仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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人生は多数に枝分かれした大樹である


BUT・END・GAME

「はぁ………はぁ………」

 

 廃墟のビルの裏路地を、一人の女性が走っている。

煙が立ち上る街と比べると、その女性はかなりそぐわない恰好をしていた。

ピンクの髪に、黄色を基調とした服。その派手な服も、今は小さな傷やほこりがこびりついていた。

彼女の名前はポッピーピポパポと言う名だ。

 

 今、この世界には仮面ライダーとして活動ができる者は彼女以外にはいない。

 

それ以外の戦士たちは全員死んでしまったのだ。

 

鏡飛彩も、九条貴利矢も、花家大我も、宝生永夢でさえも、この世界にはもういない。

 

一人残った彼女は、いまだに戦いを続けている。戦うといっても、一方的にもほどがあるものだが………

 

 今、世界には終わりが近づいている。

生き残っている人間は、もう一万人もいないだろう。

家屋は崩れ、空には黒煙が舞っている。もう誰も元は青空があったと言ってももう信じないだろう。

道には人の死体がごった返し、コンクリートを完全に覆ってしまっている。

 

「お願いです………この子は………まだ生まれたばかりなんです………!」

 

 不意に声が聞こえ、ポッピーピポパポは立ち止まった。壁に体を密着させ、そっと奥をうかがった。

一人の女性が赤ん坊を抱きかかえて泣きはらしている。

そして、その女性の目の前には怪物が立ちはだかっている。

 

怪物の名前は、ゲムデウスムテキ。世界を破壊する存在。

 

「お願いです………この子だけは………」

 

 その言葉を紡ぐよりも先に………ポッピーピポパポが助けようと動くよりも先に………その親子の首が吹き飛んだ。蛇口を壊したように鮮血が舞い、ポッピーピポパポの絶望の声がこだました。

 

「ポッピーピポパポ……………こうして遊んでいれば………お前が来ると思っていた………残ったプレイヤーは………お前だけだ………」

 

「………変身ッ!」

 

【仮面ライダーCHRONICLE…

天を掴めライダー…刻めCHRONICLE!今こそ時は極まれり!】

 

 ポッピーピポパポは仮面ライダークロノスに変身し、ゲムデウスムテキに正面から激突した。

 

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――

 

 いつしか雨が降っていた。両腕をもぎ取られたポッピーピポパポは、何をするでもなく呆然と虚空を見つめていた。

 

「永夢………」

 

 愛しい青年の名を言ったのと、彼女の顔が踏みつぶされたのは同時だった。

 

 

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――――――――――――――――20XX年




終わりはいつでもそこに
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