仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
永夢の行動は飽くまで彼個人の行動と思っていただき、実在のホームレスの皆様方にはまったくもって反映されることではないということを読者の皆様どうかご理解とご協力をお願いします。
ポッピー視点
………永夢がいなくなって、一か月が過ぎた。CRの雰囲気は最悪で、特に黎斗と他の皆の仲がひどいことになってる。黎斗は自分がどれだけのことを言ったか分かってないみたいで、全然謝ろうとしない。
飛彩はいつもよりも多くいろいろなところから仕事を探しては、それに漬かり続けてる。
まるで何かしていないとどうにかなってしまいそうで、それで仕事を増やして誤魔化している感じがする。
貴利矢は暇さえあればいつもいろいろな場所を探し回っては何も見つからないで不機嫌になりながら帰ってくる。時折ため息をついて椅子に腰かけたと思ったら何か思いついたように立ち上がり、また寂しそうな顔になって椅子に座り直してを繰り返している。
ニコちゃんも色々調べてはみてくれているみたいだけど何も手掛かりはないみたい。
………あれからバグスター連合は出てこない。みんなが言うにはあらかたの幹部がやられて、一時作戦を練っている可能性が高いらしい。
ぶらぶら廊下を歩いていると、向こうからすごい勢いで飛彩が走ってきた。
久しぶりに見る飛彩は少しやつれていて、黄ばんだ白衣、伸び放題の髭、ぐちゃぐちゃのネクタイ、真っ赤な瞳と、一瞬誰だか分らなかった。
「飛彩、どうしたの?」
「親父に話がある………それだけだ…!」
それだけ言ってまた走り出す。急いで追いかけるけど、どんどん離される。ついに見失っちゃった。
しばらくその場で考えて、多分院長室だろうと当たりをつけた。小走りで行ってみると………
「………………」
無言で扉を殴りつけ、飛ぶように飛彩が飛び出してきた。私には目を合わせず、髪を掻きむしって向こうへ行ってしまった。
「あ、あの………?」
恐る恐る扉を開けて院長室に入ると、疲れ切った眼をして椅子に腰かける院長と目が合った。
「飛彩と………何かあったんですか………?」
嫌そうな顔で眉をひそめ、ぶっきらぼうに院長は床に散らばる書類の一枚を指さした。
拾い上げて、読んでみる………………! 嘘………これって………!
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聖都大学附属病院及び電脳救命センターCR勤務小児科医師兼仮面ライダーエグゼイド
宝生 永夢は、両者の勤務を継続的に二週間以上無断欠勤し、結成された懲罰委員会を欠席。
その後、登録している住宅マンションに帰宅せず、警察の捜索虚しく現在行方不明。
聖都大学附属病院医院長鏡 灰馬はこの事態を重く受け止め、
聖都大学附属病院のゲーマドライバー、ライダーガシャット、並びに小児科医師免許証を剥奪し、
聖都大学附属病院から解雇することの了承を衛生省の衛生大臣官房審議官に申請する。
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………こんな………嘘………!
「院長! どういうことですか! これ!」
「………………飛彩にも、同じことを言われたよ。
………私だって辛い。彼の努力は、わたしもよく理解しているつもりだ………
だが、もう私個人の意見や権限ではどうすることもできないんだ………」
院長は目を伏せ、大きく一つ息を吐いた。
「………もう一か月になる。一か月だ。彼が、誰よりも職務に忠実でまじめだった彼が、一か月………
もう………もう待つことはできない」
「そ、そんな………」
「もう私の方から審議官には送った。そこにあるのはそのコピーだ」
永夢………
私はどうすることもできず、ただ茫然と窓の外、自
分の見ている方角にあるいはいるかもしれない永夢の姿を探していた………
お読みいただきありがとうございました。
実際にとなるともっと面倒だったり長かったりしますが、
まあそこはご容赦ください。
※現在絶望しきって「これもうバットエンドやん………」
と思っている皆様へ、タグを見てください。ちゃあんと「ハッピーエンド」とあります。
それにもし納得いかないのなら、「第13~何話?・天を掴んだその後に」をご覧ください。