仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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今回、もしくはこれからの描写で永夢に対する行動に差別てきな表現があるとお叱りを受けました。

永夢の行動は飽くまで彼個人の行動と思っていただき、実在のホームレスの皆様方にはまったくもって反映されることではないということを読者の皆様どうかご理解とご協力をお願いします。


第14話:永夢の行く先

「………………………………………………」

 

「嘘………嘘よ! 先生は嘘を言ってるんだわ! そうでしょう宝生先生! そうだと言ってください!」

 

 目の前にいるのは、僕に寄り縋って泣きわめくあの子のお母さんだ。僕は何も話すことができない。

 

「………申し訳ない、宝生先生、私も妻も、まだ娘の死が理解できていない。どうか、どうかもう少しだけ、私と妻に考える時間をくださいませんか」

 

「そんなはずないわ! 死に目にさえ会えなくて、体すら………こ、こんなの………!」

 

 顔を手で覆い、ついにあの子のお母さんは泣き崩れてしまった。手に持っていた袋が落ち、中のお菓子が辺りに散らばった。きっとあの子と一緒に食べるつもりだったんだろう。

 

 結局、僕はどうすることもできずに泣き続けるお母さんを介抱するお父さんを見つめることしかできなかった。

 

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……………………………………………………………

 

 

 

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………………………

 

 

 

………

 

「さあ永夢、マキシマムマイティXは直しておいたぞ」

 

 どうしても仕事に集中することができず、CRに逃げるようにして入り込むといきなり満点の笑顔の黎斗さんに出くわした。黎斗さんの腕にはすっかり元通りになったガシャットがあった。

 

「おい神、ちょっとこっち来い」

 

 気を利かせた貴利矢さんが黎斗さんを奥の方へ引きずった。

 

「お、おい何をする………………」

 

 飛彩さんも大我さんもポッピーもパラドも皆、押し黙ったまま何も言わない。いや、言えないのだろう。

 

「永夢、どうした?………そうか、あの少女のことだな。なら安心しろ永夢、何も問題はない」

 

「え……………?」

 

 そう言われ、僕は一瞬期待した。もしかすると、助ける方法があるのではないかと期待した。

 

「調べてみたが、あの少女は末期のガンだったそうじゃないか。あの時にどうこうしたにかかわらずにあの少女はいずれ死ぬ運命だったんだから、君が悔やむ必要性は全くないぞ!」

 

 恐らくその場にいた全員が「何を言ってるんだこいつは」と思っただろう。CR内の雰囲気が完全に凍り付く。

 

その直後、僕の右腕が吸い込まれるように黎斗さんの顔に近づき、その勢いのまま殴った。

 

「お、おい永夢!」

 

 倒れた黎斗の胸ぐらをつかみ上げ、もう一度殴ろうとする()を見かねたパラドが後ろから羽交い絞めにした。

 

 黎斗の顔を見ると、驚きのあまり硬直している。

 

他の皆、貴利矢さん、飛彩さん、大我さん、ポッピー、パラド、そして、俺自身。

 

……………生まれて初めて、生身で生身の相手を殴った。今まで生きてきた自分の人生の経験から考えても、決してあってはならないことだった。

 

ピシッ

 

 自分の胸で何か音がした気がした。

 

とてもじゃないがその場にいられなくなり、俺は逃げるようにして上の病院に戻った。

 

 

……………………………………………………………………………………

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

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………………………

 

 

 

………

 

 

 

 

 

「おい、お前だ、お前」

 

 病院の廊下をぼんやり歩いていると、急に横から声をかけられた。

 

「やっと気が付いたか」

 

 声のした方を振り向くと、目の前にあるのは鏡だった。壁に立てかけられた鏡には、自分自身が写っている。だが、おかしい、この鏡の中の自分はにたにたと笑っている。

 

「なぁ、よかったな。あいつが死んで」

 

 こいつは………俺は何を言ってるんだ?

 

「だってそうだろ? あいつが死んだおかげでお前は今生きてるんだ。ラッキーじゃねぇか」

 

「……………違う」

 

「嘘つけよ。じゃあ何か?お前は死にたかったとでも? 一丁前に死を悲しむつもりか?」

 

 俺は………悲しい。………悲しい、はずだ。

 

「はぁ、お前が殺しておいて何言ってんだか」

 

  何を言ってるんだ!? 殺したのは俺じゃない!

 

「お前だよ。宝生 永夢。

だってそうだろ?お前が負けそうになってて、助けるためにあいつが死んだんだぞ?

 

逆に言えば、お前がもっと強かったらあいつが命をなげうつことはなかった。

お前が弱かったから死んだんだ。お前のせいで死んだんだ

 

お前が殺したようなもんだ。お前は人殺しだ」

 

 ………………ちが、う………僕は………俺は………そんな………

 

「違わないさ」

 

「違う!!!!!!!!」

 

 叫びながら殴りつける。だが、我に返ってよく見ると僕が見つめていたそこには笑う自分の姿はおろか、その壁には鏡すらなかった。幻想だったんだ。

 

「あの………どうかしましたか?」

 

 近くにいた患者さんが訝し気に聞いてきた。

 

「あっ………いえ、何でもありません」

 

「そうですか? ならいいんですが………人殺し

 

「は!?」

 

 驚いて振り向くとその患者さんは「はい? 何ですか?」と言ってきた。

………幻聴だったのだろうか? その時少し慌てた様子の看護婦さんが俺の横を通り過ぎた。

………その時

 

 

「人殺し」

 

 また聞こえた気がした。俺は恐怖にかられ、頭を掻きむしりながら走り出した。知れでもあの声はやまない。

 

人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し人殺し人殺し 人殺し

 

 

 

 

 

 

どこへ行こうとも、何をしようともその声は消えなかった。やがて、俺にはその声が優しい子守歌に聞こえ始め、大きな声で笑い始めた。ライダーガシャットを落とし、ゲーマドライバーを投げ、白衣を脱いで、走り出す。

 

病院を出て、何処までも………どこまでも………

 

こうして俺は、浮浪者になった。




途中であった擬音は、物にひびが入った音です。

永夢の心の、水晶の………
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