仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
………あの日から、大体二週間ほどたった。今はすっかり口調も変わり、俺の体も結構大きくなってきたと思う。
………問題はこれだ。
「………この廃マンション、人がいないはずなのに何か話し声が聞こえたりするんだよねぇ。やんちゃなガキとも思っていたけど、近所の誰もここに出る奴や入る奴を見てないっていうし、変な話だよなぁ」
「………でも、確かに結構ここ雰囲気あるよな。なんか出そうだぜ」
………そう今壁を挟んで向こうにいるのは、エリーゼさんが言っていたいるはずのない生物、人間だ。
「………まさか………本当にいたのか? どうなってんだ?」
そっと壁に空いた穴を覗く………姿は結構似てるな。っていうか同じだ。
「………お、おい、誰かに見られてる気がしねぇか?」
「お、おれも………行こうぜ?」
あ………行っちまった………
まさか、本当にいるとはな………なら、よく外に落ちてた「新聞」とかいう文書に書いてあるのは全部本当のことだったのか!
[ついに終幕! 仮面ライダークロニクル]
[バグスターウイルス専門医宝生永夢さん、感動の会見]
[奇跡の研修医、宝生永夢さんは語る]
[一年にわたる命がけの治療・宝生永夢に密着!]
[永夢研修医の会見、遺族より感涙続出]
[奇跡の小児科研修医、異例の経歴!?
幼少時→事故にあい、同夜に父も失う
学生時→伝説化しているゲーマーMとして活躍
受験時→急に医師を志し、見事現役合格
近時→研修期間始まってすぐにゲーム病と対決
バグスターウイルス専門医として会見]
………じゃあ、今まで俺たち以外のバグスターが人間と戦争してた?
「………マジか………」
とにかく、他の奴らにも話してみよう………
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………
「ってわけで、本当に見たんだよ。人間。マジで」
「………にわかには信じられんな。…だが、嘘を言ってるとは思えんし………」
やっぱりカイも信じらんねぇか………ってかこいつ最近老けたな。
「おい、麤琉、貴様、今何か無礼なことを考えていないか?」
やべぇ………最近勘よくなったな………
「まあともかく、ホントに見たんだって!!!」
誰でも夢に見るものがある。
ドラゴンの背に乗って冒険すること。
誰も見たことがない伝説の武器を手に入れること。
妖精と花畑で遊ぶこと。
白馬の王子様とやらに助けられること。
自分の背中に翼が生えて、自由に空を飛ぶこと。
俺にとっての夢は、人間と仲良く生きることだ。
カイ=海帝