ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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怖がりなお姫様は夢現へと

あのことから数日が経っていた。

血縁関係になった木綿季、藍子、神楽、響夜は宿泊の時に楽しく話していた。

また、藍子が片親一致は結婚出来ないと言っていたが響夜は戸籍を捨てているため、市役所だろうと血が繋がっている書面も一切残っていない。

 

「さて・・・木綿季、久々にALOやるか」

 

「うん!」

 

久しく響夜としていなかった木綿季は早くしようと言った感じにしていた。

 

「「リンクスタート!」」

 

仮想世界へと移動する言葉を言うと二人の意識はALOへと移った。

現実世界では手を繋ぎあって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒビキが目を開けるとよくいた木の上だった。

決闘をしていたあの丘にいる。

 

「フレンド探知と・・・あとフードも外して・・・」

 

ユウキが探しに来れるように探知機能を起動しておく。

また、姿隠しのフードも取り払った。

 

「・・・この二振りはいつも通りだな」

 

ヒビキが愛剣として使っている『ファンタズム』と『霊想刀・焔凍』。

SAO時代の武器とALOの武器がヒビキのメイン武器でもあった。

 

「さて、何するかねぇ」

 

ユウキが来るまで暇なヒビキは掲示板を見ていた。

今の季節は12月。

クリスマスシーズンのため、マップは雪が降っている。

仮想世界では温度もある程度感知できるため、寒い場合はしっかりと寒さを感じる。

 

「さっむ・・・コート・・・コート」

 

ストレージから『聖夜のコート』を取り出すと装備した。

防寒効果があり、それでいてステータス上昇も強い。

ヒビキはコートであったまっていると上空に人影を見つける。

その人影は思いっきりヒビキに向かって来ていたが。

 

「・・・やっときたのか」

 

「ヒ~ビ~キ~!」

 

ヒビキに向かって来ていたのは先程まで一緒に暮らしていたユウキだった。

ALOでは婚約もホームもないので別々だった。

ユウキはそのままヒビキに突っ込む。

当然ヒビキは受け止めた。

 

「よっ・・・っと。危ないな」

 

「えへへ~!」

 

現実世界でも一緒だったがALOでも二人は互いに抱きしめあった。

お互いの温もりを感じるように。

 

「まったく・・・変わんねぇなぁ」

 

「当たり前だもん~」

 

「ユウキ、何したい?」

 

「ん~・・・何したいかなあ・・・」

 

「なんだ、ないのか?」

 

「だってボクはヒビキといれたら何でも良いよ?」

 

「調子の良いこと言うんじゃねぇの・・・っとそういえばあれがあったな」

 

「?」

 

ヒビキはとある事を思い出した。

何でもALOの大型アップデートで地下世界の邪神マップに『エクスキャリバー』が正式実装されたのを。

そしてそれと同時に一気に伝説武器の正式リリースが解放された。

ヒビキは伝説級武器である『霊想刀・焔凍』を持っているが、ユウキはまだ始めたときから使っている『マクアフィテル』のままなのだ。

 

「よし、今日はユウキの武器を探してみよう」

 

「へ?ボクの?」

 

「俺は新しいのがあるけどユウキはまだSAO時代の武器だろ?それに良い武器があるって聞いたしな」

 

「どんなの?」

 

「素材集めをするだけなんだが・・・クエストの難易度に対して報酬が美味しいんだよ」

 

「ほぇ~・・・やってみる?」

 

「あぁ、今日はユウキの為にな」

 

ヒビキはユウキをお姫様抱っこすると一気に羽を動かして加速した。

 

「ヒビキっ!?」

 

「しばらくこうされてろ、お姫様」

 

「あうう~・・・」

 

恥ずかしがるユウキを決して離さないようにヒビキは抱き抱えてクエストの場所へと移動した。

移動中ユウキは顔を真っ赤にするも内心では喜んでいたが。

 

 

抱き抱えられたユウキを見るプレイヤーは幸いいなかった。

元々目的のクエストはクリア条件が難しい類の物だったため、やっているプレイヤーはいなかった。

 

「さて、ついたぞ」

 

「あうう・・・恥ずかしい・・・」

 

「まったく・・・」

 

しゃがみ込んで顔を隠すユウキの頭を撫でているとヒビキの《索敵》に引っ掛かった。

 

「・・・っち、ユウキ。後ろ居ろ」

 

「う、うん」

 

ヒビキは『霊想刀』を引き抜くと辺りを警戒する。

すると草むらからモンスターが出てくる。

『エンシェントウルフ』と呼ばれるモンスターだった。

 

「・・・エンシェントウルフ・・・こりゃ運が良いな」

 

「そうなの?」

 

「エンシェントウルフのドロップ品には『古びた鉄』とかいう金属が取れるらしい。ただ出現確率が低いから高額売買されてる」

 

「ほえ~・・・」

 

ユウキもユウキでレアモノには興味を持っている。

だからかエンシェントウルフのドロップ品に目を輝かせていた。

ユウキは愛剣の『マクアフィテル』を抜くとヒビキの隣に立った。

 

「ユウキは右やれ。俺は左」

 

「わかった!」

 

ヒビキは『ヴォーパル・ストライク』でウルフに先制を入れた。

最初ユウキとヒビキを警戒していたウルフはヒビキに攻撃されたことによりヒビキに噛み付きを行おうとした。

 

「はぁぁぁ!!」

 

自分に後ろを見せたユウキはOSS『アグラントウィンド』を発動させ、一気にHPを削りきってウルフをポリゴンへと変えた。

 

「ん、あんがとさん」

 

「えへへ~、ちょうど新しいOSS作ったんだ~」

 

ユウキが新しく作り出したOSS『アグラントウィンド』は《風4土1物理5》の魔法属性入りのソードスキル。

 

「へぇ・・・良いじゃん。6連撃か・・・OSS俺も作ってみるかねぇ」

 

「ヒビキはユニークスキルだもんね」

 

「ああ、いまだにな」

 

ヒビキやカグラが扱うスキルは全て二人のみが扱えるユニークスキルだった。

SAO時代からの《幻想剣》を引き継いでいるため、ソードスキル自体が残っていた。

 

「んでもなぁ、《霊幻》スキル自体が強くてOSSを作る気にならん」

 

「どんなの?」

 

ヒビキはウィンドウを可視化して《霊幻》スキルの常時発動スキルを見せた。

それはやはりSAO時代であれば無双出来るほど。

 

「す、すごいね・・・」

 

「まぁ、でも作ってみるよ。ユウキが作ってるんだから」

 

「作ったら教えてくれる?」

 

「気が向いたらスキルスクロールをくれてやらぁ」

 

「ほんと?やったー!」

 

OSSは引き継ぎ制度があり、製作者が『スキルスクロール』と呼ばれるOSSの設計図を渡すことで他の人に託すことが出来る。

だがそれは一代のみで、二代目から三代目とは引き継げない。

 

 

 

その後、二人はクエストを難なく受託出来た。

クエスト名は『夢物語への共鳴』。

素材集め系の物で『夢結晶』を採って来るというもの。

 

「夢結晶ってどこで採れるのかな?」

 

「水晶洞窟内で採れるらしい。場所はここから少し歩けばあるみたいだな」

 

「んじゃ行こっか」

 

「はいはい」

 

水晶洞窟へと二人は足を運ぶ。

道中のモンスターはヒビキの《幻影剣》によって一掃されていた。

洞窟に着くまでユウキはヒビキに抱き着いて歩いていた。

 

「歩きづらいんだが・・・まぁ良いか」

 

「えへへ~、ゲームでもこうしてるのが良いもん~」

 

「そっちのが良いけどな。いつも通りのお前のが好きだし」

 

「ふぇっ!?」

 

「さて・・・飛ばしてくから少し抱えるぞ」

 

ヒビキはユウキを背負うと洞窟まで走り去った。

その後、洞窟内をも走っていくと大きな扉にぶつかった。

 

「うぉっ・・・っと・・・こりゃなんかのボス部屋か」

 

「あ~う~あ~う~」

 

「・・・ユウキが復活するまでここで休憩入れるか」

 

目を回しているユウキが復活するまでヒビキは寝ることにした。

《索敵》スキルで一定範囲内にモンスター及びプレイヤーが入ると警告音が鳴るように設定した後、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

ヒビキが寝てから30分ほど経った後にユウキが目を覚ました。

 

「あう~・・・」

 

まだ頭がクラクラするのかボーッとしていた。

すると隣から声がした。

 

「ん・・・」

 

「・・・ヒビキ?」

 

 

「・・・寝てるのかぁ・・・」

 

安全エリアらしい場所で寝ている為、危険性は少なそうだった。

するとユウキの頭の中であることを考えて実行することにした。

 

「んしょ・・・んしょ・・・」

 

ヒビキの頭をユウキの膝に乗っけた。

膝枕を久しぶりにユウキがやっていた。

 

「なんか・・・恥ずかしいけど・・・ヒビキ可愛いな~・・・」

 

普段ヒビキの寝顔を現実世界でも見ることは少ないからか、ヒビキの寝顔はユウキにとってレアだった。

するとヒビキが目を擦りはじめ、開けた。

 

「んが・・・ユウキ・・・?」

 

「ん・・・お、おはよう」

 

「おう・・・って・・・!」

 

ヒビキはユウキの膝に頭を置いていることに気付くとすぐに頭をどけた。

 

「ぁ・・・」

 

「悪い、重かったろ?」

 

「ううん!全然!」

 

「・・・あっちでやってくれるか?」

 

「ふぇ?」

 

「・・・ん、何でも無い・・・さて、行くか」

 

「はーい!」

 

ヒビキは装備画面で『ファンタズム』と『霊想刀・焔凍』を装備してスキル画面に《霊幻》と《真・幻想剣》をセットする。

ユウキもアイテムなどを確認したのち、ヒビキの後ろに付いた。

 

「基本俺が前衛やるからな。ユウキは合間に攻撃してくりゃあいい」

 

「良いの?」

 

「良いんだよ、最近暴れてねぇんだ、やらせてくれ」

 

ヒビキはファンタズムを振り上げると周囲に淡く発光する『幻影剣』を召喚する。

 

「んじゃ、戦争をはじめようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒビキとユウキがボス部屋に入って数十分が経過した。

未だにボスらしきモンスターが出現していなかった。

 

「んー・・・なんで出ねぇんだ」

 

「ここで行き止まりだもんね・・・どうしてだろう」

 

ボス部屋らしき所に突入すると何もなかった。

警戒して周りを捜索するも敵すら見つからなかった。

 

「ん・・・まさか」

 

ヒビキはど真ん中に幻影剣を出現させた。

それも特大サイズの剣を。

それがトリガーとなったのか剣が刺さった場所からヒビが広がって中から虹色の光が漏れていた。

 

「なるほど・・・恐らくこのフロア床にダメージを与えるのが鍵だったみたいだな」

 

「ほぇ~・・・でも一応警戒しよっか」

 

「とーぜん」

 

二人は警戒を続けて剣があった場所へと近づく。

すると上から小さな石が降り注いで来る。

 

「・・・!ユウキ、退け!」

 

「えっ!?」

 

ヒビキはユウキに言うもユウキは間に合わなかった。

天井からユウキ目掛けて突撃する何かがいた。

 

「ユウキに触れんじゃねぇぇぇ!!」

 

ヒビキはファンタズムで『リニアー』を発動させるとユウキの所へと一気に加速した。

そして霊想刀で《霊幻》スキル『鏡花』を発動させたと同時に突撃してくるモンスターの攻撃を弾き飛ばした。

 

「うわぁっ・・・!」

 

「怪我ねぇな?」

 

「うん、ヒビキが守ってくれたから・・・」

 

「さすがに連続は無理だぞ」

 

「わかった!」

 

ユウキは体制を立て直すと突撃してきた相手と距離を取る。

土煙が晴れると突っ込んできたモンスターの姿がわかるようになった。

だがユウキの《索敵》スキルでは相手の情報を看破出来なかった。

 

「ボクの索敵じゃ看破出来ない・・・」

 

「俺のなら出来る。Lv150ドリームクリスタドラゴンみたいだな・・・絶対に直撃は喰らうなよ、即死が有り得る」

 

「うん!」

 

ドラゴンは鈎爪で目の前にいるヒビキを引っ掻こうとするが、ヒビキは大きく跳躍すると背中の羽を切り付けた。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

《真・幻想剣》上位十六連撃スキル『ホーリーバーン』で右羽を攻撃する。

すると羽の翼膜が破れてドラゴンは悲痛な叫びをあげた。

 

「今度はボクの番!」

 

ユウキは怯んでいるドラゴンのお腹に『ホリゾンタル・スクエア』を叩き込む。

それだけでドラゴンのHPが大きく削れた。

 

「これだけで半ゲージか・・・あと3.5本を削り切るのか・・・」

 

「一気に削りきれるのは・・・危ないかもね・・・」

 

「まったくだな!」

 

ドラゴンもただやられているわけではなく、火炎玉を二人に目掛けて吐き出した。

床に当たるとその場所は一気に燃えた。

それだけで二人は冷や汗を掻く。

 

「・・・塵も残らなさそうだな」

 

「炭だよ当たれば」

 

「それ以上な気がするが」

 

こんな会話をしている間にも手や足、羽など様々な所を攻撃する。

しかし鱗によるダメージ軽減が強いのかダメージをあまり与えれていない。

 

「仕方ない・・・か。ユウキ、15秒堪えれるか?」

 

「出来るだけ頑張ってみる!」

 

「悪い」

 

ヒビキは一時的に前衛をユウキに交代すると《霊幻》スキル『不知火』を発動させた。

これは30秒間だけ自身の攻撃力を大幅に上昇させて、防御力を貫通する。

また発動後HPを全回復し、全ソードスキルでの三撃目を強化する。

 

「よし・・・!ユウキ、スイッチ!」

 

「了解!」

 

「っしゃあ!駄目元でやってやらぁ!」

 

ヒビキは《真・幻想剣》最上位二連撃スキル『真光・次元斬』でドラゴンに突撃するとファンタズムで回転斬りをして腹に思いっきり突き刺した。

それによるショックで気絶を取ると《剣技連携》によって霊想刀でさらに《真・幻想剣》最上位スキル『夢瞑剣』で抜刀攻撃をした。

 

「ヒビキ!」

 

「一緒にやんぞ!」

 

「うん!」

 

ヒビキはファンタズムを引き抜くと《霊幻》スキル『天霊滅刹』を発動させた。

ユウキもOSS『マザーズ・ロザリオ』を発動する。

 

「ユウキ、やれ!」

 

「これがボクのOSSだぁぁぁ!」

 

「さっさとくたばりやがれ、ドラゴンが!」

 

ユウキがOSSによって攻撃した場所をヒビキが追撃するように怒涛の攻撃を仕掛ける。

『天霊滅刹』は最上位48連撃スキルで、ヒビキが扱うスキルでも特異なスキルだった。

それがヒビキが攻撃しているように、攻撃時に追撃ダメージを与える。

ユウキのOSSが終わると《剣技連携》で更に『ホリゾンタル・スクエア』を与えた。

 

「グゴガァァァッァ!!??」

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「そりゃぁぁぁ!!」

 

二人の怒涛の攻撃によって全てのゲージを消飛ばされたドラゴンは悲壮な悲鳴をあげるとポリゴンとなって消え散った。

 

「グガ・・・ガァァァ・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「しんど・・・」

 

「・・・クリア・・・か」

 

「だね・・・つっかれたぁぁ・・・」

 

「だな、お疲れ様・・・ユウキ」

 

「うん・・・ヒビキもお疲れ様・・・」

 

二人は疲れ果てているとリザルト画面が出てくる。

ドロップ品には大量の夢結晶が表示されていた。

 

「うわぁ・・・すごい量・・・」

 

「多分・・・あれだな、あのドラゴンは塊なんだろう。だからこんなに沢山入手出来たわけだ」

 

「これだけあれば沢山貰えるね!」

 

「実際にはカグラに作ってもらうんだけどな」

 

「カグラちゃんのなら安心だからね~」

 

「だな・・・んじゃ帰るか」

 

「うん・・・ってあれ?」

 

「・・・なんで腰ぬかしてるんですかね」

 

「うぅ・・・ごめん・・・」

 

腰が抜けて立てなくなったユウキをヒビキはお姫様抱っこする。

 

「はぇっ?」

 

「これが一番良い、ユウキの顔見れるし」

 

「んも~・・・恥ずかしい事ばっか言うなぁ・・・」

 

「からかいがいがあるからな、ユウキは」

 

「うぅ~・・・」

 

ヒビキにからかわれ、顔を真っ赤にしたユウキをよそに、洞窟を出るべくヒビキは走り去った。

 

 

その後、クエストで夢結晶全てを金属へと変換する。

するとヒビキがユウキを連れてアインクラッド22層に連れていった。

 

「どうしたの?」

 

「ん、家買ったんだよ」

 

「え?」

 

「SAO時代の家をまた買ったんだよ。何だかんだで名残深いし」

 

ヒビキは合い鍵をユウキに一つ渡した。

それはアインクラッドでの22層の家の鍵と同じものだった。

ユウキは扉を開けると中が一緒だと気づいた。

 

「これ・・・中も一緒?」

 

「そりゃあな・・・今日からALOはここで極力ログアウトしような。宿屋でも良いが」

 

「ううん、この家が良い」

 

「そうか・・・んじゃ戻ろうぜ」

 

「うん」

 

二人はベッドに倒れ込むとログアウトボタンを押してALOから現実世界へと意識を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が目を開けると時間帯は夜中。

お昼も食べていなかったため、お腹がすいていた。

 

「ん・・・お腹空いたな・・・」

 

「食べるか。晩御飯」

 

「うん・・・」

 

どことなく木綿季が暗かったので響夜は木綿季を抱き寄せた。

 

「・・・言いたかったらいってくれていい。嫌なことあれば言えば良い」

 

「・・・響夜は・・・ずっとボクの隣にいてくれる・・・?」

 

「当たり前だろ?ずっと一緒に居てやる」

 

「・・・うん」

 

「ったく・・・お前が早く16になれば、結婚式出来るぞ?」

 

「ふぇっ、あう・・・」

 

「それとも営みがご所望ですか?お嬢様」

 

「ふぇぇ・・・」

 

響夜は顔を赤くした木綿季を虐めていると最後の言葉に頷かれた。

まさかそれを望んでいるとは思っていなかったため、驚く。

 

「お前は欲求不満かよ・・・」

 

「・・・したいんだもん」

 

「確か・・・お前今日・・・」

 

「・・・そうだよ」

 

「出来ちまったら責任取るからな。嫌とか絶対言わせねぇから」

 

「喜んでボクは響夜を受け入れるよ。ボクの旦那さんだから」

 

「調子の良いこと言うんじゃない・・・目ぇ潰れ」

 

木綿季は響夜に言われたとおり目をつぶる。

何をされるのか心臓バクバクにしていると、目に何かが当てられる。

 

「えっ?き、響夜?」

 

響夜を呼ぶも返事がなく、木綿季は不安になる。

すると木綿季の体を何かが触れた。

 

「ひゃっ・・・!き、響夜・・・?」

 

何度も響夜の事を呼ぶも返事が無かった。

すると不安と恐怖によって木綿季の声は涙声になる。

 

「きょうやぁ・・・」

 

「泣き虫かよ・・・」

 

響夜が目隠しを取ると木綿季は泣きながら響夜に抱き着いた。

 

「怖かったよぉ・・・」

 

「俺がやったことぐらいわかるだろうに・・・」

 

「それでも返事が無いんだよ・・・怖いもん・・・」

 

「そっか・・・ごめん、意地悪し過ぎたな」

 

泣いている木綿季の頭を撫でて優しく抱きしめていると安心してきたのか木綿季はそのまま寝てしまった。

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「・・・おやすみ、木綿季」

 

寝ている木綿季とキスをすると響夜は木綿季の隣で一緒に寝た。

すると響夜の温度によってか木綿季は響夜に抱き着く。

 

(こいつ・・・寝にくいっての)

 

寝にくさを感じるも嫌気はささなかったので響夜はそのまま眠りについた。

 

 

 




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