそうなるな」

 

「お姉ちゃん・・・かぁ。ボクも姉ちゃんがいるからな~」

 

「そういや木綿季のお姉さんには会ったこと無いな」

 

「今度会ってみる?」

 

響夜は木綿季の姉には会ったことがない。

初登校の時、木綿季は姉といたが話はしていないのでまったく面識も無い。

そしてあることを思ったのか考えた。

 

「・・・そうだな。少し気になるというか大事な話があるし」

 

「?」

 

「・・・なあ、木綿季」

 

「どうしたの?」

 

「時崎直人って知ってるか?」

 

「・・・知ってるよ」

 

「そうか・・・もし、会えたらどうする?」

 

「響夜は直人君を知ってるの?」

 

「・・・一応」

 

「もし会ったらかぁ~・・・何にもしないかなぁ」

 

「っ・・・どうしてなんだ?」

 

「んー、どうしてだろ?」

 

「おまえなぁ・・・ったく」

 

「姉ちゃんに聞いてみるね。行けそうなら予定合わせるからさ」

 

「あいよ。俺は基本大丈夫だからそっちに合わせる」

 

「はーい・・・ってもうご飯無くなってる・・・」

 

木綿季が気付くとたんまりとあったシチューは見事に消え去っていた。

木綿季も中々食べていたがそれ以上に響夜と神楽が大量に平らげていた。

神楽はお腹いっぱいなのか眠たそうにしている。

 

「ん・・・」

 

「あわわ」

 

「木綿季、神楽を抱いててやれ。その方が安心出来るだろ」

 

「う、うん」

 

木綿季は船を漕いでいる神楽を持ち上げた。

見た目通りの軽さで木綿季でも軽々と持ち上げられた。

持ち上げられた抱えられた神楽は木綿季に身を委ねるとそのまま寝てしまった。

 

「赤ちゃんみたいだね」

 

「神楽は木綿季に懐いてるな。じゃないとこんなこと出来ないし」

 

「そうなんだ・・・」

 

「ん、まぁな。片付けはしておくから木綿季はゆっくりしてていいよ」

 

「ありがとう。それじゃあソファーにいるね」

 

木綿季は響夜に片付けを任せると寝てしまった神楽を抱き抱えてソファーに座った。

ギュッと木綿季の服を掴んで離れないようにしている神楽を見て自然と笑ってしまう。

 

「へへ~・・・可愛いなぁ・・・」

 

神楽も響夜と同じように前髪を伸ばして顔を隠しているので普段は見えないが寝ている時ならば見れる。

木綿季は前髪を上にあげると神楽の寝顔を見ていた。

まだ幼さが抜けていない顔で体も顔に合った幼さがある。

 

「んぅ・・・」

 

「ね~、響夜」

 

「ん?」

 

「・・・神楽ちゃんってボクの妹なのかな」

 

「・・・さあな」

 

「ボクね、お母さんに言われたんだ。神楽ちゃんが本当の妹だって」

 

「・・・そうだ。それは木綿季のお姉さんにも伝えるべきだと思ってな」

 

「本当のこと言ってね?」

 

「知りたくなかった事もあるだろうけどな。でも話すよ」

 

「うん、ありがとう」

 

響夜は片付けも終わったのか木綿季の隣に座る。

寝ている神楽の頭を優しく撫でていると木綿季が頬を膨らませて響夜をじっと見る。

 

「む~」

 

「・・・はいはい」

 

木綿季にも頭を撫でると嬉しそうに目を細めて響夜に体を預けた。

 

「ふにゅ~」

 

「よしよし」

 

まるで猫みたいな木綿季に響夜は木綿季が寝るまで一緒にいた。

 

 

 

 

 

しばらくすると木綿季から寝息が聞こえてきたので響夜は二人を起こさないように動く。

 

「先に・・・神楽からにするか」

 

木綿季の服を掴む神楽の手をゆっくりと離して、神楽を持ち上げる。

 

「んむ・・・」

 

「ん・・・起こしたか」

 

「ねむぃ・・・」

 

「一緒に寝るか?」

 

「ぅん・・・」

 

響夜のベッドが詰め詰めになりそうだ神楽がそうしたいのであれば仕方ないと思い、響夜の部屋に連れていく。

 

「木綿季も寝ちまったから先に寝とけ」

 

「うん・・・」

 

神楽に毛布をかけると響夜は部屋を出て木綿季の元に行く。

 

「まだ寝てるのか・・・」

 

無防備な木綿季の姿に響夜は顔を赤くする。

神楽は部屋で寝ているので家で起きているのは響夜だけ。

響夜は木綿季の唇に優しく自分のを触れさせる。

 

「ん・・・」

 

数秒だけではあったが重ねたことに変わりはなく、響夜は恥ずかしそうにした。

 

「・・・もう寝るか・・・眠い」

 

響夜は眠気と戦いつつ、木綿季を背中におぶると自室のベッドに寝かせた。

神楽も木綿季が入ってきたことに気づく。

響夜と木綿季の真ん中に神楽が入るようにベッドに収まった。

 

「おやすみ、神楽、木綿季」

 

響夜は木綿季の手を繋ぎながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響夜が目を覚ましたのは朝の6時。

神楽と木綿季はまだ寝ているようだった。

 

「んあ・・・もう朝か」

 

響夜が起きようとすると木綿季と手を繋いでいたのを思い出す。

繋いでいた手を辿ると神楽は木綿季に抱き着いており、響夜の左手は木綿季にがっしり捕まれていた。

 

「・・・仕方ないか・・・木綿季。起きろ」

 

響夜は木綿季を軽く揺する。

 

「ぁぅ・・・」

 

「朝だぞ」

 

「んぅ・・・おはよぉ・・・」

 

「おはよう。とりあえず手を離してくれ」

 

「ぅん~・・・」

 

木綿季が力を緩めると響夜はゆっくりと手を抜いた。

朝ご飯を作りに響夜は一階に降りた。

作っている途中に木綿季と神楽も降りてきていた。

 

「おはよ~」

 

「おはよう、木綿季、神楽」

 

「朝ご飯なに~?」

 

「フレンチトースト。甘いの食べたかったんだよ」

 

「おいしそ~」

 

「とりあえず顔洗ってこい。あと着替えとけ」

 

「「はーい」」

 

二人とも洗面所へ行くと響夜は火加減に気をつけながらトーストを焼いていく。

焦げても焼けてなくても駄目なのでじっくりと、弱火で焼いていく。

 

「ん、良いにおいするな」

 

卵に砂糖と少しだけ蜂蜜を混ぜている。

事前に甘みを入れておくことで焼けたあとにはバターだけで十分美味しく食べれる。

 

「出来たぞー」

 

焼き上がったトーストを皿に乗せて、二人を呼ぶ。

階段がバタバタと音がするので急いで降りてきているのだろう。

 

「出来た!?」

 

「おう、食べて良いからな」

 

「響夜のは?」

 

「先におまえらが食え。俺のは今から作るんだよ」

 

響夜はそう言うとまたフライパンに油を引いて新しく作っていた。

 

「ごめんね、先に食べてて」

 

「なんで謝んだよ、焼ける量に限界があるんだから先におまえらのを作ったんだよ。俺のを作っても焼かないと駄目だから冷める」

 

「そっかぁ・・・」

 

木綿季は料理している響夜の姿を見ながら食べていた。

バターだけ用意されて、シロップを混ぜないのかと思ったが神楽がそのまま食べているのを見て、バターだけをつけて食べると甘くて美味しかった。

 

「俺も食べたら学校行くか」

 

「今日ってテストの結果発表だけだよね?」

 

「そうだぞ。だから昼までには帰れる」

 

「・・・にぃににねぇね、デート行ったら?」

 

食べている神楽がいきなり言うため二人は少し固まる。

 

「・・・木綿季が良いなら行く」

 

「ふぇっ!?」

 

木綿季に選択権が委ねられたからか本人は顔を真っ赤にする。

響夜は関せずといった表情で大量のトーストを焼いていく。

 

「・・・行く」

 

「ラブラブ。頑張ってね、二人とも」

 

「お、おう」

 

「ぷしゅ~」

 

こんな日常が毎日続くのだろうとなると木綿季は神楽の言葉になれようと決心していたりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイクでいつも通り登校してきた3人は上靴に履き変えると掲示板を見に行った。

そこには和人や明日奈などの姿も見える。

 

「和人ー、明日奈ー」

 

「ん?・・・響夜に木綿季じゃないか」

 

「木綿季、神楽ちゃん、おはよう~」

 

「おはよ。明日奈」

 

「順位もうでたのか?」

 

「まだだな。10時発表で・・・今は9時50分」

 

「おっせぇ」

 

待つことは好きではない響夜は残り10分をどうしようか考えていた。

すると和人があることを響夜に話す。

 

「なあ、響夜」

 

「んあ?」

 

「ALOでさ、浮遊城の攻略したいんだけど・・・手伝ってくれないか?」

 

「んー・・・予定が合う場合なら行ける。俺もちょっとした依頼があるし」

 

「依頼?」

 

「極秘依頼なんだ。教えれねぇよ」

 

響夜の極秘依頼が気になる和人だったがそれはすぐに気に終わる。

10時になったため掲示板にテストの順位が発表された。

 

「響夜、順位出てるよ!」

 

「はいはい。待てって」

 

和人達も自分の順位を探す。

響夜は上から探すと一発で見つかった。

 

「・・・明日奈が2位・・・?」

 

「響夜君凄いね。負けちゃったや」

 

 

順位では、

 

響夜が899点で1位。

 

明日奈が898点で2位。

 

神楽が885点で3位。

 

木綿季が860点で5位。

 

和人が854点で6位。

 

里香が830点で10位。

 

珪子が821点で12位。

 

珪子は12位だが800点も取れている時点で十分と言えるだろう。

 

「響夜。ボク10位以内に入れた!」

 

「・・・とりあえず帰るか」

 

「う、うん」

 

響夜達は順位を確認したらすぐに撤収した。

 

 

バイクで家に帰ると響夜は木綿季の頭に手を乗っけた。

 

「木綿季。おめでとう」

 

優しく頭を撫でて木綿季に言った。

これで木綿季は響夜と一緒にいれるし、禁止令が撤回された。

 

「ありがとう、響夜!」

 

「俺も1位取れたし満足」

 

「響夜と神楽ちゃん・・・どうやってとったの?」

 

「俺は前言ったように流し読み暗記と計算問題少しやるだけ。神楽は俺と同じだが問題はやってないな」

 

「すごいなぁ・・・二人とも」

 

「木綿季こそ、学年300人で中間ぐらいだったのによく取れたもんだ」

 

「えへへ~」

 

響夜は嬉しそうにする木綿季に改めて言い直した。

 

「とりあえず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえり、木綿季」

「おかえり、ねぇね」

 

響夜と神楽は木綿季に手を伸ばすとそういった。

木綿季も驚いた顔をしたがすぐに笑顔になって、

 

「ただいま!響夜、神楽!」

 

満面の笑みで木綿季は家に帰ったのだった。

 

 

 




えーはい。
テスト編はちゃんと終わりました。
次はチート性能の響夜さんが暴れ回るお話にでもしましょうか。


※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。