仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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ついに永夢の目が覚めました………ですが………?


第9話:目覚めたM

永夢視点

 

「ん………………」

 

 ()はゆっくりと目を開く。よく見たことのある天井が目に入った。

病室に入ってきた看護婦がお盆を取り落とし、廊下へ飛び出していった。

 

「んぅ………ぐッ!!!!」

 

 起き上がろうとすると全身に痛みが走った。痛む腕を無理やり動かし、掛けられている布団をはぐ。

 

「おわ………………一体…何が?」

 

 ………首を吊っただけだったはずだが………えらい怪我だなオイ。

 

そうこうしているうちに、けたたましい音と共にドアが開いて何人か入ってきた。

 

「永夢!」

 

「小児科医!」

 

「永夢!」

 

「永夢ゥ!」

 

「永夢!」

 

 上からポッピー、飛彩、貴利矢、黎斗、パラドだ。

 

「………俺の手術は、誰が………?」

 

「それはね、飛彩や…」

 

 そこまで聞ければ、もう十分だ。ベッドから跳ね起き、飛彩を殴りつける。

 

「ぐッ…!!!」

 

「手前! なんで俺を助けた!?」

 

 倒れたところに馬乗りになり、もう一発殴ろうとしたが他の面子に止められた。

 

「やめろ! 永夢!!」

 

「落ち着け! どうしたんだ!?」

 

「お前が俺を治さなきゃ………俺は死ねたのに………!!!」

 

 なおも噛みつこうとしていると、飛彩の鉄拳が俺の顔面に突き刺さった。

 

「ごはッ…!」

 

 羽交い絞めにしていた他の奴らごと後ろに倒れこんだ。

 

「……………へッ………怪我人を殴るとは、大した天才外科医様だな?」

 

「主治医を殴るとは、大した患者だな?」

 

 飛彩は俺の胸ぐらをつかみ、無理やり俺を立たせた。

 

唸りをあげた飛彩の拳が、俺の顎を正確にとらえた。脳が揺れて、近くの壁にもたれかかる。

 

「………お前は………医者だろう? お前が人の命を救うんだろう?

………………………………どうして、自分で自分を殺すんだ!!!!!!!!!」

 

 不意に出た、その言葉、きっとこいつは、ただ思った言葉を吐いただけだろう。だが、その言葉は、俺の心にさあっと黒い影を生んだ。

 

「………………でてけ………全員、出ていけ!!!!!」

 

 俺は飛彩の顔を見きれなかった。ただ顔をそらし、叫ぶのみ。

 

「もう、いい………………」

 

 それは、今まで自分の人生で聞いた声のなかで、最も悲痛な、悲しい声だった。

それだけ言って、飛彩は病室を後にした。

 

他の奴らも、一人、また一人と病室から出ていき、とうとう誰もいなくなった。

 

……………………………………………………………………………………

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

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………………………

 

 

 

………

 

 

「永夢さん? 入りますよー?」

 

 看護婦が、病室に入ってくる。だが、その病室の中には、宝生 永夢の姿は、何処にもなかった。

 

そこにはただ、開け放たれた窓から入る太陽の光と、カーテンを浮き上がらせる風だけ………




お読みいただきありがとうございました。
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