ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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天才は規格外

「ねー、響夜ー」

 

「あー?」

 

「最近夜中に通話してるよね?」

 

「あー・・・まぁ、そうだな」

 

「誰と話してるのかな?」

 

「・・・なんかありましたか、木綿季さん」

 

いつもならそんな事を気にして来ない木綿季に驚く。

しかし木綿季は疑わしそうに響夜を見ており、言わなければダメという雰囲気だった。

 

「・・・まぁ良いよ。和人と話してんだよ」

 

「和人と?」

 

「そ。まぁやることあるし、後々のこと考えてな」

 

「そっかぁ・・・」

 

「何をしてるか教えないけどな。まだまだ思想段階だし」

 

「む~・・・わかった」

 

「それとな・・・いくら心を許しているとはいえ、身嗜みはしっかりな。女の子としてはしたないぞ」

 

「ふぇ?」

 

「ほら、ここ」

 

響夜は木綿季の服・・・厳密にはスカートを軽く捲った。

なぜならば木綿季の水玉がチラチラと見えていたためだ。

 

「うう・・・」

 

「恥ずかしいと思うなら身嗜みはしっかりしろ。じゃないと他の男にそれ見られるぞ」

 

「う~・・・」

 

「俺が直したけどさ、常にそういうのには気をつけろよ」

 

「はぁ~い・・・」

 

「まったく・・・他の男に見せたくねぇし」

 

「う?何か言った?」

 

「何でもねぇよ。今日はお前がご飯作るんだろ?」

 

「あっ、そうだった!・・・作って来るね!」

 

「はいはい」

 

今日のご飯担当は木綿季となっていた。

というのも以前に響夜ばかりが作るため木綿季が抗議し、余裕があれば木綿季が作ることになった。

余裕というのが朝早く起きること。

木綿季は朝が弱いため、いつも響夜が朝ごはんを作っていたが木綿季はこのままでは将来駄目だと考え、朝早く起きれるように頑張っていた。

その成果が出たのか木綿季は以前より早く起きれるようになり、響夜も任せることが多くなった。

 

「しっかし・・・まさか木綿季が聞いていたとはな・・・内容は理解してなさそうだが」

 

響夜が和人と通話で出していた内容は仮想のNPCを現実世界に描写すること。

和人と明日奈には子供といって差し支えない『メンタルヘルスカウンセリングプログラム(MHCP)』である『ユイ』がいる。

最初は和人が響夜に話した程度だったが、響夜は仮想体を現実で描写してみるという構想に興味を抱き、暇があればお互いに話し合っていた。

今では思想だが、いつかユイを現実世界で和人達が暮らせるようになればと考えていた。

響夜と木綿季にはそのような子供はいないが、二人は親公認の許婚。

その気になればすぐに作れてしまうが、今の不安定な経済力で響夜は作る気が無い。

 

「しかし・・・子供・・・ねぇ」

 

 

「木綿季は願望あるし・・・俺も欲しいけど・・・今の不安定さでは子供が苦労するだけだしなぁ・・・」

 

響夜は今は無職で、時折入ってくる高額依頼をこなすだけ。

依頼は最低でも百万以上の報酬しか受けないが、その分苦労するものばかり。

安定し今より楽な仕事に就きたいというのが響夜の目標。

 

「・・・やはり立ち上げるか・・・いやでもなぁ・・・」

 

響夜は頭を抱えながら悩む。

研究の天才児であるアルは有名アイドルでもあるため忙しい。

そんな人物が会社を運営する暇があるのかすら怪しいというのが響夜の見解。

そんなことをうんうんと唸っていると携帯が鳴り響く。

 

「うおっ・・・誰からだ・・・?」

 

響夜は携帯をとると誰からかみる。

 

「・・・アルか」

 

先程まで考えていた人物のためどうしような悩むが、電話に応答した。

 

「なんですかい」

 

『日本に着いたわ』

 

「・・・聞き間違えか」

 

『に・ほ・ん!に到着したわよ!』

 

「あぁ・・・早いっすね」

 

『向こうの仕事を早く片付けたのよ。早く貴方とこれからの方針を決めないとだもの』

 

「あぁ~・・・いや、今はきつい」

 

『どうして?』

 

「・・・オーグマー・・・AR機器にな」

 

『?』

 

「まぁ気にしなくて良い。とりあえず方針と言えるかあれだが、作りたいのはある」

 

『へー・・・どんなのかしら?』

 

「仮想世界のキャラクターを現実世界に映す。人と殆ど変わらないぐらいの物を」

 

『・・・良いじゃない。私もそういうのには興味があるわ』

 

「それでだが・・・神楽と和人も入れるぞ。二人とも機械強いし」

 

和人は響夜と同じく機械系に強く、特に工作に向いている。

神楽は監視系が恐ろしいほどに強い。

その腕は防衛省のセキュリティをばれずに容易くハッキング、突破出来てしまう。

ハッカーとしての腕を今回のセキュリティとして動かせばというのが響夜の考え。

 

『神楽は・・・どうなのかしら?その和人って人も私はそこまでよ?』

 

「大丈夫。和人は工作系、神楽はハッカーと覚えれば良い。俺はプログラムな」

 

『・・・私は内部の設定、調整ってことね』

 

「一応言うが基本アルが主導だぞ。じゃないと話進まん」

 

『わかってるわ。でも最初は会社が軌道に乗らなければあまり出来なさそうだけど』

 

「まぁな。とりあえずの算段だしな」

 

『・・・会社経営は任せなさい。貴方達にはある程度の開発が出来るようになってから誘うわ』

 

アルが言った内容に響夜は少し驚きを感じていた。

それは響夜達の手を借りず、会社を立ち上げるものだからだ。

 

『大丈夫よ。私には・・・お姉ちゃんがいるから。心配しないで』

 

「もし、無理そうなら諦めろ。無理して乗せる必要はない。こういうのはな楽観的にいけば良いんだ」

 

『ふふ・・・そうね。覚えておくわ』

 

「響夜ー!出来たよー!」

 

「はいよー!・・・嫁さんが呼んでるんで切るぞ」

 

『ええ・・・半年は待ってなさい。それまでに乗せて見せるわ』

 

「へぇ・・・言うねぇ。それじゃあな」

 

アルが言った半年とはいつからの事を指すのか。

それが分からなかったが、そのうち呼ばれるだろうと思い、響夜は一度木綿季のご飯を食べるべく部屋から出た。

すると神楽の部屋も同時に開いて中からあの白い真ん丸お化けを携えて神楽が出てくる。

 

「おはよう、神楽」

 

「ん・・・にぃ・・・おは・・・」

 

「そのぬいぐるみ気に入ったのか?」

 

「ん・・・可愛い」

 

「まぁ良いけど。とりあえず顔洗ってこい」

 

「ふぁ~い・・・」

 

覚束ない足取りで神楽は一階へと下りて洗面所へと向かう。

響夜は同じく一階に下りると椅子に座る。

 

「お、良い匂いだな。すごくうまそうだ」

 

「ほんと?レシピ見ながらだけど頑張ったんだ~」

 

「神楽が来たら食べるか」

 

「うん!準備万端!」

 

ご飯も盛り付け終わり、神楽が来るのを待っていると奥から顔を洗ってきた神楽がやってきた。

先程とは違い、目が完全に覚めたのか軽く早足で椅子に座る。

 

「来たね。じゃあいただきまーす!」

 

「「いただきまーす」」

 

 

 

 

今日も響夜家は平和な一日。

しかしそれは毎日続くとは限らない。

いつかそれを崩そうとする物は現れるのだから。

 

 




そろそろ本編入りたいですね。
まぁ更新遅いのでいっそ月日を飛ばそうかと考えはじめてます。
そこは感想次第にして・・・と。

今回、神楽の得意分野が分かりましたね。
神楽はハッカーという謎技術。
逆にいえばそれを防衛に回せば大きな盾になりえる・・・というわけです。
ハッカーというのは防御の穴を見つけ、そこから侵入しますからね。


次回・・・更新何時だろう。
番外編の感想も待ってたりします。


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