重村教授により、実用的運用が可能になったオーグマー。
それが世に広まっていくのは遅くはなく、様々な店舗が連携してサービスなどを広報していた。
それにより響夜達が受け取ったオーグマーも堂々と出せるようになった。
響夜と木綿季は基本装着しており、木綿季は明日奈達と、響夜は神楽と共に遊んでいた。
一緒に暮らしているからか、一緒に居ない時間を作ろうと響夜が提案したため木綿季は明日奈や珪子などかつての仲間とケーキやパフェなどお菓子巡りをしていたり。
「神楽、次は?」
「ん・・・あれが良い」
「はいはい」
響夜は神楽とゲームセンターに来ていた。
当然の如くオーグマーの連携機器が置いてありそれが目当てといって良いほど。
基本的に普通のUFOキャッチャーだが、オーグマーの連携を使うと連続で物が取れる。
1プレイ200円だが、その分一発で取れれば次も挑戦可能と挑戦者の腕が試される。
「神楽がやるか?」
「うん。にぃにも隣の機械でやって?」
「はいよ」
神楽に急かされ響夜は自分のと神楽のプレイ分を投入する。
神楽もそこそこ物は取れるが響夜には到底及ばない。
狙った物を確実に取れる響夜のが異常なのだ。
二人が満足する頃には景品の半分が消え去っていたが、合法的に入手したためスタッフも口出しができなかった。
「にぃに、これ」
「お、あん時のぬいぐるみの違う奴か」
「うん♪」
珍しく神楽が上機嫌なのは某2Dアクションゲームに出てくる白い真ん丸照れ照れお化けが取れたからだった。
神楽の部屋には真ん丸、王冠付きとあるが今回はピンク色のお化け。
ぬいぐるみ好きの神楽はこういったゲームキャラのぬいぐるみも好きなのだ。
「もう・・・帰る?」
「あ~・・・結構入り浸ってたな」
響夜が時間を見るとゲームセンターに到着した時刻が8時で今の時刻は17時。
9時間もゲームセンターで遊んでいる事に驚くも、面白みがあって楽しめたため気にはしなかった。
「木綿季も家に帰ってるだろうし・・・戻ろうか」
「はぁい」
神楽は手に先程手に入れたお化けを抱えながら響夜についていく。
響夜も神楽と自分の戦利品を持ちながらバイクに乗せた。
家に到着すると家の明かりが点いており、木綿季が家にいると分かる。
「今は・・・18時か。結構混んでたしな」
「早く、帰ろっ。これ見せる」
「お、おう」
余程ピンクお化けがとれたのが嬉しいのか木綿季にも見せたいようだ。
バイクを止めて二人は家の扉を開ける。
その音に気付いたのか奥から木綿季が出てくる。
「おかえり!響夜、神楽ちゃん」
「おう、ただいま木綿季」
「ただいま、ねぇね」
「もうご飯出来てるよ!」
「お、じゃあ早速食べるか」
「うん!」
木綿季の手料理は神楽も喜ぶほど美味しい。
普段あまり感情を表に出さない神楽や作りなれている響夜も。
最近では朝起きる時間も早くなってきて、響夜も感心していたり。
「今日のご飯はシチューだよ!」
「ほ~・・・」
「ん・・・良い匂い」
「最近二人の好物が何となく分かってきたからね~」
「教えてねぇのによく見てるよなぁ」
「これでも響夜のお嫁さんだからね!ちゃんと知っておかなくちゃ」
「・・・神楽に聞けば教えてくれるとはおもうけどな、俺の好物全部覚えてるらしいから」
「へぇ・・・神楽ちゃんあとでね?」
「っ・・・」
木綿季の視線が神楽に向けられるも優しい視線。
神楽の事を理解している一人になった木綿季はどういうのが苦手なのかを分かっているため、鋭い視線は一切向けない。
「そういや・・・今日ってイベントあるんだっけか」
「そーらしいね、和人達も来るらしいよ?」
「へぇ・・・まぁ神楽はお留守な。お前運動神経死んでるし」
「ん・・・分かった」
「響夜って運動出来るの?」
「お前よりある。持久力だけは無駄にあるから心配すんな」
「ほぇ~・・・ボクも自信あるからね!」
「そうか・・・てかシチューがくっそうまい、俺のより美味いわ」
「へ?ホント!?」
「ん・・・美味しいよ?」
神楽も普段より沢山食べており、木綿季も褒められた事に嬉しくなる。
大量に作られたシチューはすぐになくなり、木綿季を休ませて響夜が洗い物をしていた。
「ねー響夜」
「あー?」
「今って何時~?」
「今って・・・」
時間を見ると20時。
イベントがあるといわれているのg21時で集合時間が20時30分あたりとなっている。
「・・・やばい」
「だよね」
「・・・私・・・やるよ?」
「・・・じゃあ・・・頼んでいいか?」
「ぅん♪」
響夜は神楽に洗い物を託すと、すぐに木綿季が2階へと行き用意をした。
その間にバイクのエンジンをかけに外に出る。
殆ど用意はしていたようで、木綿季はおりてくると神楽を軽く抱きしめてから家を出た。
「それじゃ行ってくる」
「ん・・・行ってらっしゃい」
「すぐに帰るからね!」
神楽に見送られ二人は和人や明日奈達と待ち合わせしている場所へとバイクを走らせて急ぐのだった。