仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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33話:正体

「な………何ということだ!」

 

 蛮野は今、最善の手を尽くしているといっていいだろう。最初に現れたパラドの力を見抜いてすぐに撤退しようとすることは正しい。ただ彼の目の前のモニターを埋め尽くす多くの相手達だけはどうしようもない。

 

 罠やセキュリティが総力を挙げているとはいえ、相手が多すぎる。落とし穴などは最初の数十人は足止めすることができても、場に残された残りの数百人が引っかかるはずもない。

 

 全ての罠にかかりながらも、最速で自分のもとに向かってくる敵たちを見て蛮野は歯ぎしりをした。

 

「おのれ………なぜこんなことに………!」

 

 悪態をついても始まらない。兎にも角にも撃退するしか道はない。侵入者をたどり着けないようにした結果、逆に自分自身が出られなくなってしまっては世話はない。

 

「………!こいつか!」

 

 モニターの画面を食い入るように見つめて30分。苦心しながらも蛮野はようやくゲンムの本体を見つけた。大量にいるゲンム。その中の一体だけがその場から一歩も動いていない。

 

「ふざけた真似を…!殺してやる!!!」

 

 蛮野はすぐに行動を起こした。近くの通気口に飛び込み、一気に問題のゲンムの場所へ降り立った。

 

「貴様ァ!よくも私の研究所を!」

 

 ゲンムを殴り飛ばすと同時に、周りにあふれかえっていたゲンムの分体も消えた。

 

「来たぞ!蛮野だ!!」

 

「何!?」

 

 消えた分体の間から、エグゼイドやドライブと言った主力のメンバーが現れた時になって初めて、蛮野は自分がまんまとおびき寄せられたことを悟った。

 

「ちょこざいな真似を…!」

 

 壁のスイッチを押し、特殊なシャッターを下ろして逃走を図ったが、シャッターが下りきるよりも前にエグゼイドとドライブが転がり込んできた。

 

「久しぶりだな………蛮野!」

 

「泊進ノ介!またしてもお前か!!!」

 

 秘密裏に事を運んでいたはずが、なぜ警察の仮面ライダーまで来ているのか、答えは一つだけだ。

 

「ルーフマンだな………俺を売ったな!!」

 

 二人の仮面ライダーを無視し、蛮野は走った。最速でモニタールームまで戻り、機械を起動した。

 

「どうした?蛮野」

 

「とぼけるなルーフマン!貴様、情報を操作して私が戦う対象をCRのライダーだけに絞るはずではないか!何故ここに警察の泊進ノ介が現れる!?」

 

 ルーフマンを覆っていた靄が晴れ、不敵な笑みを浮かべる男が映った。

 

「エグゼイドは自分の友人に協力を求め、その先がドライブだっただけだ。私は手抜かりした覚えはないぞ?………ただ、こうなってはもはや運命だな。諦めろ」

 

「ふざけるなぁ!!」

 

 なおも噛みつこうとする蛮野を無視し、男はそのまま接続を切った。

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

「間久部審議官、どうかされましたか?」

 

「ん?いや何、ただの間違い電話さ」

 

 不敵な笑みを浮かべながら、現 大臣官房審議官間久部緑郎は顔をあげた。

 

「さらばだ蛮野。お前はもう用済みだ………」

 

 彼が放った言葉を聞いていたものはいない。




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