仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
鏡飛彩視点
敵と戦いを始めてどれほど経っただろうか。吹き飛ばされ、たたき起こされ、また転ばされ、引き起こされ………体中が痛む。視界がかすみ、膝が嗤う。
明らかに向こうの方がこちらよりも強い。決して勝てない敵。レベル差の激しい敵。何度も諦めてしまおうかとも思う。
だが、その度に小姫を思い出す。
[世界で…一番のドクターになって]
………一度目は………失った。
[セカイデ、イチバンノドクターニナッテ]
………二度目は、自分から諦めた。
「………………今度こそ、君に会う」
この三度目は、奇跡だ。きっと、ここで俺が諦めたら、俺が負けたら、小姫、君に一生会えない。そんな気がする。だから諦めない。たとえ死のうと、立ち上がり続ける。
「ま………だ……だ………!」
「………………そうやって、足掻き続けていれば光明が差すと思っているのか? 愛する女のために一生懸命なお前に、俺が同情して勝ちを譲ってくれるとでも思ってるのか?」
………本当にそうなったらどれだけ楽か。先ほどから手加減も遠慮もない。正々堂々と正面から吹き飛ばし、たたき起こし、また転ばし、引き起こしてくる。
「俺は………小姫!お前を愛してる!」
心から吼え、立ち上がるが、そんな俺を奴は殴りつけた。
「ふざけるな! ならなぜ最初からそれを小姫に言わなかった!?」
「な………お前………なぜ………知っている?」
俺と小姫しか知らないはずの事を知っているような言動を放った奴の言葉に、俺は困惑した。
「彼女の記憶を………盗み見た。小姫はお前には託せねぇ。俺は………彼女を………あの子を殺したお前を絶対に許せねえ! 俺は負けたくなかったんだよ! 俺は、お前に負けたくなかったんだ!」
そして俺は理解した。こいつは小姫が好きなのだ。そして、俺を憎んだ。無能な俺を。彼女の死の責任から逃げた俺を。逆の立場だったら、きっと俺も同じことを思う。こんな男に彼女任せられない。彼女にこいつはふさわしくないと。
「…それでも俺は、小姫に会う!絶対に!もう一度!取り戻す!小姫の笑顔を!」
もう一度、笑顔が見たい。小姫の笑顔が見たいと思っていた。でも、それは嘘だ。
俺は俺を見て、笑ってくれる小姫を見たいんだ。俺以外の男に、絶対に取られたくない。
「ライダーゲージは残り1コマ………いいぜ。終わりにしよう」
奴の剣が稲妻を帯び、輝いた。輝の眩さに眼が眩みかけた俺にエナジーアイテムが投げつけられる。
「それで俺と思お前は五分だ………来い!」
【マッスル化!】
【TADDLE!CRITICAL FINISH!】
「うおおおおおおお!!!!!!」
決死の覚悟だった。相打ちで死んでもいいとさえ思えた。
俺は見た。
奴が、自分の剣を投げ捨てるのを。
無防備に俺の前に走りこむのを。
俺の刃が、奴の胴体に滑り込んだ。