早く本編入れたいのと日常編長くなりそうだったし。
響夜が桜に退学届をたたき付けた後の教室。
騒動を起こした男子生徒は他の先生がやってきて何があったのかと聴取をしていた。
そして日直の仕事が一段落して教室に戻ってきた木綿季は教室の中がいつもより静かなのに気がついた。
「・・・?」
桜は戻ってきた木綿季に近付くと木綿季に先程響夜から受け取った退学届を渡す。
渡されたそれに木綿季は困惑しつつも桜に聞いた。
「あの・・・先生。これは?」
「・・・雪宮君の・・・退学届です・・・」
「・・・ぇ?」
「私が・・・教室に入ると雪宮君が私にこれを・・・」
「・・・そう・・・ですか・・・」
「・・・心配なのであれば・・・1時間目は私の授業です。早退して見に行っても・・・構いません」
「・・・はい・・・」
木綿季は帰る用意をするとすぐに教室を出て靴を履き変えると今日使った自転車に乗って自分達の家に戻った。
「なんで・・・響夜が・・・」
急いで漕いでいるとあまりにも速度が出てしまい、ブレーキが効かなくなっていた。
それに焦った木綿季は止めようとするも、ブレーキは効かない。
「うう・・・やばい!」
早めに止めなければもうすぐ十字路の道のため、かなり危ない。
すると目の前に見慣れたバイクが木綿季の目に入る。
「・・・響夜・・・?」
何故こんな場所にあるのかわからなかったが、木綿季は足を地面につけて擦らせてブレーキをかけようとする。
それに響夜も気付いたのか顔を引き攣らせている。
「・・・」
「響夜ー!止めてぇぇぇー!!」
「・・・マジか・・・」
その後、どのように止めたのかは本人達の知るのみ。
「木綿季。何か言うことは?」
「ごめんなしゃい・・・」
「・・・ったく。神楽から聞いたんだろ?」
「・・・あ」
「・・・家から追い出すぞ・・・」
「うぇぇぇ・・・やだぁぁ・・・」
「とりあえず・・・自転車乗れ。安全に漕いで」
「う、うん・・・」
響夜は先程の自転車特効を止めた木綿季を褒めはせず、怒っていた。
急いでいたとはいえ、ブレーキが効かないほどまで漕いでた事は危険性があった。
事故を起こしてほしくない響夜にとっては心配と怒りがあった。
「・・・しばらく自転車禁止」
「えっ?」
「送り迎えはしてやるから、しばらく乗るな」
「はーい・・・」
「まったく・・・」
「・・・ごめんね?」
「もういいよ。反省してんだから」
響夜は片手で木綿季の頭を優しく撫でた。
それに木綿季は「にゃー」と言いながら目を細める。
「・・・猫みたいだな」
「ふへへ~」
「もうすぐ家だからちゃんと前見ろよ」
「は~い」
しばらく二人は歩いていると家に到着したため、バイクと自転車を止めると家に入る。
「ただいまー」
「たっだいま~」
「・・・神楽いないから静かだ」
「だねぇ~・・・神楽ちゃんはどうするの?」
「授業終わったらメール寄越すだろ。そん時にでも迎えに行く」
「ふへ~・・・で、なんで退学届出したの?」
木綿季はかばんの中に入れておいた響夜の退学届を取り出す。
「・・・木綿季を好きな奴が俺とつるんでるのが気に食わないらしい。まぁそんなもん俺は気にしないが、木綿季にまで被害行くと俺が歯止め出来る自信が無い」
「・・・別に大丈夫だもん」
「木綿季まで汚名をかぶらなくていい。てか俺もやることが出来たから休学届出す予定だったんだよ」
「やる事って?」
「お前に教えると学業疎かにするだろうが・・・そのうち教えるからそれまで我慢しろ」
「はーい・・・」
「あとお前が退学届持ってきてるんなら、書き直す」
「へ?」
響夜は退学届を破り捨ててごみ箱に入れる。
その光景に木綿季はぽかーんとしている。
「休学届にでもする。授業は・・・気が向いたら出てやるよ」
「ほんと?」
「多分屋上にでも居るし、その時はメール送るから」
「うん!」
「あとは・・・母さんか・・・」
「神菜さんってあの学校の理事長・・・なんだっけ?」
「ああ。研究職と兼用でやることじゃないが、学校長とはまた別らしい」
「ほへ~」
「基本的には学校長がトップだが、理事長が在日しているときは理事長が一番上だな」
「神菜さんって意外とすごい・・・」
「休学届は別に母さんに言えば受理されるようなもんだから、理由も言っとくよ」
「じゃあ・・・ボク先に上に上がって着替えて来るね」
木綿季はかばんを持って二階へと上がっていく。
響夜はその間にスマホで電話帳から神菜の名前を探して電話をかけた。
『はい、神菜です』
「母さん?響夜だけど」
『響夜?どうしたの?』
普段ならあまり電話をかけて来ない響夜に少し戸惑いつつも聞いた。
「学校なんだけど・・・休学していいか?」
『あなた自体は卒業しているし構わないけれど・・・どうしたの?』
「・・・ちょっとやることが出来たんだよ・・・アルのお手伝いみたいなもの」
『アルちゃんの・・・分かったわ。あの子は人に頼らない節があるから心配だったのよ。響夜も時々で良いから見ててあげて』
「実際には会えねぇけど・・・まぁ電話で話す事になるし良いよ」
『そーれーと!木綿季ちゃんを泣かすんじゃありませんよ?』
「誰が好き好んで木綿季を泣かせなきゃならねぇんだよ!」
『あら?それだけ自信満々なら早く結婚しちゃいなさいよ』
「木綿季の年齢考えろよ・・・」
『あら、木綿季ちゃんまだ15歳だったわね』
「16歳なったら・・・って何言わそうとしてんだ」
すると電話から小さく舌打ちが聞こえる。
それに響夜は溜め息をつく。
「まぁ、そういうことだ。学校はしばらく休学する。行くとしても屋上昼寝」
『あまり木綿季ちゃんと神楽ちゃんに心配かけたら駄目よ?』
「・・・分かってる。母さんはのんびり研究してろ」
『はいはーい。それじゃあね』
それを言い残し、電話は切られた。
するとお腹から音がなる。
「・・・着替えたらご飯食べよう」
いつの間にかお昼の時間だったことに驚きつつも響夜は二階へと上がっていくのだった。