仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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0-9話:夢のかけら

「皆! 俺たちラスボス系のバグスターが、必ず平和な未来を手に入れて見せる!」

 

 ラスボスバグスターが全員集まり、もう一度皆の前で戦いをすることを宣言した。

 

一つ、また一つと拍手が広まり、ついには声援になった。

 

戦う力のないソシャゲバグスター(一般市民)を守るため、戦えるラスボスバグスター(仮面ライダー)が立ち上がる。やることは醜い争いだが、これでいい。

 

……………………………………………………………………………………

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

………………………

 

 

 

………

 

 その後、いったん解散して、作戦を練ることになった。

 

その時に、不意にパラドに呼び出された。

 

「どうしたんだ? パラド」

 

「来たか、ソル」

 

 実際、パラドに呼び出されたのは初めてだ。何かあったんだろうか?

 

「ラスボスバグスターの統括だけどな………

 

リーダー、お前がやってくれ」

 

「………は?」

 

「だから、リーダーはお前が頼む。お前が皆を引っ張るんだ」

 

 ………いやいや、意味が分からない。なんでだ?

 

「なんで俺なんだ!? パラド、お前は俺よりもずっと強い(・・・・・・・・・)し、いつも皆を守って、皆をまとめて………! 何でお前じゃなくて俺なんだ!?」

 

「………………………………………………………………………………………………

まあ、俺は原罪の象徴(・・・・・)だからな。俺の名前、フルで言えるか?」

 

 何言ってんだ? そんなもの………………!

 

「パラドクス………β()?」

 

「………そうだ。俺の名前には、βが入る。だから、いるんだよ。俺はもう一人

 

そいつの名前は、パラドクス。そいつが元々先の戦争でバグスターが世界を支配するっていう陰謀を企てた張本人で、すでにそいつは何人かの命を奪って………いや、あの時(・・・)はまだ一人だったから、正確には俺もか。だから、俺はリーダーにはなれない。なる資格なんてない。だからお前だ」

 

「………で、でも! でも俺も! 俺も間違えた! 俺にも罪は___」

 

 何とか反論しようとしたが、パラド………いや、パラドβは首を少し振った。

 

「俺がいなけりゃ、ああはなってねぇ。それに、俺がああしなけりゃ、まだ人間との共存に可能性はあった。潰したのは、俺だ。お前じゃない。お前はその被害者だ」

 

「でも………! 俺には、できない………!」

 

「大丈夫、大丈夫だ。一度間違えたなら、二度はへまはしねぇ。間違なかったり、失敗しない奴が強いんじゃねぇ。間違えたり、失敗して自分を正せる奴が強くなっていくんだ。

前者はただのたまたまうまくいけた奴だ。本当の強さじゃない

……………………………俺は、お前らとは一緒に戦えない。俺は一人で、でもお前らと共通の到達点をめざすよ。皆を、仲間たちを、頼んだぞ」

 

 そう言うと、パラドは優しく笑った。悲し気に、力なく、はにかむように………

 

「俺、で………いいのか?」

 

「お前以外にいねぇよ。

 

海帝は頭かてぇし、

キッドは馬鹿じゃん?

マオは伸びしろもあるしやる気になれば強いけど小心者だし。

お前以外は全員アウト。失格だ」

 

「パラド………!」

 

 ………泣いたのは生まれて初めて、だと思う。止めどなく、後から後から止まらない。

 

「パラドβ(ベータ)じゃ言いにくいしな。今後俺のことはObi(オビ)パラドクス、Obiって呼んでくれ」

 

「ぐすっ………なんだよ、それ………」

 

「確かなぁ………何かの本を読んだとき、たまたま見つけたんだよ。どっかの国の言葉で、「心」って意味だ………っへ、あいつと俺は服も一緒だし、変えねぇとなぁ。同じだったら敵味方が混乱しちまう。白いスーツってのも悪かねぇな」

 

「………分かった。任せてくれ、Obi。俺が必ず、バグスターの未来を切り開いて、あの日の過去に決着をつける。約束だ」

 

「ああ。約束だ。守れよ?」

 

 そのまま、俺はObiと別れた。

 

   Obiパラドクス視点

 

「………さーて、こっから忙しくなるなーと」

 

 ………もう一人の俺と、俺の心はつながってる。だから、向こうが俺の存在に気づいていないのもわかる。あいも変わらず、人間への贖罪しか考えてねぇみてぇだな。さらっと裏切った他のバグスター連中のこと忘れてんじゃねぇだろうな?

 

「パラドクス、俺はお前、お前は俺だ………………

だけど、俺とお前は違う。俺はバグスターなんだ。生涯最期の瞬間までバグスターの味方だ。

当り前だ。人間は人間の味方を、サルはサルの仲間を、バグスターはバグスターを支えればいい。

俺はバグスターの仮面ライダー(・・・・・・・・・・・・)バグスターのための仮面ライダー(・・・・・・・・・・・・・・・)バグスターを守る仮面ライダー(・・・・・・・・・・・・・)だ。全バグスターを裏切ったお前に、お前なんぞに俺が負けるか。勝つのは、俺たちだ」




 実はバグスター連合で最強は、エリーゼでもハイパー無敵ソルティでもなく、Obiパラドクスだったりします。
勝つことにすべてを捧げ、全体の勝利のために数人の仲間の命の犠牲もいとわず、自身の犠牲も必要ならば良しとする姿は、ゲームの結果にすべてを捧げたゲーマーそのものですね。
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