仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
「放せ!!!」
腕をつかむ二人を振りほどき、吠える。
「お前たちは………ここにいる全員は賭けてはいないのか!?
お前たちはいつでも患者が必ず、100%治ると保証して治療しているのか!?
そんな保証ができるものは神しかいない!
………俺は………我々は神じゃない! 人間なんだ!!!
人間が人間を治すなら………賭けるしかないだろう………?
俺は、こいつの両腕を、足を、元通りに直してやりたい。
………他ならぬ、こいつ自身の未来のためにも………!」
周りを見回す。今度はだれも俺を外へ連れ出そうとする者はいなかった。
「………輸血を続けてくれ。両腕、両足の接合整復術を行う」
「………鏡先生、壊死まであと2時間ほどしかありません。それ以上時間が過ぎれば、例えくっつけても無駄になってしまいます。一箇所にかけられる時間は、30分………やはり無理です………」
「落ち着け! なぜ弱音を吐くんだ!」
叫んだ自分自身、一番よく理解している。後2時間以内に4箇所は………不可能だ。
「………! しまった! 上腕動脈に傷が………! 輸血をもっとだ!」
「鏡先生! 血圧がどんどん下がってます!」
「ショックが起こったようです! チアノーゼの症状が強くなってきました……!」
「………く! 酸素吸入を急げ!」
「手術はどうします…?」
「続行する! 一刻を争うんだ………!」
「昇圧剤を使いますか?」
「ダメだっ!!」
………………………くそっ………………………
……………………………くそ…………………………
せめて、俺があともう一人いれば……………!?
「我々も、力を貸そう」
不意に手術室の扉が開き、誰かが2人入ってくる。
「親父………! それに、白河先生………!(本名・白河一樹:エグゼイド本編13話に外科の名医として登場。永夢と飛彩に助けられたことがある)ど、どうして?」
「いや何、ゲーム病を治してくれた永夢と、すい臓癌を治してくれた君、二人まとめてお礼ができるなんて、そうそうないだろう?」
「飛彩、わたしも昔はそこそこ優秀だったんだぞ?」
「…………………あ………ありがとうございます………!」
「さあ、手術を続けようか………………」
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………
…
次の日、俺の目の前には、ベットの上で眠り続ける小児科医の姿があった。
「手術は無事に終わった。だが、まだこいつの意識が戻らない………」
「まあ、助かってよかった、としか言えねえなやるじゃん、大先生」
目の前にいる監察医が俺を茶化す。軽くあしらって、俺は小児科医のいる病室から廊下へ出た。
待っているぞ………永夢。
永夢視点
若奈ちゃんと二人きりで、どれくらいの時間がたっただろう?
いや、そんなことはどうでもいい。今は、若奈ちゃんが僕の目の前にいる。それだけで十分だ。
「若奈ちゃん、次は何して遊ぼうか?………ん?」
ふと後ろを見ると、飛彩さんが立っていた。僕の腕をむんずとつかみ、ひきずっていく。
「ちょ…ちょっと! 飛彩さん!?」
何するんだ!? 若奈ちゃんから離れちゃうじゃないか!
「放してください………放せ! 放せよ!」
いつの間にかパセリの花畑を出て、川を渡っている。このままでは僕は
「やめろ! 放せ! 畜生! 若奈ちゃん!!!!」
飛彩の腕の力は強く、振りほどけない。
…………………畜生
……………………………………………………………………畜生
畜生…!!!!!!!!
許さねぇ………! 許さねぇぞ………………!!
殺して、やる………!
鏡飛彩!!!!!!!!!!!!!!!!
徐々に迫りくるラスボスの影、堕ちて行く永夢。
「病は気から」という言葉があります。
大抵心意気の問題で治る速度は変動しますが、もしも
「生き返る気のない人」である永夢は………?