仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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36話:合流

九条貴利矢

 

「なあ、どう思う?」

 

 目の前の大きな機械を見上げながら、ほぼ確信しているにもかかわらず質問を飛ばした。

 

「どうもこうも………どう見てもここのセキュリティを管理している機械群だろう」

 

「ってことは………」

 

 俺が聞くよりも早く、神………檀黎斗はうなずいた。

 

「ああ。ここの機械を壊せれば、敵の戦力は半減だ。おそらくすべてのセキュリティがダウンすると見て良いだろう」

 

「よっしゃあ!」

 

「あ、ちょ、待………」

 

 聞くや否や、思い切り装置を殴りつけた。だが、そのことを俺は即座に後悔した。

 

「硬------!!!?」

 

 驚くほどそれは強固だった。金属や合金とも違う。兎にも角にもただただ硬い。

 

「愚か者。こんなに見え見えで置いてあるんだ。物理的にそう簡単に壊せてたまるか」

 

 無礼な目つきで俺を一瞥し、檀黎斗はボタンをあちこちいじり始めた。

 

「おい、また前みたいにお前がミスったら…」

 

「あれは故意だ。自分の意志でわざとミスをした」

 

 驚きの告白。あの日の自分のミスをすべて告白いつは演技と言い張るつもりなのか、と今度は俺が檀黎斗を睨みつけた。

 

「………彼に………現夢に頼まれた。自分が蛮野にケジメをつけさせると………自分のケジメも、そこでつけるとな」

 

「…!!じゃあお前、永夢の父ちゃんが死ぬことを知ってて………!?」

 

 檀黎斗は何も言わなかった。その代わり、一つ頷いて見せた。

 

「てめえ!何でだ!!どこまで腐ってやがる!!!!」

 

「やかましい!!!!!!!!」

 

 食って掛かった俺を跳ね飛ばし、檀黎斗が吼えた。

 

「親の覚悟を、誰に止める権利がある!?私はうらやましかった!親が命を張れるほど愛されている息子を!永夢がうらやましかった!私は父にろくに大切にされなかったからな!

………それに、現夢は生き残ったとしても、あの男がやったことは消えない。………私と同じようにな。永夢と現夢が昔のように仲良くなることは…………無い」

 

 「あの時に死ぬのがあの人にとって救いだったんだ」それだけ言うと、檀黎斗はまた背を向け、一心に機械の操作を続けた。

 

「………………貴利矢、1つ頼まれてくれるか?」

 

 聞かれた時、俺はきっと鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていただろう。頼まれるのも、下の名前で呼ばれたのも初めてだったからだ。

 

「ここのデータ、消去ができればセキュリティはすべて止まるが、問題があってな………管理者のパスワードがなければ実行できない。無理やりできなくもないが………それをやると防衛セキュリティを刺激する」

 

「………つまり、あのクロノス軍団を俺一人で食い止めろってか?」

 

「頼む」

 

 何でだろうな。あれだけ憎んだ相手なのに、協力しようとする俺がいる。

 

「…任せろッ!!」

 

「………よし、行くぞ!」

 

 黎斗がボタンを押した途端、警報が鳴って部屋に大量のクロノスが駆け込んできた。

 

「おおりゃあ!!」

 

 入ってきたクロノス達を押し戻し、扉を閉めて蓋をする。

 

「よっしゃあ!………げぇ!?」

 

 ヤワな材質ではないはずだが、クロノス達のパンチや体当たりでどんどんひしゃげてきた。

 

「おぉい!あとどれぐらい稼げばいいんだ!?」

 

「5分頼む!」

 

 無理かもと思いつつ、必死で扉を押さえつける。とうとう扉に亀裂が入り、わらわらとなだれ込んできた。

 

「おえ!動きキモ!」

 

「…よし、25%完了した!もう少し頼む!」

 

「ちくしょお!こうなりゃやけだ!食らいな!」

 

【爆走・CRITICAL STRIKE!】

 

 がむしゃらに敵に向けて突っ込んだ。扉をくぐり、殺到していたクロノス達を跳ね飛ばす。

 

「うし!………おわ!?」

 

 急にバイクが急停止した。何事かと前を見れば、真っ黒なハイパー無敵ソルティがバイクの前輪を掴んで止めていた。そのまま投げ飛ばされ、出たばかりの部屋に俺は飛び込んだ。

 

「ぐ………くそ………」

 

 意識がかすみ、視界がボヤけた。そんな俺を、誰かが助け起こした。

 

「黎斗…お前、装置は………?」

 

「安心しろ、向こうでやってる。あとな、俺の名前はキッドだ。間違えんなよ?」

 

 額にデコピンをされ、ようやく意識がはっきりしてきた。

 

「………お前、ドレミファビートのキッド!?」

 

「よろ。仲間の仇討ち……俺も混ぜろや!」

 

 わざとらしく歯を見せ、にやりと踊王が笑った。

 

「協力するぜ、兄弟(ブラザー)?」

 

「お生憎様。俺には兄も弟もいねえよ」

 

「ノリ悪ィな。女にもてないぜ?」

 

 ノリか………いいね。久しぶりに聞いたぜ。それ。

 

「よっしゃあ!ノリに乗ってくぜ!!」

 

 お互いわざとらしくハイタッチしてそのまま握手した。

 

「行くぜ兄弟!」

 

「おし!………あれ、そういやおめさん………」

 

 ダンス以外できたっけ?と聞こうとキッドを見て、俺は息をのんだ。

キッドの手の平にパワーボール?らしきものが浮いている。

 

「おま、それ………何?」

 

「説明は省くけど、俺にはベイオウルフの、マオの力が宿ってる。この程度の軍団なら………余裕だ。[クダケチール]!!!」

 

 キッドが投げたボールが爆発し、クロノス軍団が突風に吹かれた塵みたいに吹っ飛んだ。

 

「強………すぎ………」

 

 俺の苦労はなんだったのか、そう思い俺は天を仰いだ。

 

「援護頼むぜ兄弟!」

 

「俺は………お前のおまけじゃねーし!」

 

 向こうにそんな気はないだろうが、援護する奴=前衛が最強の場合いてもいなくてもいい奴と言う思いが強い俺としては複雑な気分だ。

 

「すげえぜキッド!これなら行ける!」




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