仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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21話:密会

前日、某時刻・CR内部

 

 永夢からドライバーとガシャットを回収し、私はメンテナンスを行っていた。

音はちゃんと出るのか、ボタンの破損の確認、内部のコードや基盤の確認をしていた。

 

「精が出るな、黎斗君」

 

 声をかけられて顔をあげると、偽ゲンムが私の目の前に立っていた。

 

「………何の用だ?」

 

「黎斗君、君に協力してもらいたいのだ」

 

 偽ゲンムはそう言って私の向かいの席に腰かけた。

 

「私がお前に協力すると思うか?」

 

「協力するさ。必ず君は」

 

 自信満々に言い放ち、奴はガシャットを抜いて変身を解いた。

 

「………………なぜ変身を解く?」

 

「人と話すときは目を合わせる。………常識だ」

 

 不可解すぎる。ならばCRに来た時も、いつも変身を解けばいいだけの話だ。なぜそんなことをする?

 

「信用はできん。協力してほしいならば、私が疑問に思っていることに答え、納得させろ。そうすれば考えるだけ考えてはやる。………なぜ永夢に協力しようとする?」

 

「あの子は………………私の息子だ」

 

「何………?」

 

 息子………?永夢が、こいつの………?

 

「昔のものだが、免許証だ。同じ顔だろう?」

 

 差し出された免許証を見つめる。少し髪が伸び、白髪も目立つが………確かに同じ顔だ。

 

「………なぜ永夢に言わない?「自分が父親だ」と、そうすれば永夢はお前を絶対に信頼するはずだ」

 

「私はもう………世間的に死んでいる」

 

 偽ゲンムは………いや、現夢は語った。自分がかつて事故にあったこと。記憶を失い、蛮野に仕えてしまったこと。全て手遅れになった時、記憶が戻ったこと。

 

「………確かに同情を禁じ得ないが………だからと言って、なぜ私を協力者に選んだんだ?」

 

「君にやってもらうことは、「全力でメンバーの足を引っ張る」ことだ。その役は君が適任なんだ」

 

「………急に馬鹿にしてくるな」

 

「むしろそれが強みだ。君はどこまで本気かわからなかったり、眉も心も少しも揺らせずに嘘をつけ、日常的に自分を隠して演技をしている。君以外にはいない」

 

 ここまで言われれば、流石に分かる。私はもう現夢に必ず協力するだろう。

 

「道化を演じろと………それで、私の利益は?」

 

「………無い。だが、今回君は初めて損得を考えない。何故なら………

私は永夢の父だからだ」

 

 ………そうだな………

 

「永夢は、いい父親を持ったな。うらやましいな………」

 

 私には愛してくれる父はいなかった。なら………せめて、息子を愛する男の手助けをしても、罰は当たらないだろう。

 

「良いだろう………乗った。無条件で協力しよう。それが、私の望みにも叶うはずだ」

 

「ありがとう、黎斗君。君に頼むのは、蛮野の研究所に入った時に私とその他のメンバーを引き離してもらいたい。それで………私が蛮野を殺す」

 

「現夢………あなたはまさか、蛮野と………」

 

「任せてくれ。しっかりとケジメはつけるさ」

 

 ………私は、聞けなかった。「あなたはまさか、蛮野と刺し違えるつもりですか」と。




お読みいただきありがとうございました。
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