仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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40話:大我の決意

花家大我視点

 

 威勢よく戦いを始めたまではよかったが、相手のレベルをまるで考えていなかった。

 

そもそもな話、俺のレベルは低い。ブレイブが150になっていて、レーザーはX(ブレイブをのせると相乗効果で約100)なのに俺ときたら50止まり。

 

対して向こうは不本意な改造を施されたとはいえ抜群のパワーを持っている。間違いなくすべての性能がクロノスより上だろう。

 

「………くそ!」

 

 近づけばあのファングの餌食になり、遠くから撃ち合いになれば今度は3つの重火器に蜂の巣にされる。しかもそのどれもが必殺級の力を持っている。勝てるわけがない。

 

 ………力の差………か………

 

前に俺は負けたことがある。絶対に自分が勝てると思っていたのにもかかわらず。

 

敵の名前は錆ゲンム。宝生現夢。

 

俺のレベルは50。現夢は4。

 

なのに敗けた。

 

ぐうの音も出ないほどボコられて、挙句の果てには肩を外された。

 

力の差をものともせず、俺なんかが考え付かないような策にはめられ、あっという間に追い詰められた。

 

本当の強さが、あの戦いの中にあった。技術と、覚悟と、意地を全て混ぜて、全力かつ最速で俺を仕留めた。

 

やられて悔しかったが、俺はそれ以上に心が躍った。

 

レベルの差が、絶対的なものだと思っていた。

 

昔、ゲンムと戦ったことがあった。ゲンムのレベルは3で、俺、ブレイブは2。レーザーは1だった。三対一でレベル3に立ち向かい、あっけなく返り討ちに合った。

 

高々レベル1の差は、絶対的なものだと理解した。

 

俺はそんな数字の上での理不尽を、いつの間にか受け入れていたんだと思う。ゲンムがデンジャラスゾンビのレベル10の力を得て、レーザーを殺した時も。

 

だが、現夢はそれを覆した。エグゼイドにジュージューバーガーと同じレベルで俺を倒せといっても無理だろう。レベルはただの性能だ。乗りこなす人間が有能なら、力の上限はいくらでも超えられる。

 

俺も超えてやる。

 

「限界なんて壊してなんぼだろ………!」

 

 近づきもせず、離れもせず。どっちつかずの戦い方をしていた俺が初めてまともに動いた。

 

背を向けて、全力疾走で逃げ出す。恥も何も無い。正面からは無理!後ろから撃たれないことを祈りながらただ走る。

 

「うおおおお!!!」

 

 体の横を何度か弾丸やミサイルのようなものが通り過ぎていったが、無視。

 

機材が山のように積まれている場所の裏に逃げ込んで一息をついた。

 

「やってやるぜ………現夢!あんたみたいに!」

 

 どこまでやれるかわからない。でも、絶対に勝つ。

 

その時の俺はそう信じていた。




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