仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
「先ずは泊くん、私から話そう。 恐らくだが君が知っているのは、先に蛮野が起こそうとした計画とその破綻、シグマサーキュラーの破壊までと言ったところだろう?」
「………ああ。そこまでだ」
錆ゲンムは「やはりな」と言って少し考えた。
「………よし、長くなるが話そう。私が知る全てを永夢、お前も聞け。大事な話だ」
「………分かりました」
………何でだろう。この人の言うことに、僕は逆らえない。必ず承諾しちゃう。なんでだろう?
「………蛮野が自分の息子が変身する剛と言う少年に討たれた時、遠くの場所であるコンピューターが起動した。その中には蛮野が万が一破壊されたときのため、バックアップのデータが残されていた。
そのデータはロイミュードの義体に蛮野のデータを挿入し、新たな「ゴルドドライブ」と言う存在が完成した。その後に奴はもう一度強力な兵器の製造を始め………
国内で大きな事件となったバグスターウイルスに興味を持った。奴は自分のロイミュードとバグスターウイルスの抜群の相性に気付いて製造を始めた………
しかし、彼は彼自身で言うほどの才能がなかった。融合兵器はおろか、基盤となるべきロイミュードの作成さえままならず、金もない………計画は頭打ちと思われた………
が、ここで転機が訪れた…さて、何だと思う?」
泊さんと僕はそろって顔を見合わせた。何があったんだろう………
「偶然、それを作るに足る知識と技術を持った男がいたのだ。その男は幸いにもその時諸事情によって善悪のつかない状態にあった。その男の科学力を利用し、蛮野の計画は一気に進んだ。
そのうえ、それを追うように蛮野に第二の協力者が現れた。第二の協力者である謎の男は蛮野に資金の援助を申し出た。「ルーフマン」と名乗った謎の男は莫大な量の金を蛮野に提供し、計画は飛躍的に進行してしまった。
そして蛮野は「ラスボスバグスター」と「ソシャゲバグスター」を協力者に作らせた。ラスボスバグスターは蛮野の目論見通りに永夢達と戦い………………ここから先は君たちも知っているな。
そして今、蛮野はついに究極の兵器を完成させた。名は「Galactic=Nova・circular」バグスターとシグマサーキュラーを融合させた恐ろしい超兵器だ。今のままで君たちが戦ったとしても、恐らく返り討ちに合うのが関の山だろう。だが安心してくれ。私にはある秘策がある。それを発動させられれば、必ず蛮野を倒せる。………だが、その秘策の正体は言えない。少し問題があるものなのでね………
………ふう、少し話し疲れたな………永夢、すまないが何か飲み物をもらえないかい?」
「え? あ、はい」
僕は席を立ち、マグカップをもってお湯の準備に取り掛かった。まあコーヒーでいいだろ。
泊進ノ介視点
「さて………永夢はいなくなったな」
それまで余裕そうにくつろいでいたのに、急にその男は俺に顔を寄せてきた。
「泊君、永夢のことをよろしくな。永夢は優しいが、それゆえに涙もろい。もしもの時は君が支えてくれ」
「ずいぶん宝生先生を気にかけるんだな? それに、合ったばかりの俺をずいぶんと信頼するんだな?」
「当り前さ。私個人は警察が嫌いだが、永夢が君を信じるなら、その限り私は君を信じるよ」
表情が変身していてわからないということもあるが………読めねぇな。こいつは。
「私の腹の底が見たいかい?」
「ああ。俺はあんたをまだ信頼したわけじゃないからな。
………それに、あんたはあまりにも内情を知りすぎてる。敵と考えるのが妥当だ」
「ふ………本職の刑事は違うな。だが、誓って私は嘘を言わないし、君たちの敵でもない。そこに嘘偽りはない」
………嘘を言ってるふうでもないんだよな………
「なんで警察が嫌いなんだ?」
「………………………私を社会的に殺したからだ」
「何?」
詳しく話を聞こうと思ったが、同時に宝生先生がコーヒーを持ってきた。
「ありがとう。永夢………ああ、この状態では飲めないな。すまない。せっかく入れてもらったのに」
………飲むときに変身を解くかもと思ったが………そううまくはいかないか。
「さて、いったん私は帰るとするよ。泊君。また会おう」
「ちょ………」
呼び止めるよりも早くあいつは天上のダクトに滑り込み、気配が消えた。
「仕方ない………根拠はないが、信じてやるよ」
誰もいなくなった天上に、俺は一人そうつぶやいた。
徐々に錆ゲンムの正体が見えてきました。