仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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※今回、もしくはこれからの描写で永夢に対する行動に差別てきな表現があるとお叱りを受けました。

永夢の行動は飽くまで彼個人の行動と思っていただき、実在のホームレスの皆様方にはまったくもって反映されることではないということを読者の皆様どうかご理解とご協力をお願いします。


第22話:剣帝武士VS紅蓮竜戦士

 グラファイトはどうやら単純に強い敵と戦うためだけに来たようだ。そういえば最近あいつに会っていなかったし、大人しくするのにも限界が来たのだろう。

 

「むぅ………本来であれば一度「斬り捨て御免」といったからには仕留め損ねた場合は切腹するのが武士の在り方だが………ここは今世。麤琉帝(ソルティ)も某を攻めることはあるまいて」

 

「………つまり、「受けて立つ」…ということか?」

 

「…ふっ、無論!」

 

 ………完全に二人……いや二体だけの世界にはいられたな。もう二体とも俺がいたことなんて忘れているんじゃないか?

 

「………ブレイブ、後ろの奴(・・・・)は任せたぞ」

 

 それを言われて振り返ると、そこにはあれだけ戦闘があったにもかかわらず、相変わらずケーキ屋の紅茶とロールケーキを食べ続ける、さっきカイテイのことを無視していた男がいた。

まさか………あの男もバグスターか!

 

「………あぁ、美味しかった。定員さん、お勘定………あれ、いないな………まああれだけの騒ぎ、みんな逃げるか。………さて、会うのは初めてだね。聖魔騎士ブレイブ。俺はゲーム「TADDLE FANTASY」ラスボス、勇者ディーノだ。宜しく頼む」

 

「………術式レベルHUNDRED! 変身!」

 

【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!辿る歴史!目覚める騎士!タドルレガシー!】

 

 グラファイトに助けられたなど、絶対に認めん………!

 

 

 

 

 

 

 

グラファイト視点

 

 さて………気迫、足捌き、武器、構え、呼吸、視線、脱力度合、速さ、持久力、判断力、反射力、どれをとっても超一流といえる。正直言って、体が震える。早く戦わせろ、死合(しあい)をさせろと腕が、足が叫び声をあげている。

 

「………フフ……体が嗤っているぞ、若き竜戦士よ………」

 

 直後に視界から海帝が消える…いや消えかけた。ギリギリ視界の端にとらえ、追いすがる。

 

「素晴らしい速度だな海帝!」

 

「ついてくるか! ついてくるか!グラファイト!面白い!面白い!」

 

 ………!さらに速度が上がった! 一瞬の内に消え、あまりの速度に思考が止まる。直後に背後からの無音の殺気を感じ、半ばがむしゃらにグラファイトファングを振る。

 

「反応しよるか! よい、よいぞ! グラファイト!」

 

 何とか博打に成功し、受け止めてみせる。今度は俺の番だな………

 

「紅蓮爆龍剣!」

 

 炎と斬撃が混ざり合い、一つの渦となって海帝に降り注ぐ。

 

「炎と剣の絶妙なる妙技、しかと見せてもっらったぞグラファイト!見事なり!…が、まだ太刀筋が甘い!」

 

 渦の斬撃と炎を真っ二つに切り、海帝が飛び込んでくる。

 

「………っぐお!!」

 

 正確に撃ち込まれた面打ちは、何とか受け止めた。が、俺の押し返した剣の跳ね返る力を利用し、今度は胴を狙ってくる。

一度でも剣が掠れば、こちらの負け。その事実が、いつもは死も恐れぬ精神を持つ俺の動きを初めて鈍らせた。………が、何処まで行っても俺は竜戦士。体をひねり、無理くり避ける。無理な体制になったためバランスを崩してたたらを踏む。

 

「ぬおっ!」

 

 結局転んだ。無様に、顔面から地面に体を打ち付ける。戦闘にも、死合にもあまりにも致命的すぎる無防備な背中をさらし、倒れこむ。その瞬間、死を確信する。………嗚呼、どうせ死ぬならならもう少し、もう少しだけこの素晴らしい武士との戦いを続けたかった………

 

永遠にも思えるコンマ00の時、待てども来るはずの衝撃は来ない。ゆっくりと首を回し、目を開くと、剣を下げ、その場に立ちながら俺を見つめる海帝と目が合った。

 

「……………………………キ…………………キサマ…………………………………貴様ァ!!!! 何故!!! なぜ斬らん!!!? 何故俺を斬らん!!!!? 俺への情けか!!!? それとも侮辱か!!!? 

この俺を、グラファイトを!!!! 竜戦士を、侮辱する気かァァァァ!!!!!!!!!」

 

 俺は絶叫しながら海帝を睨めつける。やがて、奴はゆっくりと口を開いた。

 

「…………背中の傷は、総じて逃げ傷なり。貴殿のような武勇に長け、未来への光あふれる者の最期を、そのような屈辱に満ちた傷で閉じさせるわけにはいかん。立つがよい。戦士も、武士も、(しのび)も、それぞれが誇りを、思いを持っている。某の思いは一つ。「名誉ある勝利と敗北を」それ以外には一つもない」

 

「………………倒れた俺への追撃は、武士の………いや、誇りを持つ者の恥と?」

 

「………左様。それは、貴殿も同じはず」

 

[最高の戦いができた。悔いはない!]

 

[正々堂々と戦い、決着はついた!なのに貴様は、神聖な戦いに泥を塗った!]

 

[ブレイブ!スナイプ!俺に敵キャラを全うさせてくれた貴様らに、心から感謝する!]

 

 …………そうだ、俺もあの時、確かに俺の望む敗北を得ようとしていた。

 

「………戦いの、誇りの啓示、感謝する………続けよう」

 

 俺はグラファイトファングを構えなおし、目をつむった。

 

「………心眼か。速度で劣り、目で追えないのであれば心の目でとな………見事なり!」

 

 心の目で、奴を見る。……………………動いた!!!

自分のすべてを信じ、グラファイトファングを振るった。お互いの剣が交差する。

 

「………何と………」

 

 海帝の剣は、俺の目の前の地面に突き刺さっている。つまり、俺があの、剣帝の剣を吹き飛ばしたのだ。

 

「某の負け、か…………」

 

「………いや、最初に俺は負けた。次に貴方に勝った。俺は、これでようやく貴方に並んだ」

 

 海帝はしばらく考えるそぶりを見せ、そしてうなずいた。

 

「そうか………ではこれは、分けということであるな?」

 

「………ああ」

 

「とするならば、今回は勝負無しとするか。また会おうぞよ。わずかの戦い、間に成長す姿、まさに竹。竜戦士よ、さらば」

 

 その言葉を残し、海帝は消えていった………




お読みいただきありがとうございました。

残念ながら今回は引き分け。二人がライバル(魂の友)となる日も、近いかもしれませんね。
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