仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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24話:記憶を求めて

現夢に閉じ込められた直後。パラド視点

 

 狭い研究所の中で俺はしばらく考え事をしていた。

 

「扉は外からしか開けられない………窓もなし、瞬間移動も発動不可、か………」

 

 状況は最悪だけど、あいつは確かに「時が来れば外へ出られる」と言った。あとは俺がその「時」を作ればいいはずだ。

 

「ふう………」

 

 ため息交じりに近くの端末の電源を入れ、中のデータをあさってみる。

 

「………!これは」

 

 大量にあるファイルの中に一つ。奇妙なものがあった。「閉じ込められている君へ」と言う名前のファイルが一つ。期待を込め、ファイルをクリックして開いた。

 

………そこに書いていたのは、俺の想像を超えたものだった。

 

[端末を使って情報を見るのもいいが、まずは自分自身を理解してみよう]

 

「………!フザけやがって!!」

 

 八つ当たり気味に放り投げ、近くの椅子を蹴り飛ばした。

 

すると、椅子の下に紙が貼ってあったようだ。倒したから気付けた。

嫌な予感がしつつも、一様手に取ってみる。

 

[八つ当たりして椅子を蹴っただろう?そう怒るな]

 

「ハッ!フザケんな!!!」

 

 紙を破き、空中にばらまく。倒れた椅子を起こし、しばらく座って頭を整理しようと思った。

 

「………………自分自身を、理解しろ………か………」

 

 引っかかっているものと言えば、唯一それだけ。俺と言えば………Obiパラドクスと融合して、そこからロイミュードに………

 

「ロイミュードを知れってことか………?」

 

 すぐに立ち上がり、机の引き出しや本棚の資料集をひっくり返した。

 

「らりるれろ、ろ、ろいみゅ―ど………」

 

 あいうえお順のぶ厚い辞典のようなファイルから、どうにかロイミュードの項目を探す。

 

「ロイミュードの代表格………ハートロイミュード、メディックロイミュード、ブレンロイミュード………それぞれ戦闘、回復、知能に優れた三種………」

 

 読み進めていくうちに、またメモを見つけた。

 

[ロイミュードは破壊された時にすべからく空中でコアが霧散する。これはインターネットと同じではないかと私は考えている。空中に溶け込んだ魂は、あるいは端末が発する電波と同じなのでは………?]

 

 書き方的に、これは俺に向けたものではないだろう。

 

何の気なしに残したメモ、と言う感じだ。

 

「ネット………電波………空中に………!」

 

 そこまで考えて、俺は気づいた。このメモは俺に言っている。[コンピューターウイルスの君ならば死者と対話できる可能性がある]と。

 

 俺は目を閉じ、念じた。

 

イメージは、自分の体が溶けて液体になり、やがて蒸発し、空気中に解ける感覚………

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

「会うのは初めてだな、パラドクス」

 

「………あんたは………確か………ハートロイミュード」

 

 赤服の青年が目の前に立っている。腕を組み、こっちを値踏みしているみたいだ。

 

「俺に干渉してきたのは、お前が初めてだな。お前のことは少し前から見ていた。強いんだな」

 

「………ハッ、それはObiか?それともこの俺か?」

 

 勿論、自分で言うのもなんだけど俺はObiパラドクスの方が強いと思ってる。当り前だ。

 

「両方とも、だ。それで………用件は分かってる。俺の力が欲しいんだな?」

 

「………ああ、蛮野をが作ったロイミュードとバグスターの融合態。それを超えるためにだ」

 

 ハートは少し考えるそぶりを見せ、やがて頷いた。

 

「分かった。お前が慕う永夢と言う男は泊進ノ介の仲間だ。泊は俺の初めての人間の友達だからな………力を貸そう。俺の仲間もそう言っている」

 

「………………ああ、ありがとう………」

 

 体が熱い。新たな力の流れを感じる。

 

「………ハート、ブレン、メディック、チェイサー………そういう名前なのか」

 

 力を得るとともに、ハートたちの記憶も俺の中へと流れ込む。

 

皆、いい笑顔をしてるな。

 

それぞれ辛く、苦しかったろうに、皆、笑顔で………

 

誰かのために、盾になり、

 

裏切ったふりをし、

 

最後の力を振り絞って、

 

皆、生きていた。

 

これが………そうか、

 

これが、錆ゲンムの言っていた、例答か。

 

少しだけ………分かったような気がする。

 

「………………まだ………行くぜ………」

 

 ファイルを持ち上げ、別のものを探す。

 

「………オルフェノク………これは?」

 

[オルフェノク、人間が死んだときに、急激な進化を伴って変位する進化系。体は主に灰色を基調にしたものであり、かなりの生命力を誇る。また、オルフェノクだけがスマートブレインと言う会社のベルトを使って変身することが可能。]

 

 参考資料の挿絵を見て思い出す。少し前、Obiパラドクスと引き分けた時に俺が見たものの中にいた。

 

「確か名前…………何だったっけ………?」

 

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

「ここが………ウルフオルフェノクの記憶の世界………」

 

 道を歩いていると、土手に寝っ転がっている男が視界に入った。

 

「あんた、名前は?」

 

 ものぐさそうに上体をあげ、こっちを睨んできた………いや、目つきが悪いだけか。

 

「巧、乾巧」

 

 それだけ言って、仮面ライダー555、ウルフオルフェノク、そして乾巧は立ち上がった。

 

「俺はパラドだ。宜しくな」




お読みいただきありがとうございました。
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