仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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パラド:演技と言う名の道化

「よう! 蛮野を倒す計画を立てに来たぜ!」

 

 両腕に大きな紙、蛮野のラボの設計図を抱えて俺は乱暴にCRの扉を蹴り開けた。

 

「……………」

 

「なんだよ暗いなあ!ここは葬式の会場か?」

 

 葬式の会場………その表現は間違ってない。当り前と言えば当たり前だがまだ全員現夢のことを引きずっている。特に………問題は永夢だな。前よりも一層………心は壊れかけてて、体は反比例して強靭になってる。

………明らかに人間の枠を超えたその変化は、永夢の常人にはない狂気を物語っている。

怒りが、憤怒が力を求め、肉体は得た栄養を全て体に使うことでそれに応えている。

 

「おお永夢!見ないうちに少し大きくなったか?」

 

 改めてよく見ると、少し恐怖の変化だ。体重も5~6キロは確実に増えてる。ここまで俺への憎悪で変わるとは………正直予想外だ。

 

「蛮野を倒す………?あんた、何を言って………?」

 

 泊進之介が不可解そうに俺に聞き返した。まあ当然知らないか………

 

「知らないのか? 蛮野はまだ健在だぜ?バックアップのデータが残っててたんだよ」

 

 努めて俺は小馬鹿にしたように話した。場にいる全員が息をのんだのがわかる。

 

「なんだよおい………そろいもそろって無能ばっかか?」

 

 慎重に、言葉を選びながら俺は全員に悪意を振りまく。永夢一人じゃだめだ。場にいる全員が俺を敵だと思い込ませないと、永夢も多分俺を心の底から敵として見れない。

 

「パラド………どうしちゃったの?全然、パラドらしくないよ………」

 

 ………お前は優しいな、ポッピーピポパポ。でもゴメン。お前の信頼を、俺は裏切らなくちゃならない。

 

「俺らしくない………?ハッ!お前な、お前は俺の何を知ってんだ?せいぜい見た目だけだろ?」

 

 予想外の言葉を受けて、ポッピーピポパポが目を見開いた。

 

「パラド………僕たちがお前に協力すると思ってるのか?」

 

「当り前だろ。蛮野は俺にとっても、お前らにとっても敵だ。敵の敵は仲間ってな」

 

「何が仲間だ………!ふざけるな!」

 

 どこまでもふざけた俺の言葉に永夢が声を荒げた。

 

「必ず倒せる。安心しろ………俺を信じろ」

 

 急に真摯な言葉を投げかけた俺の言葉に、永夢の怒りが一瞬揺らいだ。

 

「俺を信じろ………大丈夫だ。へまして死んだバカと違って、俺は大丈夫だ」

 

 その言葉を放った瞬間、永夢が本当に切れた。

 

「パラドォォォォ!!!」

 

 掴みかかろうとする永夢を殴り、永夢は後ろのデスクに向かって吹っ飛んだ。

 

「はぁ………だからさぁ、永夢、負け犬に口なし………だぜ。

お前の親父も、あの若奈とか言うガキも、弱いから死んだんだ。お前は、俺より弱い。………殺されたくなかったら、それ以上跳ね返るのはやめろって」

 

 永夢は今、完全にヤバイ目つきになってる。………それでいい。永夢、もっと強くなれ。今はまだ、怒りだけの不完全な強さでいい。いつか、その力と本当の強さを身に着けるんだ………

 

「あ~あ、なんか白けたわ。もういいや。もとはと言えば俺一人でも十分だし」

 

 めんどくさそうに頭を掻き、俺はCRから出ていった。

 

『また随分派手にやったな。』

 

「お前か………」

 

 足元を見ると、影が映っている。そしてその影はまるで鏡のように俺を………より正確に言えば俺そっくりのObiパラドクスが写っていた。

 

「服がまた白に戻ってんな………」

 

『お前の俺のイメージが白い服だからだ。それよりもまあ………ずいぶん思い切ったな』

 

「………俺の力は、日に日に開放が進んで、強くなってる。念じれば赤い剣が出るようにもなったし、超加速も得た。これ以上まで行くと………少し触っただけで、俺は誰かを殺しかねない」

 

 かつての戦士たちと融合した後、俺の体は日に日に強さを増し、次々と新たな力が現れた。

 

『成る程な、今お前は得た情報をダウンロードしている最中ってわけだ。全ての読み込みが終われば………』

 

「遅かれ早かれ、永夢達とはいられない。ならいっそ、俺から一人になったほうがマシだ」

 

『一人………か………一応言っておくが、俺も結局はお前の妄想に過ぎない。俺とお前が話しているのは、「Obiパラドクスなら自分に何を言うか」をお前が俺の記憶や感情をもとに考えてるだけだ。………こっから先、お前は本当に一人だ。』

 

「上等………俺が………必ず、皆を守る………!」

 

 拳を握りしめ、俺はもう一度、深く決意した。




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