仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
申し訳ありません。
「うげっ!おわっ!!」
ゲムデウスと一緒に地面に激突した僕は、勢いを殺しきれずに何度もバウンドし、転がった。だが、やがてその勢いも収まり、ようやく止まった。
「はぁ…はぁ……勝った………!」
体が疲れ切って、上手く上体を起こせない。でも、これで………!?
「グウ………ガアアァ!!!!!」
晴れてゆく土埃の中心に、ゲムデウスが立っている。
「ま………まさか………!」
まだ終わらないのか?
いったいどこまで続くというのか。ゲムデウスはまだ立っている。
「ウ………ギャオオオオオオォォォ!!!!!」
ゲムデウスの体が膨張し、どんどん巨大化していく。
「く………!第二形態か………!」
思い出した。あの時は苦労したっけ。でも………ゲムデウスXの時は無敵の能力でゴリ押して勝てたけど、今度はそうはいかない。無敵の能力が通過される以上、勝ち目が薄い………
「くそ………どうする………?」
「さあ、エグゼイド!これが本当に最後の戦いだ!!」
巨大化が止まり、変化が終わった。今からちょうど1年と少し前、見た姿と同じ。ゲムデウスの第二形態だ。
「さあ、究極のゲームの終わりは近い………!」
ゲムデウスの龍の体のような腕が高速で伸びてくる。背を向けて走るが、すぐに捕まってしまった。
「ぐ………く、くそ………」
恐ろしいほどの力で締め付けられ、意識がもうろうとし始める。でも負けるわけにはいかない。
「うぐ………うおおおおお!」
両腕に無理な力を込め、振りほどこうと試みるが、そこにもう一方の腕が伸びてきた。
「あぐ………うあああ……!」
両腕に締め付けられ、今度こそ何の抵抗もできない。このまま強く握りしめられた空き缶のように潰されるのかと思ったが、不意にその拘束が外れた。
「永夢!大丈夫か!?」
目を開けると、目の前に白黒のクロノスがいた。
「貴利矢………さん?」
クロノス………もとい貴利矢さんに腕を引かれ、僕はゲムデウスの腕から脱出した。
「うぬ!厄介者めが!」
ゲムデウスを見ると、キッドが遠くから魔法を飛ばして牽制していた。
ゲムデウスも片方の腕を伸ばすが、遠くて届いていない。
「永夢!今のうちに立て直すぞ!」
貴利矢さんと一緒に地面に降り、僕もゲムデウスに魔法を撃つ。
「エグゼイドォ………待て!」
「永夢!投げるぞ!行ってこい!!!」
貴利矢さんが僕を空中に投げ飛ばす。ゲムデウスの右腕が僕の体の真下をかすめた。
「エグゼイド!俺の足に乗れ!」
空中でキッドの足に飛び乗り、そのままキッドに蹴られながら飛ぶ。
ゲムデウスの左腕をかわし、デウスラッシャーをゲムデウスの顔面にたたきつけた。
「………ん!?」
見ると、ゲムデウスの顔と僕のデウスラッシャーの間に透明なシールドのようなものがあり、剣が当たってない。
「クフフフフ………捕まえたぞ。エグゼイド」
無防備な状態の僕を、ゲムデウスの右腕が掴んだ。
「ぐう…!くそ………狙ってたのか………!」
「永夢!」
「エグゼイド!」
僕を助けようと貴利矢さんとキッドが走ってくる。
「しゃらくさい!吹き飛べ!!!」
ゲムデウスの目から大量のビームが飛び出した。
がむしゃらに、周りのすべてのものを理不尽に蹂躙していく。
「終わりだ………」
ゲムデウスは僕を投げ飛ばし、地面へたたきつけた。
そこから、体を回転させ、剣のような足で切りかかってくる。
とっさにデウスランパートを出し、その剣を受け止め………
「が………う………?」
受け止めることはできなかった。僕は、盾ごと切り裂かれ、その場に崩れ落ちる。
「永夢………くそ!」
貴利矢さんの声が聞こえるけれど、何処にいるか分からない。
ゲムデウスの身体から伸びてくる針が僕の両腕と足に突き刺さる。
十字に空中へ引き上げられた僕は、もう動くこともできない。
「さらばだ………エグゼイド。これが………本当の、仮面ライダークロニクルの………エンディング。勇者は破れ、バットエンドの証として世界が終わる。」
僕の体に、さらに針が刺さる。
太ももに
お腹に
首に
顔に
【GAME OVER】
僕の体が崩れ、粒子になって散っていく。
ゲムデウスの身体から、闇が溢れた。
ゲームエリアを、街を、国を、世界を、飲み込んでいく。
暗黒の中、ゲムデウスの両眼だけが、いつまでも輝いていた………