仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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37話:覇者の決意

 初めは、たまたま彼女のデータを見つけた時だった。

 

人間の女が入っていること。帰るべき場所があること。

 

初めは、彼女が住んでいた場所に返そうと思っていた。

 

特に大きな理由はない。打算のない善意と言うものだ。

 

彼女の身体を構成して、彼女をこの世界に解き放った。

 

姿を見た時、ただ単に綺麗な方だとしか思わなかった。

 

自我を入れるだけと言う時になって、興味が生まれた。

 

この女の人として歩んだ人生を見て見たいなと思った。

 

もちろん迷惑この上ないことだし、許されないことだ。

 

そして身体をデータ化し、機械に滑りもこませて見た。

 

 記憶の世界での彼女は、よく笑う女性だった。

 

鏡飛彩と言う男を愛していた。

 

彼女は男と話し、幸せそうだった。

 

俺は、彼女のことを好きになっている自分に気付いた。でもいい。それで君が幸せなら、俺はこの気持ちを諦めることができる。

 

だが彼女はある日、病気になった。「バグスターウイルス感染症」 治す方法がまだ完全には確立されていない病気だった。

 

痛む体を引きずり、愛しい男のもとに彼女は向かった。

 

だが、男は彼女のことを、小姫を見ていなかった。

 

参考書を一心に読み続け、適当な相槌で相手をしていた。

 

――――なぜ小姫を見ない?小姫はお前を見ているのに――――

 

小姫は声を荒げ、男のもとを去った。

 

だが、小姫は男を嫌いになったわけではない。相手をしてくれない男に一時的に腹が立ったのだ。

 

帰り道の途中、小姫はその場に倒れこんだ。

 

過剰なストレスにより、病気が悪化したのだ。それも急速に。

 

――――苦しむ小姫を、見ていられない――――

 

手を握ろうとしたが、ここは記憶の世界。小姫に触ることはできず、ただ手は空を切った。

 

………ようやくあの男が来た。いまさら何をしに来たというのか。もう小姫は助からない。

 

[飛彩………世界で一番の………ドクターになって………]

 

最期の言葉を残して、小姫は消えた。

 

――――なぜだ、なぜ小姫を見なかった? お前がちゃんと彼女を見ていれば、あるいは結末は違ったかもしれないのに――――

 

――――小姫、あんなクソ男のどこがよかったんだ…俺なら絶対君から目を離さない。ずっと君を愛す。ずっと大事にする。約束するよ。絶対に泣かせないし不幸にしない………大丈夫だ。俺がこれからもっと幸せな未来を君にあげる。だから――――

 

「だから、俺を見てくれ。小姫」

 

 現実世界に戻り、俺は小姫の瞳を見た。

 

改めてみる彼女の顔は、相変わらず虚ろだったが………それでも、とても愛おしい。

 

抱きしめたい衝動にかられたが………それを耐える。

 

「君が目覚めた時、最初に見るのは………俺だ」

 

 優しい君に、恋をした。美しい君に、恋をした。

 

「俺の剣も、何もかも、全てを君に捧げるよ。俺は君の、騎士になる」




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