仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
副題、「M OF THE NEXT STAGE」
永夢視点
目が覚めた僕は、歩き出す。病院へ、CRへ向かって………
「来たな、永夢」
病院の入り口前。パラドが立っていた。
「昨日からずっと立ってたのかい?」
「ああ。約束だからな」
「………ありがとう。パラド」
「ああ、お帰り………永夢」
パラドと拳を合わせて、病院へ入る。CRへ向かって………
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「院長先生、ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした!!」
「宝生君、無断欠勤は重罪だ。分かっているね」
「………はい………」
「少し前に、審議官に君の解雇申請書を出した」
「………!」
予想はしていたけど………やっぱり………
「だが、まだあの書類に調印はされていない。後は審議官がうまくやってくれるだろう」
「え~~~~~~! 院長、どういうこと!?」
横からポッピーが飛び込んできた。
「だから言っただろう? 「私個人の意見や権限ではどうすることもできない」と。私は審議官と口裏を合わせただけだ。………内緒にしてね………?」
「院長、凄い!!!」
「さ、宝生君、君にはまだまだここで働いてもらうよ!」
………胸が熱くなって、涙がこぼれそうになる。だけど………まだ………
「あの………飛彩さん………」
「………なんだ?」
「その………本ッ当にすいませんでした!!! ごめんなさい!!!!!!」
「………………もう、いい………………」
今度の言葉は、なんだか少し暖かいような気がした。
「フン、せいぜい働け、小児科医」
「飛彩さん………ありがとう、ございます………」
………僕は、幸せ者だ。本当に、そう思う。
「………さぁ永夢、白衣とガシャット、それにゲーマドライバーだ」
貴利矢さんが僕に渡すが、僕は一瞬ためらった。そして………
「すいません、僕ちょっと行くところが………」
確か、あの子の両親に伝えたあの日、僕は聞いていたはずだ。
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「久しぶり、若奈ちゃん………」
僕は今、あの子のお墓の前にいる。
「若奈ちゃん………ごめんね、僕が弱かったから、君が………」
今でも思い出す。僕が足りなかったから………
「若奈ちゃん、今の僕や、医学じゃ君を助けることはできないんだ。だけど………」
でも、もう僕は、あの日とは違う。
「………若奈ちゃん、いつか僕は、君に追いつくよ。
いつの日か、君を助けて、治して見せる………………
だから………だから、ここで待っていてくれないかな?
その日が来るまで、君にこれを預かっていてほしいんだ」
墓石に白衣を丸め、置く。
「いつか………また………」
………きっと、僕の人生は、今が第一話。
これまで、辛いこと、悲しいことがたくさんあった。
それは、きっとこれからも続くだろう………
いや、もしかすると、もっと酷いが起こるかもしれない。
ふと思うことがある。
日々を過ごし、自分は毎日に満足しているのかと?
毎日、自分が目指すことに向かって、やるべきことをやり楽しいと思えることで、自分の欲求を満たしている。
それはすべて未来につながって………その未来って何だろう?
人が死に、その意識が途絶えたらあるいは何の意味もないのでは?
生きているときに望んだことが満たされていても、死んだらすべてが無意味になるんじゃ………?
でも、一生懸命、生きていこう。僕は、それでも日々を過ごす
あの子が救ってくれたこの命には、きっと大きな意味があるから。あの子の命にも、意味があるはずだから。
その意味に向かって、歩いていく。走るのは早くていいだろう、でも、時にはゆっくり歩いても周りがよく見えるんじゃないだろうか? 立ち止まって、振り返ってみてもいいかもしれない。
その場に立ち、両手を合わせて礼をする。
今はもう会えない彼女に、僕は一人、
「じゃあ、またね、若奈ちゃん」
振り向いて、歩き出す。
不意に風が吹いて、木の葉を揺らす。
風の中、お墓の前に僕の白衣を胸に抱いて手を振る少女がいるような気がした。
お読みいただきありがとうございました。
ここからハッピーエンドに向けて、永夢は走っていくでしょう………
まだ永夢は、白衣を着ることはありません。
でも、いつかまた………