仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
第4部の開始です。
どちらにも守るべきものがあり、どちらにも譲れないものがある。
困ったものですね。
ですが、どちらが勝つのか、もう決まってます。
そりゃあもちろん………………
第!話:並ビ立テナイ2ツ゚ノ正義
永夢視点
………ま、まさか………そんなことがあったなんて………
「どうして………それを今になって………?」
「………それは、別にあなたと我々は特別親しい間柄ではなかったからです」
「でも! それ以前に、その事情を知っていれば、僕も、CRの皆も!
君たちと戦うことなんてなかった! 一緒に暮らす努力ができたはずじゃないか!」
僕がそう言うと、彼は、ハイパー無敵ソルティは静かに嘆息した。
「例えそれを話したところで、例え貴方に理解が得られたとて、結果は変わらなかったと思いますよ? 世界に溢れる人間は70億ほど………たかがあなたを含めるCRのメンバーが10人程度。残りの約70億の人間は納得しないと思いませんか?」
「だ、だけど………!」
言葉が、続かない………分かってる。彼の言うとうりだと。
「それに、先のバグスター達は人間を何名か殺害しています。その遺族も、黙っていないでしょう。そしてその遺族が、涙ながらにテレビやインターネットで騒げば、情報は無責任に拡散される………そしてその情報だけ見て、全部知った気になった大馬鹿どもが叫ぶんだ………「人間を襲う恐怖の怪物、バグスター、死者多数。バグスターをこの世から駆逐しろ」とね………
ふざけてると思いませんか?
その道理が通るなら、アメリカ人に家族を殺されれば日本人はアメリカ人を皆殺しにしていいということになる。大したものです。この世界。 それがまるで正義のようになるんだから」
分かってる。彼がこうして苦しんでるのは………彼らが人間じゃなかったからだ。
人ならば、原因をつぶして終わりだけど、彼らはそうはならなかったんだ。だから、
きっと………彼は諦めてしまったんだ。
「キッドが死ぬ間際に言っていた言葉、今ならわかるよ………
君は、他のバグスターとは違う。
初めはベイオウルフは打倒勇者だった。
ガルーダはモータスの仇っていう自分の怒りのぶつける相手。
キッドはポッピーの幸せを望んで、それはすなわち自分の幸せ。
君だけが、他と違う………君は、誰かのために戦うことしかできなかったんだね」
皆、自分がやりたいことだらけだった。だけど、彼は最初から、自分の思いを封じて、誰かのたしになることばかりを………
「永夢さん、貴方に問います。人間は我々の命の価値を決めました。
では、
人間と、それ以外の命の価値は、一体、誰が………?
一体、医者として、多くの命を救うあなたなら、あるいは答えが………」
僕は、何と………………?
「………………………分からない。
多分、本当は命に価値なんてないと思う。
でも低すぎるはずはない。ただ、価値と呼ぶものなんかじゃないと思う。
当り前に長生きできる人たちが、勝手に高いって言ってるだけで、
きっと人殺しなんて日常茶飯事の場所なら、多分皆低いって言うと思う。
裕福な人は、きっと貧相な人は生きる価値がないと思ってる。
殺人者は、死刑にしていい。
場所と、環境によって見方、目方が変わる。
全ては、各々の自己基準。
それぞれが、他人の命を決める。
勝手に。
多分、それが………命。
それが、今の僕が考える、世界全ての価値観だ
そして、僕にとっては、全ての命が尊いものだ」
「なるほど………………私もその答えにたどり着きました」
そう言って、ハイパー無敵ソルティは儚げに笑った。