仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
前日、某時刻・CR内部
永夢からドライバーとガシャットを回収し、私はメンテナンスを行っていた。
音はちゃんと出るのか、ボタンの破損の確認、内部のコードや基盤の確認をしていた。
「精が出るな、黎斗君」
声をかけられて顔をあげると、偽ゲンムが私の目の前に立っていた。
「………何の用だ?」
「黎斗君、君に協力してもらいたいのだ」
偽ゲンムはそう言って私の向かいの席に腰かけた。
「私がお前に協力すると思うか?」
「協力するさ。必ず君は」
自信満々に言い放ち、奴はガシャットを抜いて変身を解いた。
「………………なぜ変身を解く?」
「人と話すときは目を合わせる。………常識だ」
不可解すぎる。ならばCRに来た時も、いつも変身を解けばいいだけの話だ。なぜそんなことをする?
「信用はできん。協力してほしいならば、私が疑問に思っていることに答え、納得させろ。そうすれば考えるだけ考えてはやる。………なぜ永夢に協力しようとする?」
「あの子は………………私の息子だ」
「何………?」
息子………?永夢が、こいつの………?
「昔のものだが、免許証だ。同じ顔だろう?」
差し出された免許証を見つめる。少し髪が伸び、白髪も目立つが………確かに同じ顔だ。
「………なぜ永夢に言わない?「自分が父親だ」と、そうすれば永夢はお前を絶対に信頼するはずだ」
「私はもう………世間的に死んでいる」
偽ゲンムは………いや、現夢は語った。自分がかつて事故にあったこと。記憶を失い、蛮野に仕えてしまったこと。全て手遅れになった時、記憶が戻ったこと。
「………確かに同情を禁じ得ないが………だからと言って、なぜ私を協力者に選んだんだ?」
「君にやってもらうことは、「全力でメンバーの足を引っ張る」ことだ。その役は君が適任なんだ」
「………急に馬鹿にしてくるな」
「むしろそれが強みだ。君はどこまで本気かわからなかったり、眉も心も少しも揺らせずに嘘をつけ、日常的に自分を隠して演技をしている。君以外にはいない」
ここまで言われれば、流石に分かる。私はもう現夢に必ず協力するだろう。
「道化を演じろと………それで、私の利益は?」
「………無い。だが、今回君は初めて損得を考えない。何故なら………
私は永夢の父だからだ」
………そうだな………
「永夢は、いい父親を持ったな。うらやましいな………」
私には愛してくれる父はいなかった。なら………せめて、息子を愛する男の手助けをしても、罰は当たらないだろう。
「良いだろう………乗った。無条件で協力しよう。それが、私の望みにも叶うはずだ」
「ありがとう、黎斗君。君に頼むのは、蛮野の研究所に入った時に私とその他のメンバーを引き離してもらいたい。それで………私が蛮野を殺す」
「現夢………あなたはまさか、蛮野と………」
「任せてくれ。しっかりとケジメはつけるさ」
………私は、聞けなかった。「あなたはまさか、蛮野と刺し違えるつもりですか」と。
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