仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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生きて………


第7話:生きとし生ける、その意味は

一時間前、ガード下

 

「Obiパラドクス、君に消えてもらいたい」

 

「…ハッ、こりゃまたずいぶんと大きく出たな?」

 

 挑戦を受ける思いで俺はゲーマベルトを取り出し………懐にしまった。

 

「…なるほど、鍛錬の成果だな。君がどう逆立ちしても私に勝てないことが分かったようだね」

 

 変身しようとした時に感じた、妙な気配。悪寒でもない………何か、「手を出してはいけない存在」を感じた。

 

「………で、さっきの言葉の意図は?」

 

「意図も何も………言葉の通りだ。君が生きている意味はもうこの地球のどこにも存在しない。それだけさ。そして、それは君が一番よくわかっていることなのではないかい?」

 

 目を閉じて、視界を闇で満たす。

 

………ああ、そうだ。俺がこの世界で生きる理由は、もうない。

 

守りたかった奴も、

 

守ろうとした友も、

 

皆、もうこの世にはいない。

 

「Obiパラドクス………君一人が生きて、何になるというのだ?」

 

「………そうだな。もう、俺の中には何もない」

 

「たとえこの先に生きたとて、何になるというのだ? 一体、その生の先に何があるというのだ? 君の中には、もう友を失った虚無感しかない。

生きた先で新たな生きる理由を見つけたとて、自分一人生き残った負い目はより濃く、深く君自身を抉る。さらに、生きる意味を見出せず、生涯もがき苦しみ続ける可能性だってあるのだ」

 

 はっきりと、核心を突かれた。例え俺が生きていても、もう何にもならない。

俺が人間をどれだけ殺そうと、仮面ライダーを倒そうと、もう誰もいない。

仇を討とうとも、もうすべて全くの無意味だ。

 

「君が生きる義務はあっても、生きる義理はもうない」

 

「………………そうだな。もう…………もう疲れた………………」

 

 一気に力が抜け、その場にへたり込んだ。今までの自分の無茶が来たんだろう。

 

「君はもう十二分に友のために生きた。これ以上君は戦う必要はないのだ」

 

「そう………だな。あんたの言う通りだ………さあ、俺を殺してくれ」

 

 立ち上がって両腕を広げる。死ぬのは別に怖くない。ただ………これまでの努力が無駄だったと、気づくだけ。

 

「ふむ………君は何か勘違いしているようだね。確かに私は君に「消えてもらいたい」と言ったが、「死んでくれ」とは言っていない。君には消えてもらう」

 

「………なに?」

 

「君は消え、引き継がせるんだ。君の力を。もう一人のパラドクスに」

 

 俺がかつて望んだ、「究極のパラドクス」それを………あいつが?

 

「君はもうこれ以上強くなる理由はない。だが、彼には、パラドクスにはある。

永夢を救うという理由が。そのためには君が必要不可欠だ」

 

「敵に塩を送れってか?」

 

「その通りだ。彼は望んだ力が手に入り、君は命の呪いから解放される。 これは君にとって決して悪い話ではないはずだ。違うかね?」

 

 「一日時間をあげよう」それだけ言って錆ゲンムはどこかへ行こうとした。

 

「まて………その話、乗った」

 

「…! いいだろう。では、私とともに来い。私の正体は言えないが、蛮野天十郎のラボへ君を連れて行こう。大丈夫さ。奴は今第二ラボにいる。こちらには来ない」

 

 それだけ言って、錆ゲンムは振り向きもせずに走っていく。

俺はただそのあとを懸命に追いかけ続けた。




ただ哀しみに、ただありふれて、

それでもまだ、生きて………?
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