仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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「GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです」の主人公視点です。

知らない人は読まなくて大丈夫です。


創世神VS破壊神

「………! 皆! いったん止まれ!」

 

 ゲートをくぐってみて、何か違和感に襲われた。………ここは、何かが、違う………

 

「どうしたの? あなた」

 

 アリアが不思議そうに尋ねてきた。楽しい旅行のはずなのに、急に夫が険しい表情になったらそりゃあ不安だろう。

 

「ああ………えっと、しばらく帰っていなかったからね、すまない、皆少し待っていてくれ。私が先に言って様子を見てくるよ」

 

 とっさに付いたその場しのぎの言葉。アリアは不服そうにしながらもうなずいてくれた。

 

「仕方ないですね………何かあれば、すぐ戻ってくること! いいですか!?」

 

「了解だ。みんな待っていてくれ」

 

 私は一旦ゲートを閉じ、変身を解除した。

あたりを見回してみるが、特に大きく変わったところがあるとは思えない。

まあ、町や国と言うのは変化が大きいものではそうそうないが。

 

「少しあたりをうろついてみるか………」

 

……………………………………………………………………………………

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

………………………

 

 

 

………

 

………やはり、目立った違いはない………が、1つだけ。大きな差がある。

 

「………人が………1人も………居ない?」

 

 街を歩いてはや30分、飛行魔法を使って上空から街を見回しても人っ子1人いない。

 

「…何があった? どうなって………ッ!? うお!?」

 

 ビルの屋上で街を見下ろしていると、急に私のもとに火球が飛んできた。慌てて避けようとし、ビルからそのまま真っ逆さまにしたへ落ちた。

 

「何者だ!?」

 

「コロス………コロス……コロス!!!!!」

 

 暗闇から飛び出たそれは、私を思いきり蹴り飛ばした。ガシャットを身に着けていなければ死んでいたかもしれない。

 

「ぐ………!? お前は………あの時のビルド!?」

 

 ハッキリと覚えている。ずいぶん昔の話だが、私は奴と戦ったことがある。赤と青が基調の仮面ライダー、ビルドだ。

 

「なぜ私を狙う! 人がいないのもお前の仕業か!?」

 

「………………」

 

「何とか言え!!! グレード【GOD】…変身!」

 

【HYPER CREATOR GOD X!!

 

HYPER CREATE OF ガシャット! ガッチャーン!!!

 

レベルアップ∞!!!!!!

 

創世の騎士よ! 照らせ! 太陽の如く!! 最強の創世ゲーマー!!!

 

HYPER 無限!!!!!! 幻夢!!!!!!】

 

「ウオオオォォォ!!!!!!スクラップアウト!」

 

【エボルト!パンドラボックス!Ban match!(禁じられた両者)

終焉を呼ぶ破壊神………エボルト・パンドラボックス! Oh! No!!】

 

 ビルドの体から煙が噴き出し、煙が晴れたとき、そこに立っていたのはもはや怪人。仮面ライダーらしさが完全に消え去った、どことなく赤いコブラに似た姿のエイリアンとなった。面影は全くなく、せいぜい腰に巻かれているベルトだけだろう。

 

「ビルド………お前は一体………?」

 

 2年前のあの日、パンデミックが起きた時に私は感染した人々をウイルスごと始末するつもりだった。

 

[やめろ]

 

 そんな時に彼に出会った。

 

[悪いライダーだねぇ]

 

 訳も分からずに戦ったが、私はコテンパンにされた。あれは………確か「ゴリラ・ダイヤモンド」だったっけな。今となっては懐かしい話だ。

 

[な、何者だ!?]

 

[ビルド。作る、形成するって意味のビルドだ]

 

 あの日に見た彼の姿は、輝いていたように思う。優しく、力強く………

 

「………何があったビルド?」

 

「コロスゥゥゥゥゥ!!!!!」

 

「………ッチ!」

 

 どうやら話が通じないようだ。

 

「恨みはないが………御免!」

 

 今回は手加減の必要性を感じない。問答無用で意識を刈り取れるよう、本気の拳を叩き込んだ。

 

「………ガアアアァァァァ!!!」

 

「なに!?」

 

 大きく怯んだものの、速攻で体勢を立て直して組み付かれた。動きを封じられ、そのまま諸に頭突きを額に叩き込まれた。

 

「ぐあッ!…テレポート!」

 

 瞬間移動魔法を発動し、拘束から一瞬で外れた。近くのビルの裏に着地し、一息つこうとしたが………

 

「コロスコロスコロス!!!!!」

 

 ビルを丸ごとブチ破り、轟音とともにビルドが突っ込んできた。

 

「うお!? おまっ、無茶苦茶するな!!!」

 

 掴みかかろうとするビルドを巴投げの要領で弾き飛ばし、宙へ飛んだ。ここまでの強敵は初めてだ。異世界でかつて戦った「ハイパー無敵ゲムデウスクロノスX」よりも確実に20………いや50倍は強力だ。

あの時は勝負にもならなかったが、あいつの場合は完全に互角。むしろ組合ではこっちに分が悪いくらいだ。

 

「アアアアァァァァァァァァ!!!!!!」

 

 ビルドが天に手を向け、何かをやったようだ。視線を追ってみると………

 

「なっ………つ、月を………!」

 

 ブラックホールだろうか、闇の塊が月を飲み込んでいく。

 

「ゴアアアアァァァァァ!!!」

 

 月が完全に闇に飲み込まれた瞬間、ビルドの腕に黒い爪が生えた。

振り上げたその双腕を避けられず、爪が体に食い込んだ。

 

「ぐあああ!!」

 

 無敵なのに、激痛。妙な理不尽さをかみしめながら、私はよもやと考えた。

 

(全ての者を飲み込み、強くなる………! まさか、こいつがこの世界の人間を!?)

 

「くっ………貴様!」

 

 考えた最悪の答えは、もはやそうとしか思えずに。

 

「………………………おい

 

 ここ1年、優しい妻たちと可愛い息子に囲まれ、怒るどころか不機嫌になったことすらなかった。そんな自分が………いま、キレた。

 

「私はこのフォームで本気になったことは未だない。だが………お前には見せてやる!

[物体]クリエイト![事象]創生。[対象]月、そして白亜ビル!」

 

 崩壊していたビルとブラックホールに飲み込まれていた月が一瞬で元に戻った。我ながらチートにもほどがあると自分自身で少し引いた。

 

「コロスコロスコロス!!!!!」

 

「喚くなゴミが………[空間]クリエイト…[事象]状態変化。[対象]空間」

 

「………! ………!!!!」

 

 奴が何か叫んでいるようだが全く聞こえない。空気を部分的に除去し、真空にしたからだ。空気の振動がなければ、音は生まれない。誰でも知っていることだ。

 

「………グアアアアア!!!!!」

 

 解除すると同時に、こっちへビルドが突っ込んできた。だが、その体が空中で停止する。

 

「グオオオ!?」

 

「………ああ、言い忘れたが私の創世能力は別にいちいち発言する必要性はない。まあ口に出した方が物を作るときにイメージしやすいが………要は私の「発動するぞ」と言う意志の力だ」

 

 空中で止まったビルド。これも私の能力だ。

物は何でも小さく圧縮できる。新聞紙叱り着物叱り。

だが、どんなものでも小さくすることにはいつか限界が来るものだ。

膨らませれば風船が割れるように。潰したポテトチップスの袋が割れるように。

圧縮には限界値が必ずある。それを超えて物をつぶすことは不可能。

風船が割れるのは中に閉じ込められている空気が風船の中でより広範囲にに広がろうとし、風船がその膨張に耐え切れずに割れるのだ。今ビルドの体を、限界まで圧縮した空気が覆っている。それ以上の変化が不可能のため、奴はもう物理的に底から動くことは不可能だ。

 

「さあ、ビルド、お勉強の時間だ。問い1、大きさ約2メートルの隕石が落下した場合、クレーターのサイズは? ………答えは君が身をもって知ってみようか」

 

 ビルドを浮かせたまま中空へ放り投げ、そのまま弾丸のような速度で地面へたたきつけた。

 

「考え方としては隕石の直系の約20倍あるのが定説だが………君は丸じゃないしな。答えは32mだ。

では第2問。人類の手によって生まれた最高の温度とは?」

 

「グ………ゲ………」

 

 次の瞬間、一瞬ビルド野体が光を放ち、爆発した。

 

「ギャアアアアアア!!!!」

 

「答えは5500000000000℃。鉛イオン同士の衝突した時の温度だ。これは太陽の中心部の約37万倍程だ。味わってみて気分はどうだ?」

 

「ギ………ゴ………………」

 

 完全に満身創痍。ギリギリ生きてるぐらいに威力を調節したつもりだったが、いがいともろかった。

 

「さあ、何があったかはいてもらおうか………!?」

 

 私がビルドに触れようとした瞬間、何者かが割って入ってビルドの顎を蹴り飛ばした。

 

「………誰だ貴様」

 

 ビルドを蹴飛ばしたそいつは、赤い目をしたカブトムシのような頭の仮面ライダーだった。

 

「私は5号計画の被験者。シルバーカブトです。あなたこそ何者ですか?」

 

「5号計画………それより、ここで何があった? なぜ誰も人がいない?」

 

「ここは大首領様がおつくりになられた披見空間です。この惑星はどの宇宙にも続いていません」

 

 ………ということは、ここは何者かが作った宇宙で、この地球は私が戦ったビルドの性能を調べるための場所だったということか。一体何者が?

 

「あなたは、どうやら出る宇宙をお間違えになったようだ。ここはあなたにとってパラレルの場所であり、私が生きる世界に貴方はいません。お戻りになったほうがよろしいですよ」

 

「あ、ああ………しかし凄いな。宇宙ごと作るとは………」

 

「貴方も素晴らしい力をお持ちですよ。まさかビルドを此処まで一方的に倒すとは」

 

 手放しでほめてくるが、このシルバーカブトと言うライダー、底が読めない。恐らくこいつはもっと………

 

「私はビルドを回収したことを大首領様に報告します。貴方はどうしますか?」

 

「………1つだけ答えてくれ。このビルド、元は正義感溢れる男だったはずだ………なぜこうなった?」

 

「………彼は力を求めて、その力は身の丈を超えていた。結果、彼は暴走した。それがすべてです」

 

 ………ならまあいいだろう。これで悪の組織がどうのこうのと言っていたら、本気で目の前のこいつと戦う羽目になっていたかもしれない。

 

「私は帰るとするよ。ここは本来私が帰ろうとしていた場所ではなかったようだ」

 

 私は軽く会釈し、異界へのゲートを開いた。

 

永夢に合うのには、まだ時間がかかりそうだ………




GM黎斗………早く永夢と合流してほしい!
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