ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車

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今回はクリスマスイベント?です。
それと自分のオリキャラの誕生日だったり。


聖夜の喫茶店

皆さんは12月に良い思い出はあるだろうか?

12月で知られる物といば『クリスマス』や『大晦日』などだろうか。

 

ここ、雪宮家では大事なイベントがあった。

これはその一日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪宮家の中を慌ただしく駆け回っている人物がいた。

 

「いっそがしい・・・」

 

「今日は大事な日だもんね~」

 

「そりゃあな」

 

響夜と木綿季は朝から忙しく動いていた。

その理由は今日が12月24日、クリスマスの日。

そしてもっと大事な神楽の誕生日でもある。

本来ならば木綿季と同じなのだが翔平によって出生届が遅れてだされただめ、役所では12月24日が神楽の誕生日となっている。

 

「ねー、響夜。神楽ちゃんが喜びそうなのってどんなのだろ?」

 

「んー・・・引きこもってるとはいえ神楽は元々お洒落が好きだったからなあ・・・髪留めでも喜ぶし」

 

「お洒落かぁ・・・そういえば、神菜さん達って今日帰ってくるの?」

 

「無理らしい。だがテレビ電話で神楽と内密に話すって言ってたし、大丈夫じゃないか?」

 

「そっかぁ~・・・お昼辺りに外出てきて良いかな?」

 

「俺も出るから一緒に行こうか」

 

「うん!」

 

木綿季と響夜はお昼の外出の目処を付けると、また動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

響夜が一度神楽の部屋に行くとまだベッドで寝ていた。

ちなみに神楽のベッド周りには大量のぬいぐるみが置かれている。

だからか、常に神楽の寝床は暖かい。

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「気持ち良さそうに寝やがって・・・」

 

「・・・可愛いよ?」

 

「木綿季か・・・何あげるか決まったか?」

 

「これ見てね、決めたよ。ぬいぐるみあげようかなって」

 

「ん、そうか・・・さて買い物行きますか」

 

「そうだね。神楽ちゃんは・・・どうする?」

 

「寝かしとけ。こんな気持ち良さそうに寝てたら起こせん」

 

「分かったぁ」

 

木綿季は神楽の頭を少し撫でた後、響夜と一緒に家を出た。

 

「場所はどこにする?」

 

「まずは和人とかに教えようか。少しは仲が良いしな」

 

「じゃあボクが連絡入れるね、ダイシーカフェでいい?」

 

「そこで良い。エギルは・・・まぁ押し通す」

 

響夜は木綿季をバイクに乗せるとダイシーカフェに向かった。

その間に木綿季が和人や明日奈、里香、珪子などに電話を入れていた。

 

「パーティー会場は・・・エギルの店貸し切りに出来るか聞いてみるか」

 

「エギルさんのところなら大きいもんね」

 

「おう」

 

響夜の家でもさすがに人数が多いと狭いのでエギルの店を借りれないか直談判することとなった。

数十分バイクを走らせるとダイシーカフェに到着し、中に入った。

 

「よ~っす」

 

「こんにちは~」

 

「おう、いらっしゃい。響夜に木綿季ちゃん」

 

「相変わらずな店だよな」

 

「うるっせぇ、夜は繁盛すんだ、これでも」

 

ダイシーカフェ店主のエギルといつもの会話を交わすと響夜はあることを話し出す。

 

「なぁ、エギル」

 

「どうした?」

 

「今日、この店貸し切りにできるか?夜の時間」

 

「・・・構わんが・・・なんかあるのか?」

 

「今日はクリスマスの日だけど、神楽の誕生日なんだよ。どうせなら楽しい誕生日パーティーにしてやりたいしな」

 

「なるほど、今日が神楽の誕生日なのか・・・良いぞ、好きに使え」

 

「さんきゅ。あと和人達も来るから伝達頼んだ」

 

「お前らはどうすんだ?」

 

「プレゼント選びしに行かんと駄目なんでな、んじゃ木綿季行くぞ」

 

「う、うん。エギルさんまたあとでね」

 

「ああ」

 

エギルと手早く話を済ませると響夜は木綿季を乗せると神楽のプレゼント選びに走り去った。

 

「ねー、響夜」

 

「あー?」

 

「ボクと神楽どっちが好きー?」

 

「・・・そういうのは聞く物じゃない」

 

「えー」

 

響夜としてはどちらも大事な存在。

神楽は大事な妹で、木綿季は恋人で将来の相手。

どちらかを選べと言われても選べきれない。

 

「こうして俺と木綿季は一緒にいる。それだけで十分だろ?明確に表現しなければ駄目って言うわけじゃない。神楽と木綿季はどちらも大切だしな。でも違いがあるだろ?それだけだ」

 

「うん・・・ごめん、変なこと聞いて」

 

「構わん。でもな木綿季。少なくともお前の事の方が優先ってことだ」

 

「・・・えへへ」

 

「さて、今は・・・14時か。飛ばして早く準備するぞ」

 

「はーい!」

 

誕生日ケーキやクリスマスケーキの受け取り時間を18時30分に設定しているため、残り4時半。

しかし飾り付けや、プレゼント選びなどやることが多いため、急ぐ理由はあった。

響夜に言われ木綿季はさらに響夜に力強く抱き着く。

 

「ぎゅ~!」

 

「あんま強く掴むなよ・・・」

 

「分かってるよー!」

 

そんなことで、走らせていると目的の店に到着する。

それは大型のデパートで、中には洋服屋や雑貨屋など様々な店があった。

 

「木綿季、手」

 

「う、うん」

 

「逸れないように一応な」

 

逸れないようにと言いつつも響夜の顔は少し赤みがかかっていた。

 

「響夜、照れてるの?」

 

「うっせ、行くぞ」

 

「わわ、待ってよ~」

 

木綿季を引っ張っていくとデパート内へと入っていった。

クリスマスだからか、中にはカップルや夫婦などがあふれかえっていた。

 

「わぁ・・・」

 

「・・・木綿季」

 

「どうしたの?」

 

「周り見てみな」

 

響夜に言われ木綿季は辺りを見回した。

すると自分達の状況と周りの状況が一緒だと気付き顔を赤くする。

 

「ボク達・・・」

 

「何をいまさら・・・ほら、行くぞ」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デパートから出てくると響夜と木綿季の両手には紙袋が握られていた。

 

「ん~、いい買い物~♪」

 

「あのー木綿季さんどうやって持って帰るのでしょうか」

 

「響夜が持ってくれると思ってたけど・・・駄目・・・?」

 

「さすがに許容量がな・・・仕方ない、木綿季。タクシーで一度家に帰れ」

 

「え?響夜はどうするの?」

 

「一度帰らないと神楽は家にいるだろうが・・・木綿季が先に帰って神楽にある程度言ってくれ。ただ誕生日だとは言わずにな」

 

「ん、分かった」

 

木綿季が頷くと響夜は財布から一万円を木綿季に渡した。

 

「タクシー代。余ったら好きにしていい。んじゃ俺は先に行くぞ」

 

「え、えと・・・響夜」

 

「んあ?」

 

「うぅ・・・・・・よし!」

 

「ん?・・・って・・・」

 

「はむ・・・」

 

「ん・・・」

 

「ぷはっ・・・ふにゅぅ・・・」

 

「ここは外だぞ・・・まぁ良いけどな。んじゃ行くからな」

 

響夜は木綿季の頭を撫でると、バイクに乗って家にへと向かった、

 

「・・・早く帰れないかな」

 

木綿季は先に家に向かった響夜の姿を見届けるとタクシー乗り場でタクシーが来るまで待つことにした。

 

 

 

 

 

響夜が家に帰ると家の明かりがついていた。

木綿季が先に帰って居たようで、家の扉も開いている。

 

「ただいまー」

 

「おかえり~」

 

「・・・おかえり、にぃに」

 

響夜が家に入ると木綿季と神楽が玄関で喋っていたのか一緒にいた。

 

「今から出るとこだったんだ~」

 

「ん、そうか。すぐに片付ける」

 

「ゆっくりで良いからねー」

 

響夜は買ってきた物を仕舞いに二階へ上がるとすぐに片付けた。

そしてバッグを持つと中に神楽のプレゼントを入れて下に降りる。

 

「準備出来てるか?」

 

「うん、出来てるよー」

 

「・・・どこか行くの?」

 

「神楽は黙ってついてきな」

 

「・・・」

 

「嫌なとこじゃないよ。神楽ちゃんからすると・・・嫌かもだけど、ボク達なりに考えたからさ・・・来てくれる?」

 

「・・・うん」

 

「ありがとうな、神楽。そんじゃバイク乗れ」

 

神楽と木綿季がいつもの定位置に座ると響夜はバイクを吹かしてダイシーカフェへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイシーカフェに到着すると入口の掛札には【貸し切り中】と書いていた。

響夜はそんなものを無視し、中にはいる。

 

「ういーす、来たぞー」

 

「おっそいわよ!呼んどいてこれは無いんじゃない?」

 

「そういうおめぇらはしっかりしてきたんだろうな?」

 

「当然よ。神楽ちゃんのためだもの」

 

「木綿季さんも神楽さんも早く座ってくださいよ!」

 

珪子に急かさ木綿季と神楽は女子側グループへと連れていかれた。

響夜はカウンターで飲み耽っている野武士の隣に座る。

 

「よお。遼太郎」

 

「おお、やっと来やがったか」

 

「うるせぇ、酒くせぇ」

 

「ひっでぇな、お前は・・・」

 

この野武士の男はSAOで攻略組で活動し、リアルでも親友となっていた『クライン』こと『壺井遼太郎』。

年はエギルの次の年長者でブラック企業に勤める会社員。

 

「響夜、クラインの近くにいると酒臭いのが移るぞ」

 

響夜とは椅子が2つほど離れて座るのは桐ヶ谷和人。

SAOをクリアに導き、響夜に代わりにALO事件を終結した英雄。

もっとも本人は嫌っているが。

 

「生憎俺は酒が異常なほど強いんでね・・・エギル、ホットミルクティー一つ」

 

「あいよ」

 

響夜が注文したと同時にカウンターを滑りながら注文した温かいミルクティーがやってくる。

エギルはSAOで囚われていたとはいえ、元々は店主。

2年間店仕事をしなかっただけで鈍る腕ではなかった。

響夜はミルクティーに砂糖を3杯入れると一気に飲み干した。

 

「うし、台所借りるぞ」

 

「ああ。食材は自由に使っていい、嫁さんから許可はもらってる」

 

「あんがとさん」

 

 

 

 

 

「・・・?響夜どこ行くのかな・・・?」

 

木綿季は奥へと入っていった響夜が気になったが、すぐに意識を女子グループへと移す。

神楽は詩乃の膝の上に座ってホットミルクティーを飲んでいた。

 

「ん・・・詩乃。足だいじょぶ?」

 

「大丈夫よ」

 

「そういえば神楽ちゃんってシノのんと仲良いよね。いつ頃からなの?」

 

「あー・・・えっと・・・どう話せば良いのかしら・・・」

 

「ん・・・詩乃とにぃには幼馴染」

 

「そうなの!?」

 

「え、ええ。私少し前に転校してきたでしょ?あれって響夜のお母さんがやってくれたの」

 

「響夜さん・・・凄いですね」

 

「和人君もだけど響夜君も中々ぶっ飛んでるよね・・・」

 

明日奈の言葉が和人に聞こえて居たのか体をカウンターから明日奈達の方へ向けた。

 

「悪かったな、ぶっ飛んでて」

 

「あっ、ご、ごめんね?」

 

「ふん」

 

「・・・大人気ない」

 

「うぐ・・・」

 

木綿季達と同じ年齢とはいえ、容姿が幼い神楽の言葉は和人に刺さったようだ。

すると台所の扉がいきなり開かれた。

 

「あほんだらー、出来たから食っとけ」

 

「おぉぉ・・・すごい」

 

「普通だろ・・・藍子か明日奈。ちょい手伝ってくれ」

 

「明日奈さん、私が行きますね」

 

「あ・・・藍子さん、ありがとうございます」

 

藍子が立ち上がると台所へと吸い込まれていった。

 

 

中に入ると食材が一気に出されており、コンロも全て使われていた。

 

「ん、藍子か・・・なんか出来る料理あるか?」

 

「えっと・・・パスタ系とか出来ますね」

 

「んじゃそれ頼む。味付けはお好きに」

 

響夜は藍子に手伝いを頼むとまた、せわしなく動く。

だが無駄が無い動き藍子は関心していた。

 

「慣れてるんですね」

 

「そりゃあな。食いしん坊がいるし」

 

「あはは・・・」

 

響夜のいう食いしん坊とは表で沢山料理を食べていることだろう木綿季の事。

そして神楽もそれに当てはまる。

 

「響夜さんは食べないんですか?」

 

「俺は味確認のつまみ食いで腹が膨れるからな」

 

「・・・しっかり食べて、お兄ちゃん」

 

「・・・ある程度作ったら食べるから」

 

「はい、ならいいです」

 

藍子の威圧に響夜は負けると大人しく食べることにした。

普段は敬語だが怒ると一部にはタメ口なのだ。

響夜に対してはお兄ちゃんというおまけつき。

しかしこれを知るものは藍子、木綿季、神楽、響夜の4人だけだが。

 

 

 

響夜が台所に入って1時間ほどが経つ。

藍子は途中で疲れて来ていたので響夜がやめさせると表に行かせていた。

響夜は台所を掃除して綺麗にして出ると、カウンターには酒で潰れたクライン。

テーブルには珪子と里香、直葉、詩乃、神楽、藍子が寝てしまっていた。

明日奈は和人の隣で寝ており、木綿季はまだ頑張って起きているようだった。

 

「木綿季」

 

「ん・・・響夜」

 

「こいつら・・・酒で寝やがったか」

 

「ううん・・・クラインさんのお酒のにおいで・・・」

 

「あぁ・・・まぁ許してやれ」

 

「うん・・・」

 

木綿季は眠たそうなのか、目が据わっている。

響夜も隣に座ると木綿季を膝枕した。

 

「・・・木綿季。渡したいのがあるんだよ」

 

「ふぇ・・・?神楽ちゃんじゃなくて・・・?」

 

「神楽とは別・・・まぁもう少し後に渡そうかと思ったけどクリスマスだしな」

 

響夜は近くに置いていたバッグから細長い箱を取り出した。

 

「やるよ。クリスマスプレゼント」

 

「ありがとう・・・・・・開けていい?」

 

「お好きに」

 

木綿季は箱を開けて包装紙を取ると、中からはネックレスが出てきた。

 

「わぁぁ・・・」

 

「木綿季のイメージカラーの紫で、オーダーメイド。宝石部分には木綿季の名前が入ってるよ」

 

「付けても良い・・・?」

 

「貸してみな、付けてやる」

 

木綿季は響夜にネックレスを渡すと首元にひんやりとした感覚があった。

気になり手を当てると先程のネックレスがかかっていた。

 

「響夜・・・ありがとう」

 

「俺からも、いままでありがとうな」

 

「今まで・・・じゃないよ。これからも」

 

「だな・・・神楽が寝ちまったけど明日渡そうか」

 

「うん・・・」

 

「・・・眠いなら寝ていいからな。俺も眠い」

 

「うん・・・おやすみ・・・響夜」

 

「ああ、おやすみ木綿季」

 

木綿季は響夜の膝を枕にするとそのまま眠りについた。

首から覗くネックレスが月明かりに照らされて妖しく輝く。

 

「・・・大好きだぞ、木綿季」

 

月明かりに照らされた木綿季の姿を見て響夜は心臓が早くなるのを感じるが、頭を撫でていると眠気が襲ってきてそのまま寝てしまった。

 

 

 


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