仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
Obiパラドクス?パラドクス?視点
「欲した力を手に入れて、気分はどうだ?」
「………最悪の気分だ」
歩きながら移動しているときに、急に錆ゲンムが話を振ってきた。
「そうか、目標を達成し、最悪とな」
「………お前のせいだぞ」
もともとこいつが合体だ融合だと言い出さなければこんなことになってねえだろ。
あいつの心と俺の心が強引に張り付けられて、気が狂いそうだ。
「苦しいものと受け取ったのは君自身だ。私は知らん。
君が力だけを求める戦闘マシーンのような存在であれば、そう思うことは無かったろう。
…だが、そんな自分を君は求めるかい?」
「………まっぴらだ」
錆ゲンムは「だろう?」と言って笑った。
「私も君のようなことを考えていた時期があった………
人はなぜ死ぬのか? 死ぬとすれば自分はいつ?
知っているかい? この地球では4秒に1人餓死している人間がいる。
そして、餓死に限定しなければ1秒間に1.8人の人間が死んでいる」
「………………」
「君は自分が罪を犯したのにもかかわらず生きていてObiパラドクスは罪が特にないのに満たされない最期だったことに憤りを感じていつのだろう? だが、この狭い国日本の中で、当たり前に生きていることを幸福だと思い、日々感謝しながら生きている人間が何人いるだろうか? いないのでは?
他とえ人が死んでいる事実を聞かされても、体外皆結局は他人だ。助けようと行動を起こす者がいれば、そうでないものもいる。挙句の果ては募金の金を奪うような輩もね」
「………結局、何が言いたい?」
「考えるなとは言わん。だが、君が考えたところで世界が急にどうにかなるはずもない。悩んだところで君は君自身が満足する答えは出せないだろう」
まるで、と思う。目の前にいる錆ゲンムは、全ての答えを知ってるような………
「あんたなら、生きるってことの意味を知ってるのか?」
「無論、知っているとも。完璧な答えをな。………だが、君に教える気はない」
それはつまり本当は知らないんだろう、と言う視線を送ると、錆ゲンムはため息をついた。
「こういった価値観での答えは人それぞれなのだよ。全人類共通の答えがある方がなかなかないものだ。自分の罪のため、約束のため、好きなアイドルのため、恋人のため………十人十色。同じ答えは出てこない。 まあ、私がその中で嫌うのは「生きることの疑問について考えることが生きること」くらいのものだ。自信の導き出した答えとして近くするならいいが、他人と共有するものではない。あの答えはそれを思いついた者なりの答えであって、不変でなければ真理でもない。
自分なりに出した答え。それがその人にとっての生きることの意味だと私は思う」
「考えても………答えが出ないんだ………俺は、バカだからな………」
「大抵の人間がそうさ。………だが、そうだな。これから私は君に生きることの答えは教えられずとも、例答は教えられる。気にはなるだろう?」
「例答………? どういうことだ?」
「答えは中だ。入りたまえ」
会話を続けていると、いつの間にか蛮野研究所の前にいた。
「この中に………?」
言われるがままに入り、奥においてあるロイミュードの義体の前に立つ。
「どれを使えばいいんだ?」
「別に、どれでもいいのさ」
「なら………これだ」
特に考えることもなく、目の前の義体へ体を滑り込ませた。
目を開けると、俺の体は確かにロイミュードになっていた。
「その姿では何かと不便だろう。頭の中で念じたまえ。それが君自身の姿になる」
自分の姿をイメージすると、すぐに人間態の姿になった。
「それで………力は確かに上がったみたいだが、結局その例答は……!? おい!!」
後ろを振り返ると、錆ゲンムが部屋の扉を閉めていた。
何とか止めようと走るが、間に合わない。
「おい! 俺を閉じ込めてどうする気だ!!!!」
扉に向かって思いきり叫びながら殴りつける。
だが、どれだけ殴ってもへこみすらしない。信じられない。
俺は今どう少なく見積もっても600t以上のパンチが出せるはずなのに………!
「こんの…!!」
「そう暴れるな、パラドクス。私は君をどうこうする気はない。これは君がこれから出す答えのために必要なのだ。時が来れば君は外へ出られる。約束しよう」
瞬間移動もなぜか発動できず、俺は疲れ果てて諦めた。
「くそ………こんな狭い研究所で、何がわかるってんだ………」
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