仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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第8話:ガルーダとの決着

貴利矢視点

 

 多分このガシャットはタドル系としか共闘できなかったんだろう。信じられないくらいの速度が出て、彼方に消えていたガルーダにもう追いついた。

 

「速ェなァおい!!!」

 

「生憎負けられないんでな!!!」

 

「………いいぜェ………「爆走バイク」の醍醐味、見せてやるぜェ………!」

 

 どこから出したのか、ガルーダはショットガンを片手で構え、こっちへ照準を合わせた。

 

「………………!」

 

 多分飛彩のシールドではじけると思う………はじける、よな?

 

「………………やァめた。やめとこ」

 

 ガルーダは銃を投げ捨た。前に向き直り、一度ハンドルを強く握った。

 

「………なんで、撃たない………?」

 

 爆走バイクは、何でもありのゲーム、追突、爆弾、銃、何でもあり。なのに………

 

「………へッ…道具なんか使わねぇでよォ………おいらが認めた男と一度、純粋な速度だけのレースをやってみたくなってなァ。ライバルだぜ………今まで、おいらに追いついた奴なんざいなかった………だから………余計な、余計………ワクワクすんだよォ!!!!!!」

 

 目の前のガルーダは本当に、心から嬉しそうな喜声をあげた。

 

「………来な、レーザー、それにブレイブ、世界最速、決めようぜ………!」

 

「………悪いな………」

 

「あン? 何が?」

 

「いや………ほら………そっちは一人なのに………俺たちは二人だしさ………」

 

 そうなのだ。実質これは、一対二。正々堂々とは程遠い、セコイ戦い。

 

「………へッ………気にすんなよォ!!!

おいらだって二人分だぜ!!!! おいらと、この相棒(バイク)、イダティーンで最強タッグよォ!!!!!こっちこそすまねェなァ! 即席コンビには荷が重いかァ!?」

 

「………! 上等だぜ! 絶対負かす!!!」

 

 ………本当は、分かってる。今のは俺たちへの気使いだって、負い目を感じさせないように、わざと………

 

「あんた………最ッ高のレーサーだな………マジで………」

 

「へっ、チッチッチッ………最ッ速………だぜ………?」

 

「はっ………減らねぇな………その口………」

 

「当たぼうよォ、元々一つしかねぇのに、さらに減ったら大変だぜェ………なァ?」

 

「そういう意味じゃねえっつうの………」

 

 ………ヤバイ………楽しい。このままこいつとずっと走っていたい………でも、いつどんな時でも、いずれは終わりがいつも来る。

 

「ありえねェほどの高速出してるしなァ………このまま行きゃあ、あと一分でゴールだ………」

 

「なら、ここから本気か?」

 

「あァ………いーくーぜーェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」

 

 信じられないくらいの速度が出ている。みるみる離され、ガルーダが遠くなっていく。

 

「おおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

 

 俺も可能な限り速度を吊り上げる。やばい、足がもげそうだ………でも行く!!!!!!!

 

 

 

 

ほとんど同時に、俺とガルーダはゴールした。………と思う。

 

「さァ………結果は………?」

 

 どうなった………? 流石にここでペナルティはきつい………

 

[結果報告:選手A・ガルーダ、23.01秒]

 

「………おォ、自己ベスト超えた」

 

 頼む………やべぇ………手が震えてきた………いや、前足か………

 

[続いて選手B・レーザー&スナイプ、23.01秒]

 

 ………………!

 

「…ありゃ………同時かァ?」

 

「引き………分け………だな………」

 

 ………この後は、第二試合、レース後の格闘で終わりだ。

 

「………おいらはよォ………引き分けたの………生まれて初めてだぜ………」

 

 ………だろうな………だからこその、「迅速屋」世界最速を、見る者達全てに届けるもの………

 

「おいらは………尊敬するぜ、レーザー、おめぇさんをよ………

だか………ダラダラとシバキ合いたいとは思わねぇ………だからよォ………

一発で、決着付けようぜ………今度は武器も魔法も何でもありだ。

お互い距離を取り、正面から各々の最高速でぶつかり合う。いいか?」

 

「………分かった」

 

 ………これが、最後の勝負………これで、決着がつく。

 

「よし、じゃあおいらが離れるぜ」

 

 ギリギリ見えるか見えないかの距離までガルーダは離れた。

 

「………行くぜ、ガルーダさん(・・・・・・)

 

 俺も、あんたを尊敬するよ………本気で、

 

走り出し、限界まで速度を吊り上げる。ガルーダは銃を持ち、撃ってくる。

一発………二発………

横に飛んで的確に避ける。

やがて、ガルーダは銃を捨て、前輪から刃を出した。ウィーリーをしながら突っ込んでくる。

 

「………今だ! 飛彩!!!」

 

「おう!!!!」

 

 飛彩が剣を氷結モードにし、地面へ振った。みるみる地面が凍り、うっすらと氷の膜ができた。

 

「おわァ!!!!!?」

 

 氷の地面をウィーリーで走れるわけがない。ガルーダは落車し、派手に吹っ飛んだ。

 

何でもありの、この勝負、どんな手を使ってでも、俺は勝つ。それがあんたの()にもかなうはず………

 

【暴速 CRITICAL CRASH!】

 

 その場で反転し、決め技の後ろ飛び蹴りを思いきり叩き込む。

 

車の衝突事故みたいにガルーダは吹き飛び、何度かバウンドして止まった。

 

……………………………………………………………………………………

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

 

………………………

 

 

 

 

………

 

「あーー、負けた………」

 

 ………目の前のガルーダは虫の息だ。放っておいても、多分死ぬ。

 

だけど………最後に………

 

「あのさぁ………生まれ変わったら、俺とまたツーリングしようぜ?」

 

「ハッ………いいねェ………りょーかい。

おいらの………俺の完敗だぜ。最高のレースを、有難うな………」

 

「………ああ………さよなら、迅速屋さん」

 

「へッ………それは、もうおめぇさんの名だぜ………?

それとな………あのリンゴ、お目さんと会ったところに置いてきた。よかったら食え」

 

 消えゆく誇り高きレーサーに、俺は一つ礼をした。

 

 

俺は………できればいつか、あんたみたいな奴になりてぇよ………

 

「貴利矢ー! 黎斗を見なかった!?」

 

 後ろからポッピーが走ってきた。どうやら神(笑)はまだ帰っていないらしい。

 

仕方ねぇ、探すか………!

 

ガルーダがいた場所には、動きを止めた爆弾が一つだけ。白衣のポケットにぶち込み、歩き出す。

 

 

 

ベイオウルフ視点

 

「ガルーダ………今まで有難う、さらばだ………いや、我らしくないな………」

 

 いま、我はCRに一人いる。目の前の棚を開き、ケースを一つ取り出した。

中に入っているのは、全てプロトガシャット。

 

「これで………………………」




お読みいただきありがとうございました。

バグスター連合は皆、いつも正々堂々と戦っています。

勘のいい皆様なら、彼らがどのような存在か、そろそろ見えてきたものと思います。
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