仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
「心肺停止で血圧も脈も計れません!………こんな状態でオペをするんですか!?」
「慌てるな………必ず助ける。緊急オペだ。人工心肺装置を用意しろ」
周りの医師や看護師たちが息をのむ。
「さしあたって肺の穴をふさぐため胸を開く開胸手術と、心臓の枝を除去して心臓の穴をふさぐ二つを並列して二か所同時にやる。準備を急げ!」
「「「「は、はい!!」」」」
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「人工心肺………正常に作動しました。
「術式開始………先ずは開胸手術からだ………最優先、「心臓の枝の処置」胸腔を開き、心臓が露出したところで心臓に刺さった枝を除去する………メスを」
「はい」
差し出されたメスを握る俺の指が心なしか震えている。………かつて自分がやる手術でここまでの緊張があっただろうか?いや、無かった。
………多分これは、俺の生涯で一番難しい手術になるだろう………
「………五―五の肋骨を切除………」
「鉗子………いや、第二鉗子を………」
ここまで重要な手術、少しでも手元が狂えばもう一貫の終わりなのに、俺の指の震えは止まらない。
「心嚢を開くぞ……………!!!」
露出した心臓を見て、俺は愕然とした。
枝が予想を超えて心臓に食い込んでいる。左心房に突き刺さり、裏側の大動脈弁まで貫いている。
………この心臓は、もう使い物にならない………
「か、鏡先生………どうします?」
「………人工心臓をはめる。心臓切除だ。引き続き人工心肺装置を継続………
人工心臓が届くまで心嚢は一旦保留。肺はどうなっている?」
「肋骨を切除し、裂け目はふさがりました。次はどうします?」
「………頚髄の手術からだ………椎弓形成術場合によっては硬膜切開術をやる………傷ついた内臓を切除し、移植する………肝臓、膵臓、腎臓………3つだ。
それと大動脈輸血を………1000VL/1STだ。ビタミンK1を」
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「す、すごい………移植を三ついっぺんにやってしまった………!」
「鏡先生! 人工心臓が届きました!」
「来たか………!」
ひったくるようにケースを受け取り、開く。これで命の危険はなくなる………!
「これより心臓を切除し、人工心臓を移植する」
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「すごい………!凄すぎる………!全てやり遂げてしまった!」
「…………………………ふぅ………………」
「さあ鏡先生、後は我々に任せてお休みを。もう手術室に入って42時間になります」
ふらふらになりながら、何とかなったことへの満足感が押し寄せてくる………良かった………
「さあ、後は我々の仕事だ。軟部挙上器を使おう。ノコギリで患者の両腕と両足を切るぞ」
手術室から出ようとしていた俺の足が、急に石のように固まった。
俺は………俺は………………!
「………………………待て!!」
「はい?」
「………これより両腕と両足の整復作業に入る!」
「えぇっ!!?」
戻り、永夢の前へ歩を進める。俺は、何とかこいつを助けたい!
「これは
急に俺の前に他の医師たちが立ちふさがった。
「………? 何だ?」
「鏡先生………やはり先生は今、同僚さんの治療で気が動転しています。整復は不可能とお伝えしたはずです」
「だ、だが………あるいは………!」
「早急に腕を切除しないと、壊死が進んで命にかかわります!
患者の命を賭けるとは、医者として許せません! おい、鏡先生を外へお連れしろ」
いつの間にか背後に回っていた二人が俺の腕をつかむ。そのまま引きずるようにして俺の体が手術室の扉へと向かう。永夢の姿が、どんどん遠くなる………
「くっ………! 放せ…! 放せ……!」
「病は気から」という言葉があります。
大抵心意気の問題で治る速度は変動しますが、もしも
「生き返る気のない人」である永夢は………?