「ん~♪」
「美味しい?神楽ちゃん」
「うんっ」
そういうと神楽は次々とその手を進める。
「まぁ・・・木綿季のご飯は美味しいからな」
「えへへ~・・・」
「にぃに。学校・・・どうするの?」
「あ~・・・学校は休学届を出すよ。ただ復学しても授業出るか知らん」
「そっか・・・」
「・・・なぁ、木綿季」
「ん~?」
響夜に言われ木綿季はご飯を食べるのを止めると二人に向き合う。
「学校も急に休んで、お前に何も言わずで迷惑かけたけどさ・・・神楽の事頼んでも良いか・・・?」
「・・・良いよ。元よりそのつもりだもん!」
「・・・悪い」
「大丈夫だよ!ボクが神楽ちゃんをしっかり見ておきます!・・・だから早く戻ってきてね?」
「そんな重大な仕事でもねぇけどな・・・でも早く帰るよ。心配かけないように」
「うん!ご飯作って待ってる!」
「・・・ありがと」
照れ臭くなり、響夜は顔を逸らすと木綿季の頭を乱暴に撫でた。
木綿季も最初は驚くもすぐにされるがまま撫でられていた。
「基本はいつも通りだからな。本格的になれば遅くなるだろうけど・・・」
「大丈夫。待ってるから。響夜の事信じてるもん!」
「ありがとう、木綿季」
自分には勿体ないぐらいだなと響夜は内心思いつつも、そんな木綿季を独占出来る事に少しばかり優越感を抱く。
「・・・木綿季ってホントに良いよな」
「ふぇ?」
「あ・・・いや~・・・何でもねぇょ・・・」
声に出ている事に気づかず響夜は段々と声が小さくなる。
しかし木綿季には聞こえていたのか顔が赤くなっていた。
「・・・響夜・・・聞こえて・・・たよ・・・」
「・・・言うな」
「あ・・・えっと・・・響夜」
「木綿季。それ以上はまだ早いっての」
「・・・ぅ・・・」
もじもじとしながら何かを言おうとした木綿季に響夜は何を言おうとしたのか気づき、それを制した。
響夜は生半可な気持ちで木綿季と結婚はしたくない。
しっかりと16歳になって改めて木綿季の家に挨拶をしようと響夜は考えていた。
「・・・お母さんが早くしちゃえって・・・」
「そりゃあ早く娘の子供ぐらい見たいだろう。母さんも同じだ」
「・・・ボクは・・・別に・・・今からでも・・・」
「阿呆か。いざ出来たとして育児出来ねぇだろうが。お前は学生で俺は仕事就いてないんだから」
「うぅ・・・」
「もっと余裕が出来てからな。その頃には・・・色々と大丈夫だろうし」
「・・・うん」
「さて、もう寝ようか。こんな時間だぞ」
「えっ!?ほんと!?」
木綿季は響夜に言われ時計を見ると時間は0時を回っていた。
神楽はいつの間にか席を外して食器を片付けて2階に上がっていた。
「神楽は・・・もう寝てるだろうな」
「だよね・・・う~、しんみりとし過ぎたぁぁ・・・」
「さっさと片付けるぞ。お前は明日も学校なんだから」
「う~・・・わかった」
二人は早くご飯を食べつつも少し雑談を交えながら食べ終える。
片付けは木綿季がやろうとするも響夜が先に部屋に行けと言われてしまったため、木綿季は2階の部屋に行く。
木綿季も家事は出来るが、数年以上雪宮家の家事を一通り担っていたため響夜のが効率よく片付けも行える。
「これを洗って・・・これはここにしまってっと」
いつになく慣れた作業で洗った食器や調味料を仕舞っていく。
その作業を終える頃には時間は1時近くになっており、響夜は木綿季がいる2階へとあがる。
「木綿季ー、終わったぞ」
響夜が部屋に入るとベッドにはこんもりと膨らんだ布団があった。
それを静かにめくると中には神楽とそれを抱いている木綿季の姿があった。
「・・・まったく。神楽が姉離れ出来なくなるだろうが・・・」
神楽は集団恐怖症からなのか個人に対する依存が普通の人より人一倍強い。
それを懸念して神楽には個別の部屋があるのだが、時折こうやって響夜か木綿季と寝ようとする。
「すぴ~・・・すぴ~・・・」
「すぅ・・・すぅ・・・」
「・・・ま、幸せそうに寝てるし起こさないでやるか・・・」
響夜は顔が出る程度に布団をかけるとクローゼットから畳まれた毛布を取り出す。
そして自分が良く座る椅子に腰掛けると毛布をかけて目をつぶる。
「・・・おやすみ、二人とも」
その後、翌日朝早く起きた木綿季は椅子に座って寝ている響夜に申し訳なくなり、泣き出しそうになったのはまたいつかのお話。
なんか甘い・・・のですかね。
それと最近書く内容が思いつかなくなってきました。
OSもある程度オリジナル要素入れるとは思うので結構掛け離れる・・・予定です、予定ですけど。
それと自分のやる気が出れば新な小説【リリカルなのは】の小説を書こうかなと思います。
確実にオリジナル要素満載でチート主人公になりますが、やる気が出ればのお話なので未定の段階・・・。