仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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学校が再開し、小説を書く時間が減ってきましたらば、ちかちか寒々しい日が来ております。一人では凍えるように寒く、辛くても、二人なら何とか立って歩ける気がしませんか?


28話:踊王との再会

 スカイツリーの天辺で座っていると、不意に何かが昇ってくる気配を感じた。

下を見て見ると、学生服のようなものを着崩した少年がタワーを駆け上がって………

 

「………って………アイツ………!」

 

 その少年は、俺の中にいる、Obiパラドクスのの記憶と、俺の記憶にいた奴だ。

 

ゲーム、ドレミファビート、ラスボス。ステップ・キッズ・キング・キッド。

 

元バグスター連合の副リーダーで、確かポッピーピポパポに恋してるんだった。

 

俺の中のObiパラドクスとは友人関係。

 

今俺の方に向かっている理由………不明。

 

敵か味方か、

 

殺す気か脅す気か、

 

ただの挨拶か、

 

自分の友を殺した奴への呪詛か。

 

思考の整理の中、結論を出すよりも先に目の前にキッドが迫ってくる。

 

目の前に着地したキッドは、一言だけ、「話は現夢から聞いてる」とだけ言った。

 

「……………お前もか」

 

 内心、ほっとした。確かに俺はキッドの敵方の勢力だったし、あの時味方になりかけていたとは言ってもその後にObiパラドクスを殺したのはほぼ俺だ。

 

 恨まれていないか、襲ってくるのら、俺には反撃する権利がない。理由も。

 

第一、俺の中にいるObiパラドクスがキッドへの攻撃を許さない。

 

俺も、仲間の仲間を傷つけることは看破できない。

 

「………いや待て、何でお前が生きてる?」

 

 そこまで考えて、俺は致命的なことを忘れていたことに気が付いた。こいつ、死んでんじゃん。

 

バグスター連合と永夢達が初めて戦った頃、初めて永夢を倒したのは、このキッドだった。力こそないものの、俊敏さとダンスのセンスは天賦の者があり、永夢を下した。ハイパー無敵が破れることを誰も想定していなくて、当時はどうなるかと思ったのを覚えてる。

 

同じ時、別の場所でObiパラドクスは見ていた。キッドの大立ち回りを。「流石キッドだ」とたたえるとともに、彼は理解していた。多分、キッドは自分たちを裏切るだろうと。キッドはポッピーピポパポを愛してる。ポッピーピポパポが人間を愛すなら、キッドもそれを受け入れるはずだ。

 

こうして記憶をたどると、同時に二か所から見ることができ、別々の悲劇の存在を改めて理解した。………………で、

 

「お前が生き返ったのは、現夢の力か?」

 

「いや………ベイオウルフだ。あいつ、何の願掛けか、自分がプロトゲムデウスに変身するときに俺の「ドレミファビートガシャット」を自分の体じゃなくてヴァグヴァイザーⅡに差しちまったからデータが読み込まれて、復活したんだ。驚いたぜ………誰も、いなくなってるとは思わなかった………」

 

 そこまで話されて、俺はようやく自分の記憶と今のキッドの違いに気づいた。目、だ。

 

あれほど爛々と輝き、優しげに、無邪気だった目は暗く、黒色に濁り、動かない。

 

まだ丸焼きになった魚の方が生き生きした目をしている。

 

「お前は………生きたいか?」

 

「………俺は………そうだな、何処に行く気力もない。生きる気も、たいして、無い………」

 

 キッドが話した言葉は、そのまま、過去のObiパラドクスと同じ言葉だった。

 

「………でも、お前は生きてる。今、生きてる」

 

 俺にとっちゃ、それがすべて。それがあれば、人間でも、ウイルスでも生きていける。生きているから生きていく。当り前を当たり前にやってほしい。

 

「お前は今生きてる。………だから、生きてくれ。死にたいんなら、それは死んだときに存分にやってくれ。眠りたいのなら、死んだ時に思いっきり寝ればいい」

 

「えっと……?」

 

 自分の中の激情に任せすぎた要領を得ない言葉。自分が見てきた悲劇の死が多すぎて、盲目的に誰かの死が恐ろしくなってるのは、俺の悪いところだ。

 

「悪い………お前は今、生きてる。死んだ仲間も、皆きっとお前に生きててほしいと願ってる………と思う。俺もそう思う。俺の中のObiパラドクスもそう思ってる。………………それに、ポッピーピポパポも、きっと………」

 

 死んだ人間は生き返れない。どれだけ望もうとも、それは変わらない。皆、それを知ってた。ある人は泣き、ある人は笑い、ある人は苦悶していた。

 

 あの人たちが皆、満足していても、心の奥底で思った言葉は、俺の中にある。「死にたくない………死にたくないよ」

あの人たちの声が、聞こえる気がする。あの人たちを、俺は一生忘れない。彼らの無念は、俺が継ぐ。生きる者たち、全員の義務。それが生きることだ。

 

「キッド、俺と来い。俺の、仲間になってくれ」

 

「………俺が現夢のオヤジから言われたことは、俺が生き返った理由と、仲間たちの最期。そして、どうして俺たちが戦う羽目になったか………蛮野の野望………生に絶望して死ぬよりも、噛み千切るべき敵がいる………パラド、俺に協力しろ」

 

 互い手を合わせ、固く握りあう。

 

たった二人だが、戦力は十分だ。

 

構成は二人、リーダーと、副リーダー。

 

新・バグスター連合の発足だ。




労働組合も最低二人の人間が必要です。

グラセフの「ヴァイスシティーストーリーズ」でも、主人公のヴィックと弟のランスがヴァンス=ファミリーを立ち上げていたのを覚えています。
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