投稿スピードが遅いですね。
それは普通に以前が学校の休日の関係上出来たのですよ。
今は普通にあるので・・・。
(モ○ハ○や艦○れ等をやりまくっていたために遅れた模様)
響夜はオーグマーの設定を行っていると自室の扉が開かれ、木綿季がやって来た。
手には先程響夜が渡したオーグマーがあった。
「どうした?」
「・・・これって・・・どうやるのかな?」
「・・・仕方ねぇなぁ・・・」
設定方法がわからない木綿季に響夜は呆れつつも、仕方ないと言った感じで教えることにした。
「オーグマーの設定教えてやるから一回起動しろ」
「・・・起動?」
「こうやるんだよ。オーディナルスケール起動」
響夜はオーグマーをまた装着すると先程の起動キーとなる言葉を放った。
「やってみな」
「う、うん!」
響夜に続き木綿季も付けると同じく復唱した。
「お、オーディナルスケール起動!」
すると木綿季の目には様々な画面が表示され、1番前に表示されているのはアカウント情報だった。
「え、えっ?」
「多分今木綿季にはアカウント情報画面が表示されてるはずだ。んでもって目に入るように手を動かしてみろ」
響夜に言われ木綿季は自分の手を目に入れる。
すると視界の右下にキーボードのボタンが出てきた。
「右下にキーボードのようなボタンがある。それを指で突いて」
「わ、わかった」
恐る恐るボタンに指を触れるように動かすとアカウント情報の記入欄の下にキーボードが出てくる。
パソコンと同じ配列で並んでおり、左にはシフトキーなどがあった。
「初回起動のオーグマーにはアカウント情報がない。最初に入力した情報がアカウント情報として記録されるから真面目に考えればいい」
「上の欄が・・・ユーザー名だよね?」
「そう。上の欄がユーザー名。下がパスワード欄」
木綿季はユーザー名にいつもの名前を入力し、パスワードはあるものを入力して登録した。
すると今度は年齢、住所、本名など個人情報入力になった。
「その次はもうできるだろう。今の木綿季の個人情報を入力すればいい」
「好きな食べ物・・・って意味あるのかな?」
「それは後で出てくるオススメの店を紹介する際に必要だけど・・・要らないなら入力しなくて良い。必要最低限の項目は赤色で表示されてるからな」
「・・・よしっ、出来たよ」
「なら一度落とすぞ。オーディナルスケール停止」
「オーディナルスケール停止!」
停止を言うとオーグマーの出力が切れて、目に表示されていた画面が何もなかったかのように消えた。
「木綿季。これが拡張現実だ。俺達が過ごす現実世界を弄る物だな」
「何だろ・・・VRとはまた違うね」
「あっちは脳全体を使った方法だけどこっちは身体全体を使った感じだな。あとしっかりと現実世界で意識がある所か」
「へぇ~・・・ん・・・む・・・」
響夜に違いを教えてもらっていると木綿季は目を擦りはじめた。
「・・・眠いのか?」
「ちょっと・・・慣れなかったから目が疲れちゃった・・・」
「なら寝てていい。俺ならすぐそこにいるから」
「うん・・・おやすみ・・・」
「おう。おやすみ」
木綿季はオーグマーを響夜に渡すとベッドに倒れ込んで寝てしまった。
響夜はちゃんと木綿季をベッドに寝かせて毛布をかけると自分のオーグマーの端末接続部をパソコンと繋げた。
「さて・・・早速中身を見ようじゃないか」
持ち前の技術で響夜はオーグマーの中身を精査していく。
何故このようなことをしたのかといえば、響夜の勘なのだろう。
気になったため、オーグマーを調べただけであり、気にならなければしていなかったのだろう。
「なんか・・・変だな。プログラムの配列が変だ」
オーグマーに組み込まれたプログラムを見ていると一部のプログラム文が変だと気づいた。
「これは・・・俺が組んだプログラムを少し変えたのか・・・一度整合してみるか」
オーグマーのプログラムをコピーすると、以前重村に渡したプログラムのコピーを照らし合わせた。
自動整合ソフトを使って変更されたプログラム文を解析にかけていく。
すると十箇所変更された部分があった。
「ここは・・・なんだろうか。プレイヤーの脳に対する記憶スキャン?何だこりゃ」
響夜が組んだプログラムには脳の全記憶スキャンなどは組み込んでいなかった。
それがこのオーグマーに入っていることから、何らかの要因でオーグマーの装着者に対して記憶スキャンが行われるのだろうと考えた。
「記憶スキャンなんぞ・・・下手すりゃやばいぞ」
人間の脳は全世界の脳科学者が日々研究をするほど興味深い物。
個々の脳は大部分が同じでも中身までは違う。
それが例えば性格や記憶力、言語能力、運動能力・・・など。
もし脳に対して強い電気信号がある場合何かしらが起きる可能性は大いにある。
このオーグマーは脳の記憶部分に大規模スキャンをかける物で、可能性として一時的な記憶喪失かまたは記憶全ての消失。
これがどれだけのものかは響夜にもすぐにわかる事だった。
響夜は部屋を出ると神楽の部屋に入った。
神楽は寝ているようでオーグマーを机に置いていた。
それを持って行こうとするとベッドから声がする。
「・・・にぃに・・・?」
「・・・少し借りるぞ」
「・・・なんか・・・あった?」
「・・・大分な。だがすぐに返す」
「わか・・・った・・・」
神楽もそこまで起きれなかったのかすぐに寝ると響夜は部屋を出て自分のパソコンに繋げた。
木綿季のも繋げると、記憶スキャンのプログラム命令文を書き換える。
「・・・スキャン部分は・・・そもそもスキャンの実行命令文を消そう」
数十分ほどキーボードをカタカタと叩いていると記憶スキャンのプログラム命令文を書き換えて消し去った。
他にも妙な部分がないか見て見るも、おかしな部分がなかったため、接続を解除すると神楽の机にオーグマーを置いた。
響夜と木綿季のも同じく響夜の机に置くと、一階に降りて冷蔵庫を開けた。
「ミルクティーは・・・マジか、午前の紅茶もう切れそうじゃん」
響夜が好んで飲むミルクティーの推しは『午前の紅茶』という名前のミルクティー。
普段ならば常に冷蔵庫にストックされているが買い忘れていたのか響夜が飲んでいる分で無くなってしまった。
「買いに行くにも・・・木綿季が起きたらあれだしなぁ・・・しゃーねぇ、木綿季が起きてから行くか」
今の時間はまだ朝方のため、木綿季が起きる頃にはお昼には行けるだろうと思い響夜は自室に戻った。
木綿季は気持ち良さそうに寝ており、ベッドの半分が空いていた。
「まるで俺も寝ろという寝方だな」
仕方ないといった感じで響夜もベッドに潜り込むと木綿季を抱きしめて寝ることにした。
完全に眠気があるわけではないが、ちょっとした睡眠ならば良いだろうと思いそのまま寝てしまった。
「おやすみ。木綿季」
「おや・・・しゅみ・・・」
響夜が行ったあの作業は後に大きな事件に大きく関わる。
それを知る物はただ二人だけだった。