仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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ノムニスベル・エス・ホリマク


死者:我とともに滅ぶべし

「はあ……はぁ……………くそ!」

 

「敵にこんなことを言うのもおかしな話だが………逃げないのか?」

 

 いくら攻撃しても、全て盾にはじかれる。たとえ通ったとしても、多分ダメージは入らない。

そんな弱い自分が情けなくて。敵に困惑されてる状況が悔しくて。それ以上に、逃げるという選択肢がなくて。

 

「へっ………ゲンムはマジで大嫌いだけど、一緒にお手々繋いであの世に行くのも悪かねぇな………」

 

 そんなことを本気で思えてしまうから不思議だ。

俺もどっかしらいかれてんのかね………

 

「だけど………どうせ逝くなら飛び切りの道連れが欲しいね。野郎二人じゃ寂しいわ」

 

【仮面ライダークロニクル】

 

「む?それは……………」

 

「念のために持ってたんだ。どっかで俺が命張る場面が出ると思ってな………」

 

「………………レーザー………勇気と無謀は違うぞ」

 

「あ?」

 

「お前ではクロノスの力は完全には使えん。それに、クロノスの力が仮に使えても勝てん。エグゼイドがどうなったかは分かっているだろう?悪いことは言わん。このまま………」

 

「何も分かってねえな。おめさん」

 

 勝てない?そんなこと知ってる。力が使えない?承知の上だ。

 

「無謀も勇気も同じさ。要はそれで生き残って美談か英雄譚になるか、死んではい間抜けでしたで終わるかだ」

 

 少なくとも俺はそう思う。結局、生きたもん勝ち。なら、俺はみっともなく足掻くだけだ。

 

「行くぜ神!力貸しな!」

 

【ガッチャーン………レベル(バグル)アップ………

天を掴めライダー(デンジャー)刻めクロニクル(デンジャー)今こそ時は(デスザクライシス)極まれり(デンジャラスゾンビ)!】

 

 ドライバーに仮面ライダークロニクルガシャットと、デンジャラスゾンビガシャットと言う妙な組み合わせ。体が銀色に光り、デンジャラスゾンビの体色をしたクロノスに変身した。

 

「がぁ………!ぐうぅぅ………」

 

 体中が痛い。やっぱり無茶だった。でも倒れるな。

 

「………………レーザー、貴様は、死の覚悟を決めたのではない………

生きることを諦めたのだな」

 

「来い!ゲムデウス!」

 

「あい分かった!貴様の気高き覚悟!全力で踏みにじることこそが真の礼儀!手抜かず戦おうではないか!」

 

 ガシャコンスパローを出して振り下ろされたゲムデウスのデウスラッシャーを受け止めた。踏ん張った地面がへこみ、大きな亀裂が入った。重すぎる!

 

「受け止めたのは見事と言うべきか!ぬうえい!!」

 

 体勢を立て直すよりも先に鳩尾を蹴飛ばされた。だが、痛みはあるがまだ立てる。ゾンビの耐久力だ。

 

「よもや、全力で蹴って変身を解除できんとは………」

 

「へっ………痛すぎて………意識飛びそうだけどな………」

 

 視界が霞む。痛い………痛い………でも………まだだ………まだ…やれる………

 

「良かろう!焔の太刀………ドラグーン(大火災)!!」

 

「おわ!?」

 

 デウスラッシャーの切っ先から龍の形をした炎が飛び出し、俺の方へと飛んできた。すんでのところで横に転がって躱し、ゲムデウスに向き直った。

 

「甘い!後ろを見よ!」

 

「何!?」

 

 後方を見ると、さっき避けた炎の龍が生き物のようにターンし、再度俺に向かって飛んできた。

 

「くそ!」

 

【ライダーCRITICAL FINISH!】

 

 スパローにクロニクルガシャットを差し込んでキメ技で相殺を狙った。

 

だが、放たれた無数の弓矢は弾き飛ばされて壁や天井に散ってしまった。

 

勢いを衰えず炎の龍が俺に激突し、遂に俺の変身が解けた。

 

「ぐ………う………!」

 

「………勝負あり………だな」

 

 「まだだ」そう言って立ち上がろうとしたが、体が言うことを聞かない。

 

「く………くそ………………!」

 

 見ると、弾き飛ばされて天上に突き刺さった矢のせいで部屋全体に亀裂が入ってしまっている。

 

少しずつ、少しずつ亀裂が広がり、破片が落ち………

 

やがて、建物全体が崩れ始めた。

 

「………助けたいとも思うが、関係は敵同士。許せ、レーザー」

 

 視界が瓦礫に覆われていく。

 

伸ばした右腕の上に鉄骨が落ち、挟み込まれてしまった。

 

 俺………こんな風に………死ぬのか………

 

あぁ………ついてねぇな………………そんなもんか。

 

 ひと際大きな瓦礫が、俺めがけて落ちてくる。

 

俺はそのままゆっくりと目を閉じた。




貴利矢さん、おやすみ。
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