仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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ベイオウルフにも死期が近づいてきました。

私的にはベイオウルフに勝ってほしいものです。


第15話:英雄王ベオウルフ

「TWAAAAAKZWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOWN!!!!!!!!!!!!!!」

 

 まだ誰もプロトゲムデウスにダメージらしいダメージを与えていないというのに、プロトゲムデウスは満身創痍の状態だ。よく見ると背中の羽が溶け、角も無くなっている。

 

「KWHAAAAAAANYWEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 大量の吐瀉物を吐きながらレーザーに乗る俺へ突進してきた。

 

「くっ………退くぞ!」

 

「おう!!」

 

 その場でUターンして走り出す。ふとレーザーの首元を見るとバイクだったころの名残なのか速度メータ―がついていた。何気なしに見てみると………[480km]何だ、思ったほど早くはな………ん!?[秒速480km]!?

 

「見なかったことにしよう………」

 

「なんか言ったか?………うえ!?」

 

「DWEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEZRLYE!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 声のした方向を見ると、何とプロトゲムデウスが横を並走している。バカな! なんて速さだ!! むんずとレーザーのしっぽを掴み、そのまま尻に噛みついた。

 

「うぎゃあ!!!!」

 

 レーザーがバランスを崩し、俺は振り落とされて地面にたたきつけられる。

顔を上げると、爛々と目を輝かせるプロトゲムデウスが俺を見下ろしていた。

 

 

「MWOORYWEE………」

 

 なんて言ってるのかまるで分らんな………しかし、1つだけわかったような気がする。

前々から感じていたベイオウルフとの既視感の正体。

 

どこかで会ったことがあるのかもしれないとずうっと考えていた。

ハッキリと分かった。

 

 

………俺だ。

 

俺によく似ているんだ。彼は。

 

昔の俺と、今の彼。

 

全然違うようだが、全く同じだ。

 

どちらも、「自分の無力」を呪ってる。

 

――――――――――――――――――――――――

 

[飛彩………世界で………一番のドクターになって………]

 

[小姫………!]

 

――――――――――――――――――――――――

 

あの時、俺は小姫が苦しんでいることに気づけなかった。

 

あの時の俺はバグスターに対する知識もゲーマドライバーもなく、ただ苦しみ、消えていく小姫を見守ることしかできなかった。 俺は無力だった。無力すぎた。

 

そして、目の前にいる彼もまた自分自身の無力を呪っていた。

 

肝心な時に恐怖で動けず、仲間の命を救えなかった自分自身に。

 

――呪いが彼を強くした。友の死が、彼を呪い、死へといざない、引き換えに究極の力を授けさせた。――認識を間違えていた。彼は魔王ベイオウルフではない。英雄王ベイオウルフだ。

 

「………同じだな、ベイオウルフ、俺もお前も、過去の自責に捕らわれている」

 

プロトゲムデウスになって暴走するのも、俺が初めてタドルファンタジーに変身した時と一緒だなとも思う。俺と彼は、相対的に全く逆だが、根底はきっと同じなんだろう。

 

 言葉を介しているかは分からないが、ベイオウルフから流れ出る殺意が少々収まった。

 

そしてその直後、膨大な殺意が吹き荒れた。

 

「………そうだな。例えどんなに自分を理解してくれるといっても、所詮は敵だ。結局倒すことに変わりはない。その通りだ。………お前が人間だったら、お前は俺の隣に立っていたかもしれないな」

 

「PYWEEEEEEEEYEEEEEE!!!!!!!!!!!」

 

 雄叫びを上げながら剣を振りかざす。そこに合わせるように俺もソードを振るう。

 

【TADDLE CRITICAL FINISH!】

 

 ただ振っただけの長刀と必殺の威力を込めたソード、なのに吹き飛ばされるのは俺の方。 つくづく信じられないほどの戦力差を実感する。いよいよゲージがゼロに近づく………その時、

 

【回復!!】

 

 どこからともなくエナジーアイテムが投げ込まれ、体力が元に戻る。 助かった………しかし、誰が?

 

「ブレイブ! 今ので貸し一つね!」

 

「なっ………!? 女子ゲーマー!? なぜここに!?」

 

 目の前にはライドプレイヤーニコが立っている。特徴的な帽子で一発でわかった。

 

「だってポッピーいなくなっちゃうんだもん! アタシもいーでしょ!?」

 

 どういう理屈だ………? だが、とにかく助かった!

 

「とにかく距離をとれ! 死ぬぞ!!」

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!」

 

 プロトゲムデウスが叫ぶが、もはや何と言っているのかさえ分からない。

一瞬で女子ゲーマーの元まで高速移動し、ベイオウルフが剣を振りかぶった。

 

【BANG BANG CRITICAL FIRE!!!】

 

 直後にベイオウルフの顔面に大量の砲弾が着弾し大爆発した。多少は効いたのか女子ゲーマーの真横に剣が振り降ろされる。危なかった………

 

「ニコ!! こっちに来い!」

 

 開業医が間に合ったか…! 後ろにいるライドプレイヤーは恐らくエリーゼだろう。

 

「▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼!!!!!!!!!」

 

 開業医へベイオウルフが歩を進めようとした瞬間、

 

「ブゥン!!!!!」

 

 どこから湧いたのかゲンムがベイオウルフに抱き着いた。

 

「ゲムデウスの力を得たのは失敗だ! 食らえ! ゲムデウスワクチン!!!!!!」

 

 ゲンムの体からゲムデウスワクチンが溢れ、ベイオウルフにまとわり付いた。

 

 

「ギャアアアアアAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!」

 

 ベイオウルフが初めて悲痛の叫びをあげた。

いよいよプロトゲムデウスの外皮が溶け、中からベイオウルフが顔をのぞかせた。

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