仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
あれから、もう一時間ほど経つ。状況は、俺の方が少し………いや、だいぶ悪い。
「はぁ………はぁ………くそっ!」
「ふう………ふぅ………良い戦いだった」
盾と剣にひびが入り、とうとう二つとも砕け散った。ゲムデウスの武器は、両方ともまだ健在だ。………………他の武器………何かないか………あるにはあるが、どれもゲムデウスの武器との衝突に耐えられるとは思えない。
「おい………勝手に終わらせんじゃねえよ」
「虚勢を張るな。互いに消耗したが、お前の消耗の方が大きいことくらい見抜いているぞ。そして、このデウスラッシャーとデウスランパートに並ぶほどの武器を、お前は持っていない」
「………………」
「恥じるな。お前の戦いは見事だった。ただ少しだけ、こちらに分があっただけに過ぎない。お前がこちらと同等の持久力を持っていれば………あるいは………」
慰めではないことくらい、分かる。ゲムデウスの言う通り、もし、もう少しだけ………いや、
「仮定なんざ………どうでもいい。俺が、お前を止めなくちゃならねえんだよ………!」
………目の前に、敵が立っている。俺よりも強い敵だ。
「いつまで勝つ見込みのない戦いを続けるつもりなのだ?」
「さあな」
「諦めるのを勧めるが?」
「嫌だね」
「………なぜ戦う?勝てぬと知っておきながら………何がお前を動かす?」
「なめんなよ………俺は………お前の父親だ!」
叫びながら、俺は構えなおした。
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ずっと考えていたことがある。この世界にバグスターが生まれたこと。
俺が世界に生まれたこと。
俺も記憶は薄れているが、俺を望んだのは永夢だった。
「お前が求めるものはなんだ?」
そう聞いた。
永夢は答えた。
「僕は覚えてないけど………いた気がするんだ。誰か、僕よりゲームがうまい人」
永夢は、父と遊んだことを覚えていた。
父の存在は忘れても、「誰か」自分より強い存在がいたことを覚えていた。
だから永夢は望んだんだ。
「自分とゲームをやってくれる人。そして、自分より強い人」
それが俺の生まれた理由。
そして、永夢に感染した俺のデータをもとに、全てのバグスターが生まれた。
俺はすべてのバグスターの親みたいなもんだ。
だから、下がれない。
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「俺はお前の親だから。俺は永夢の父親代わりだから」
永夢のためにも、俺自身のケジメのためにも。
「そうか………なるほど。いかに力で優ろうとも、このゲムデウス!確かに貴様に超えるべき親の背を見たぞ!」
「なら来い。お前に………俺の【とっておき】を三つ見せてやる」
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