仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

172 / 177
今回はかなり暗い話です。

永夢がゲムデウスに乗っ取られ、崩壊してしまった世界に遅れてやってきた黎斗さんの最期のお話になります。

昔の話だから内容を忘れたという方は、

第5部にある 創世神VS破壊神 ありえた可能性のセカイ BUT・END・GAME 終った世界と創世者

を読んで頂ければ流れがわかると思います。


三部作編GM×NEXT×ANOTHER:TRIPLE STAGE
真実と創世神の最期


「…………素晴らしい………力だな………ゲンム!」

 

「お前はここで死ぬ。この世界で苦しんで死んだ人々に、せめて詫びろ」

 

 目の前で地に膝をつくゲムデウスMを見下ろし、私はとどめを加えようと歩を進めた。

 

「我は仮面ライダーCHRONICLEの真のラスボス!ゲムデウスM!そう簡単に死ぬものか!」

 

 最期の力を振り絞り、立ち上がろうとするゲムデウスMの首を手刀でそぎ落とした。

「バカな………」そう呟きながら、ゲムデウスMの首が転がり、光の粒子となって消滅した。

 

 

「これで………遊びは終わりだ。皆………私にそんな資格はないが、仇はとった。せめて皆、安らかに………」

 

 冥福を祈ろうと、目を閉じようとしたが、まだ残された首から下が蠢いていた。

 

「とんでもない生命力だな…まあ良い。まとめて消して………!?」

 

 残された体が崩れ去り、中から人間が転がり出た。そしてその人間の姿は、他ならぬ宝生永夢だった。

 

「なっ………!?え、永夢!」

 

 慌てて駆け寄り、永夢を抱えた。回復魔法をかけるが、永夢の体の崩壊が止まらない。

 

「くそ……!なぜ回復出来ない!?」

 

「う……く、黎斗さん………ですか?」

 

「永夢!一体何があった?」

 

 永夢は、途切れ途切れではあったが、この世界で何が起きたのかを話した。

 

 新たに現れたバグスター達との悲しい戦争。その裏で動いていた狂った科学者の存在。そして、その科学者が作った世界を滅ぼす程の力を持った新たなゲムデウスとの戦い。

 その戦いの中で失われた仲間たちの命。

永夢自身も戦える状態ではなくなり、苦肉の策として仮面ライダークロニクルガシャットを使用して従来のゲムデウスと融合してパワーアップを図り、結果として永夢は乗っ取られ、世界を滅ぼす直前まで破壊の限りを尽くしてしまったこと。

 

「す、済みません、黎斗さん………」

 

「……大丈夫だ、永夢。まだきっとどこかに生き残っている人々がいるはずだ。その人達を集めてまたやり直そう」

 

 何とか永夢に励ましの言葉を聞かせるが、永夢の体の崩壊が止まる気配は全くない。

 

「今は休め、永夢。安心してくれ。こんな傷、すぐに良くなる」

 

「い、良いんです、黎斗さん………僕は、もう、助かりません………」

 

 永夢の体が、どんどん崩れていく。

 

「何を言ってるんだ永夢! 諦めるな! 私にもう少し時間をくれ! 君に話したいことや、謝りたいことが山ほどあるんだぞ!!!」

 

「黎斗さん………今のあなたなら、安心して頼めます………僕の………代わりに………この世界を………お願い………しま………………」

 

「永夢!頼む………待ってくれ………」

 

さ、最後に………い、今まで起きたすべての事件は、全部、う、裏で仕組まれていたんです………………黎斗さんがバグスターウイルスを見つけたのも、それを利用しようとしたのも………バグスター連合も蛮野も、………皆や、僕の死も………皆、自分の意志で動いてると思っていたけど、本当は皆操られていたんだ……誰かが、裏で糸をひいているはずです………………それが………誰なのかは………………………………………」

 

【GAME OVER】

 

 永夢の体が、完全に消滅した。    私は、また一人になった。

 

「何故………こんなことに………こんな………こんな………!

………永夢、君の心は、私が引き継ぐ。この世界は、私が必ず復興させる………!約束する………!」

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 あれから、数か月。笑顔が消えた私を妻たちは心配しているが、やるべき事は山のようにある。休んでいる暇などない。疲労や寝不足など、回復魔法でどうにでもなる。

 今はまだ、とにかくやるべきことで頭を満たしておきたい。

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 さらに数か月後、この世界で生き残っていた人々は全員一か所に集めて簡易的な国に住まわせてある。毎日顔を合わせるたびに涙ながらに礼を言われるが、なぜか今の私にはその礼は響かなかった。

 ただ、悲しみだけが………………

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 そういえば、永夢はかつて私に行った。「誰かが、糸をひいているはずだ」と。あまり考えたくはないが、私が救った人々の中にその人物がいる可能性が大きい。

 一度調べてみるか………………

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 

「お前が………………この世界を壊した張本人か………………!」

 

「待ちくたびれたぞ。檀黎斗。いつ気が付くのかと楽しみだったよ」

 

「お前は、なぜこんなことをする!?お前は一体何なんだ!?」

 

 

 

「我は死なり あらゆる世界を 滅す者」

 

 

 

「永夢の……皆の仇は私がとる!変身!!!」

 

 

【HYPER CREATOR GOD X!!

HYPER CREATE OF ガシャット!ガッチャーン!!!

レベルアップ∞!!!!!!

創世の騎士よ! 照らせ! 太陽の如く!! 最強の創世ゲーマー!!!

HYPER 無限!!!!!! 幻夢!!!!!!】

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 

「ぐ………ッま、まさか、ここまでの力が………!」

 

「素晴らしい………………幻夢、お前と最初に戦えてよかった。おかげで知ることができた。この圧倒的な力…………私は無敵だ………!」

 

 

 

――――――――――――――――

 

――――――――

 

――――

 

――

 

 

私は、足を引きずりながらも家に向かって歩を進める。

体は粒子となり、消えかけながらも何とか歩みだけは止めない。

 

 あまりにも帰りが遅い私を心配し、玄関で待っていたアリアが私に気付いて駆け寄ってきた。

その姿を見て安心し、私はその場に倒れこんだ。アリアが私の体を揺らす。

 

「あなたっ…!大丈夫!?何があったの?………待ってて、すぐに皆を呼んでくるわ!」

 

 立ち上がって走ろうとするアリアの袖をつかみ、止める。

 

「もう………時間がない………せめて……君に………」

 

 アリアは少し迷ったようだったが、やがてその場に座り、私の手を優しく包み込んだ。

 

「………すまないアリア………君たちを置いて………先に………私が……」

 

「良いよ………良いのよ。あなたは私たちの世界を救ってくれたのだから。謝ることなんて何もないわ」

 

 …………………………結局、私は妻たちに自分がかつて犯した罪を伝えることがなかったな………

 

「アリア………最期に………………」

 

「………?」

 

「愛を………………………ありがとう」

 

【GAME OVER】




お読みいただきありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。