仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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良い子は寝ましょう。

悪い子も寝てください。




終った世界と創世者

 ここは、終わった世界。

 

空を黒雲が包み込み、闇が世界を覆う世界。

 

 人は残っているのか、それともいないのか――

 

それすら定かではない。

 

 都市はもはや、ほとんどの建物が倒壊していた。

 

その中の一角に、一際大きなクレーターがある。

 

 道路には野生化した猫が多く行き交い、人間が使っていた痕跡はもうない。

 

その中に一人、絶望的な表情で立ち尽くしているウイルスがいた。

 

「こ………これは………一体………」

 

 その者の名前は、檀黎斗。

 

彼は変わり果てた自分の故郷を見て、どうすることもできずにいた。

 

(私のいない間に、一体何が?)

 

 同じ疑問を彼は何度も反芻し、やがてよろよろと歩き始めた。

 

「誰か………誰かいないか………頼む………誰か………………」

 

 答える人は、誰もいない。

 

道路の猫たちは黎斗の姿を見ると逃げ出していった。

 

 しばらく歩き、彼はかろうじて形を保っている建物の前に立った。

 

「誰か………永夢……?九条……鏡……花家」

 

 知っている限りの人の名前をつぶやきながら、黎斗は歩き続ける。

 

途中で、よろよろと歩いていたために壁に体を引きずってしまった。その壁の表面に付着していたススが取れ、下にあった文字が浮かび上がる。

 

【聖都大学附属病院】

 

「誰か……返事を………!」

 

 手当たり次第に病室の部屋を開けていると、ある一つの部屋のベッドの上に人型のシミがついていた。

 

恐らく寝たまま死んだ人がいたのだろう。体液は細胞が壊死することによりドロドロに溶けた状態になり体中の穴から流れだす。

 

 その体液でできたシミが、ベッドのシーツにハッキリ出来ていた。

 

立ち込める異臭。なぜもっと早く気づけなかったのかと思うほどの、強く暗い匂い。

 

「うぐ………ゲぇ………」

 

 黎斗は手で口元を抑えたが、こらえきれずに吐き出した。

 

遺骨はなかった。野生動物が持って行ったのかもしれない。

 

「何が………この世界で………」

 

 黎斗は、もう病室をいちいち開けて中身を確認することはしなかった。

 

CRに向かうが、エレベーターに電気が流れていないために動かない。

 

力任せにエレベーターの扉をこじ開け、CRへ向かった。

 

当然、そこには誰もいない。そもそもいるわけがないのだ。宝生永夢も、鏡飛彩も、花家大我も、全員故人なのだ。たとえ黎斗が世界中を見て回っても、会うことはかなわない。

 

 CRから出ようとしたとき、ふとデジタル時計が目に入った。壊れず、まだ活動を続けているようだ。

 

「………?」

 

 表示されているものになにか違和感を感じ、黎斗は手に取って覗き込んだ。

 

「………14:37………!?2019年2月4日!?」

 

 それは信じられないものだった。

 

何故なら、彼がこの世界から異世界へ行ったのは、2017年8月27日。異世界で彼は結婚し、子を持った。だがまだ一年ほどしかたっていないはず。

 

どう多く見積もっても、2018年の9月程のはずだ。

 

 何十年とみれば僅かかもしれないが、それでも時がずれている。

 

驚きの事実を前に固まっていると、背後から足音がした。固い音だが、確かに人の足音だ。

 

「誰だ!?」

 

 探し求めた人との対面。しかし、逆に警戒が必要だ。黎斗は音のした方の通路を睨みつけた。

 

「お前が本当の最期のプレイヤーなのだな………ゲンム………」

 

「!?ハイパー無敵!?………いや……違う!」

 

 立っていたのは、ゲムデウスムテキと言われている存在。

 

「お前が………この世界を!?」

 

「当然、主人公がラスボスの前に敗れるのならば、世界は壊されるのが筋」

 

「ふざけるな………!グレードゴッド!変身!!!」

 

【HYPER CREATOR GOD X!!

HYPER CREATE OF ガシャット!ガッチャーン!!!

レベルアップ∞!!!!!!

創世の騎士よ! 照らせ! 太陽の如く!! 最強の創世ゲーマー!!!

HYPER 無限!!!!!! 幻夢!!!!!!】

 

 双方が激突し、大きな爆発が起きた。

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 世界は、救われた。

 

ゲンムが、勝利した。

 

ゲンムはその後、生き残っていた僅かな人間を集め、破壊された建物を治し、人々を救った。

 

彼は、神と呼ばれた。

 

だが、彼は、何処までも悲しい表情をしていた。

 

皆に会いに来たのに、もう誰もいなかった。

 

「永夢………」

 

 彼のつぶやきを、聞いていたものはいない。

 

 

 

 

 

 

 

BUT・END

 

 

 

 

 

 

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