勇者召喚されたのに勇者ですらない俺が異世界で冒険する   作:あさ霧

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初めてのオリジナル作品です

生暖かい目で見てやって下さい


プロローグ〜異世界転移〜

「あ、また失敗した・・・・・あと少しでこいつをソロ狩りできたのにな」

 

某狩りゲーをしている俺、小鳥遊 銀夜(たかなし ぎんや)は、ある黒い龍を討伐しようと奮闘していた

しかし、ゲーム画面には虚しくゲームオーバーの画面を写している、ふと外に目を移すと少しずつ太陽が顔を覗かせているのかうっすらと明るくなっていた。時計を見ると短針は5を過ぎたあたりに、長針は2と3の間をゆっくりと進んでいた

 

「ふぁ〜だめだ。眠い、続きは・・・・・・って今日月曜日か」

 

日付が変わり学生にとって憂鬱な日が来た、俺にとっては地獄の1週間だ

 

「学校かー」

 

ほんの数時間前までは金曜日の夜だと思ったんだけどな

まさか、誰かが俺の休日を奪ったのか!・・・な訳ねぇかw

 

そんなことを考えながらゲーム機をそっと閉じ、寝る体勢に入った

 

「あー・・・学校行きたくねー・・・・・」

 

その小さな願望は俺の部屋でこだますらせずに消えていった

 

 

 

 

 

 

 

パッと目が覚め時間を確認する、しかしそれほど時間は経っていないようだ

これ以上寝たら寝坊するかもしれない。1年から無遅刻無欠席記録を続けてる俺にとってそれは非常にまずいものだ

まだ寝ぼけてる体を無理やり動かし、リビングに向かった

 

リビングには既に親がいた

台所では朝食を作っている母さん、父さんはソファに座りながら新聞を読んでいる

 

「父さん、母さん、おはよう」

「おはよう銀夜」

「おう、おはよう」

 

親に挨拶をし、近くの椅子に腰をかけた

いつもは妹もいるのだが、今日は学校が休みみたいだ。いいなー

 

「今日お弁当いるの?」

「いや今日はいいや」

「おい、銀夜!母さんの手作り弁当がいらないって!とんだ罰当たりなやつだな!俺なんて毎日欲しいのに!」

「はいはい、かわりにあなたのお弁当作るわよ。銀夜、これできたからテーブルに運んでー」

「よっしゃああ!久しぶりの弁当だー!」

「朝からうるさい。それと運ぶの手伝え」

 

久しぶりの弁当に朝からうるさい父さんと俺で、母さんが作ってくれた朝食を運んで、途中から来た妹と一緒に朝食を食べた

これが小鳥遊家の朝の日常

(ただしこれが最後の朝になるなんて思わなかった)

 

 

 

 

 

 

「ケータイ持った・・・財布もある・・暇つぶし道具もある」

 

カバンの中にある持ち物を確認し、制服に着替え、コートを羽織った

今の時期制服だけではとてつもなく寒い、このコートは俺がバイトをして買ったやつだが、我ながらいいやつを買った思う。滅茶苦茶あったけー

 

「よし、行ってきまーす」

「お兄ちゃんちょっと待ってー」

「どうした、妹よ。俺はこれから地獄という名の学校に行くんだ、いくら妹でも俺は死地へと行かなくてはならないんだ」

「変なこと言わなくていいから、とにかく聞いて」

「あ、はい」

「今日なんの日かわかる」

(なんかあったっけ?)

「すまん、わからない」

「むー、じゃあ今日何月何日?」

「んーと、2月14日・・・あーバレンタインか」

「せいかーい、だから可愛い妹から冴えない兄にチョコをプレゼントします」

「はいはいありがと・・・って凄えなこれ、1人で作ったのか?」

「もちろん、だからもしお兄ちゃんが誰からもチョコを貰えなくてもこれを食べて元気になってね」

「俺が誰かから貰えるなんてないと思うぞ、ありがとな妹よ、愛してるぞ」ニコ

「はぅ///」

「じゃあ、行ってきまーす」

「い、行ってらっひゃい///・・・・あの笑顔は反則だよー///」ボソッ

 

ゆっくりと閉じる玄関の扉の方から微かに妹の声が聞こえたような気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

自転車で約40分、電車で約20分、さらに徒歩で約10分の位置にある高校、〔私立大和北高等学校〕それが俺の通っている高校だ

在校生は約600人、1学年5クラスまであり普通の高校にしては若干少ないかもしれないが、そこの2年D組に俺は所属している

 

「(今日は何もありませんように)」

 

これは俺が毎日思っていることだが一度も叶ったことがない

必ず何かしら厄介なことがある

 

例えば靴箱の中に大量のゴミがあったり(バサァー、ポト)

上靴に画鋲が入ってたり(ガチャガチャ)

教室までの間多くの視線を浴びたり(じーっ・・ヒソヒソ)

 

「(もう帰りたいな)」

 

教室のドアの前に立ち深いため息を吐きながら肩をガクッと落とした

 

 

 

 

 

ガラガラガラッ

 

教室に入ったら、さっきまでガヤガヤしていた生徒が一度にこっちに振り向いた

振り向くだけならいい、しかし女子からは冷ややかな目で、男子からは鬱陶しものや嘲笑うような目で見てくる

俺はいつも通り自分の席に座りHRが始まるまで曲を聴きながら寝るように腕に顔を埋めた

しかしそれを待っていたかのように1人の男子が近くに寄って来た

 

「小鳥遊ぃ〜、学校来て早々いやらしいものでも聞いてんのかぁ?」

「まじかよ、きめぇなあいつ」「朝から何やってんだよ」「やだ〜き〜も〜い〜」

 

一言、たった一言で俺はここまで言われる

根拠のない言葉がクラス中に広がり俺を嘲笑う空気が生まれた

それに無視を続ける俺に面白くないのか更に追い討ちをかける

 

「おい、人の話はちゃんと聞くもんだぞ!」ガンッ!

 

そいつは八つ当たりに俺の机を蹴り飛ばす

その蹴った衝撃が顔にも来て少し痛い

これ以上やられると何されるかわからないから、抗議の1つでも言おうと顔を上げると教室に3人の女子生徒が入って来た

瞬間俺にちょっかいかけてたやつがどっか行き、俺を笑う声がなくなっていった

 

 

 

 

 

こうなった理由としては今入って来た3人は学校で言う『三大美少女』と言われてるからだ

 

1人は腰のあたりまで長く綺麗な黒髪をストレートに下げた美少女、姫乃 綾(ひめの あや)

10人中15人か美少女と言うくらいの美少女

このクラスの委員長をしていて、いつも笑顔が消えない、人当たりが良くて誰にでも等しく接してくれる

だからこんな俺にも優しくしてくれる物好きなやつだ

知り合ったのは1年の時であるキッカケで軽い話し相手になっていたが、2年で同じクラスになりよく話すようになった

 

2人目は銀髪のショートヘアーで体が少し小さめでクールな美少女、神崎 雫(かんざき しずく)

姫乃の幼馴染でいつも一緒

特徴としては見た目が中学生に間違えられそうなくらいに小さい、そのため学校中のマスコットとして可愛がられている

本人は嫌がっているが見た目に反してクールな立ち回りをしているので逆効果だ

神崎とも知り合ったのは姫乃と同じ時期だったかな?

 

3人目は茶髪が背中くらいまで伸びてて、制服の上になぜか白衣のような物を羽織っている美少女、霧ヶ峰 妖華(きりがみね ようか)

一言で言うとドS、見た目がマッドサイエンス

容姿はグラビアアイドルの様にスタイルが良く、何とは言わないが大きい物を持っていらっしゃる

基本仲のいい奴としか話さないが、興味のない相手だと一言目から強烈な言葉が飛んでくる

一部の生徒からは特に人気があるみたいだ、

霧ヶ峰とは一年の頃から同じクラス、何故かあっちから話しかけて来て、当時は姫乃と神崎からも話しかけられていたから、いつの間にか3人(三大美少女)で一緒にいることが多くなっていて、3人の中では姉的な存在になっている

 

 

 

 

「小鳥遊君おはよう」

「・・・おはよう」

「おはよう小鳥遊君、顔色が少し悪いけどどうしたのかしら?」

 

美少女3人に挨拶されたら普通はどんな反応をしていただろう

きっと返事にキョドリが生じ大いに恥じをかいていたに違いない

ただ俺の場合周りからの目線や陰口が気になりとても返事を返す余裕もない

 

「小鳥遊君大丈夫?」

「ん?ああ、悪い。3人ともおはよう」

 

今の俺はこれが精一杯だ

 

「それより小鳥遊君?今日は何の日だかわかる?」

「確かバレンタインだったか?」

 

朝妹からチョコをもらった銀夜が今日がバレンタインだなんて知らないわけがない

ただ疑問形にすることで周りから、バレンタインに興味がないと言う認識を持たせることができる、多分

 

「せいかーい、それで私からチョコをあげます」

「本当!今見てもいいか?」

「ええ、いいわよ」

 

そして霧ヶ峰からもらったチョコを見てみる

しかしそこには心の臓みたいな形をした紅いチョコだ

 

「今回は自信作よ、あとで食べて見てね」

 

無駄にリアルなチョコに普通の人なら食欲がなくなるが、去年にも似たような物をもらったから一応たべれる

しかも見た目の割にはとても美味い

 

「ありがたく食べるよ」

「どういたしまして」

「「私も!」」

「「え?」」

 

姫乃と神崎の声が被る

と同時に霧ヶ峰と俺の声も続いて被ってしまった

 

「雫も?」

「綾も?」

「うん」

「えっと、小鳥遊君にチョコをあげようと思って」

「私も貴方に渡そうと思って」

「「作って見(た)(ました)」」

 

流石は幼馴染、息がピッタリだ

それはともかく2人からももらえるのか?

なに俺って今日死ぬの?あ、クラスの中ではもう死んでるようなものか

 

「私のから見て」

「わかった」

 

先に見て欲しいと言ったのは神崎だ

チョコはホワイトチョコを使ったトリュフ、それぞれにチョコペンや色鮮やかなチョコ粒をデコレーションしてある

一言でいえば、

 

「綺麗だ、本当に綺麗なチョコだ」

「喜んでくれて嬉しい」

「こんなチョコ俺には勿体無いくらい」

「ありがとう、後で食べて」

 

「むー私のも見て!」

「あ、ああ見てみるよ」

 

何故か不機嫌な姫乃のチョコを見てみた

俺はそのチョコを見て言葉を失った、それは悪い意味ではない

しかしそれを見た神崎と霧ヶ峰は

 

「あらあら」

「綾は大胆」

 

そんな反応だ

それはそうだろう、姫乃からもらったチョコは、

箱いっぱいに形の整った綺麗なハートのチョコがあったのだ

 

「えっと、こ、これは何と言いますか、いつものお、お礼?だ、だからべべ別に小鳥遊君に本命チョコをあ、あげるのは当然で、だからってこれには深い意味はないわけで、じゃなくてちょこっとはあるけど、チョコだけに・・・わーわー、今のは間違い間違いだから笑わないでー」

 

それに何が何なのか姫乃1人で勝手に暴走し始めてる

そして暴走した姫乃は霧ヶ峰の胸に顔をうずめて、霧ヶ峰はよしよしと姫乃の頭を撫でている

こうゆう場面はもう何度も見ているけど、いつ見ても面白い

 

「はははっ、ありがとう姫乃、嬉しいよ」

「うん///」

 

俺は今凄く楽しんでいる

 

でもこのクラスではそれを許さない、俺はふと周りを気にすると男子からは殺気の様な嫉妬の目を向けている

この瞬間あることを思い出した

前にも3人楽しくと話していた放課後、人目につかない場所で複数人に暴力を振るわれたことを

一瞬にして顔を青くしてしまう、またあんな事が起きると考えれば

 

ここで話を切ればまだ軽く済むと思い話を変える

 

「もうそろそろ時間だから席に戻らないか?」

 

「えーもうちょっとお話したいな」

「まだ先生こないから大丈夫」

「・・・」

 

上から姫乃、神崎、そしてなにも言わない霧ヶ峰

霧ヶ峰は周りの雰囲気に気がついたのか、又は1年から続く俺の周りの環境に察しがついたのかはわからない

しかしそれに気づかない姫乃と神崎にどう声をかけるか悩んでいると、いつの間にか3人の後ろに2人の男子生徒が話しかけてきた

 

「おはよう綾、雫それに霧ヶ峰さん」

「こいつに関わって何になるんだ、綾、雫」

 

今話しかけたのはこのクラスのリーダー的存在の委員長、天城 竜樹(あましろ たつき)

親はいくつかの会社を経営しているお金持ち、整った顔つきに、正義感のある性格

文武両道でみんなで仲良くしようという、まさに物語に出てくる主人公だ

ただこいつの欠点は自分の言動全てにおいて正しいと思っている

まさに自己完結型自意識過剰人間なのだ

 

そしてもう1人は目つきがやや鋭い体育系の生徒、金堂 勝次(こんどう かつじ)

基本こいつはどんなスポーツでも才能を遺憾なく発揮する

特に格闘系のスポーツが大の得意で、今まで負けなしと聞いている

いつも天城と絡んで行動している

 

 

2人とも姫乃と神崎の幼馴染、クラスでは基本この4人が中心のグループになっている

しかし話しの途中に入ってきた2人に対し、苦笑いで返す姫乃、無表情の神崎、霧ヶ峰に至っては舌打ちをし睨みつけている

 

「それより小鳥遊君、綾と雫は忙しいんだ。話すのはまた今度にしてくれないかい?」

 

「は?」と俺は心の中で盛大に発した

こいつはなにを見てそう思ったのか一ミリもわからない

 

「ち、違うよ天城君私たちから話しかけたんだよ」

「ああ、そうだったのか、綾たちは優しんだな。ただいつまでも綾たちに頼ってはいけないよ小鳥遊君」

「全くだ。綾と雫がお前みたいなのと釣り合うわけねぇんだから控えろっつうの」

 

金堂の言葉に周りが「よく言ってくれた」「そうだそうだ」など同調する様に言い始める

そもそもこっちの話聞いてたのかよ、なに暇なのお前ら

それとさっきから不機嫌な霧ヶ峰さん一旦落ち着いてください、お願いします

 

このまま続けばやがて言い合いになるような一触即発な場面に変わってしまった

流石にまずいと思いと思った矢先、タイミングよく先生が入ってきてその場は解散した

 

朝のHRでは先生が「最近寒いですね〜」とか「今日はバレンタインですね〜」とかあまり学校に関係ないことを言っていた

しかしこの先生ときたら常にポワポワした空気を醸し出し、本当に先生なのかわからないくらい天然が入り込んでいる

 

「さて今週も頑張っていきましょー」

「「「おー」」」

 

結果クラスでは先生に対しノリがいい

子供扱いしないでとか言うがこれは言われても仕方がないなと毎回思う次第だ

 

「あら、ドアがあかない?」

 

その言葉と同時にクラスの床、天井、窓、壁、いたるところに魔法陣らしきものが現れ、視界が真っ白になった

 

薄れゆく意識の中でこんなことを思った

 

「チョコ食べたかったな」

 

 

 

 

 





どうでしたか?
異世界要素全くないです

次回はステータスを乗せる予定です
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