仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE   作:桐生 勇太

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新キャラ登場です。
@zqnend2000のTwitterで画像を張っておきました。


第4話:その名は「ゲンム」

永夢視点

 

「あ、もうつながってるかい?」

 

 CRで書類の整理をしていると、聞きなれない声がした。貴利矢さんも飛彩さんも黎斗さんもパラドもポッピーも!?って感じだ。周りを見回すが、誰もいない。

 

「今の声、何?」

 

 あ、院長、いたんだ………すっとんきゅうな声を上げながら机の下へ顔を突っ込むが、そんなところにいるわけない。声の主はどこにいるんだ?

 

「上のモニターだよ。見えるかな?」

 

 見るといつも恭太郎先生から通信で使われているモニターに、見知らぬ人が映っている。

 

「やあ、CRの諸君。私は間久部緑郎。衛生省の者だ。突然ですまないが、君たちが持っているゲーマドライバー並びにライダーガシャットを速やかにこちらへ渡してもらいたい」

 

「「「「「な!?」」」」」

 

 新しい敵も現れてやるべきことだらけなのに………一体どういうことだ!?

 

「ちょっと待ってください! 一体どういうことですか!」

 

「かねてから計画していたものだが、これから問題になっていくバグスター連合の残党問題に関しては、医療技術よりも単純な戦闘、格闘技術があったほうがより多くの勝利に貢献できると判断したのだ。

すでに自衛隊の精鋭部隊から選りすぐりの人員を手配したうえで、約10名が適合手術に成功している。バグスターウイルスの早期根絶のためにも、これからの総指揮は自衛隊へと一任する」

 

「な………納得できません!!

………っそうだ! 共太郎先生と話させてください!!!」

 

「共太郎? ………ああ、()衛生大臣官房審議官の日向恭太郎氏の事か」

 

 ………前………? どういうことだ?

 

「あの人なら、もう辞任したよ。いや、辞めさせられたというべきか………

改めて名乗ろうか。現、衛生大臣官房審議官、間久部緑郎(まくべろくろう)だ。宜しく」

 

「辞めた………? 共太郎先生が………?」

 

「彼はバグスターも人間と同じ心を持っていると考えていたからね………

バグスターが人間の命を脅かしたことに変わりはないし、彼の考えを快く思わない人も多くてね………詳しくは知らんが、大体原因はそんなところだろう」

 

 どういうことだ? どうなってるんだ?

 

「これからはそれらの道具は此方で管理する。渡してくれ」

 

「ふざけるな貴様ァ!! それらは私が作ったものだぞ!!」

 

 ただでさえ小さい堪忍袋の緒が切れた黎斗さんが猛然とモニターに掴みかかった、その瞬間、

 

「動くな!!!!!!」

 

 バァンという扉の壊れる音と一緒に、何人もの銃を持った軍人が入ってきた。

 

「………言い忘れたが、残念ながら君たちに拒否権はない。渡してもらおうか」

 

「………ハッ! バグスターである私に銃が効くか!!」

 

「言っておくが、その中の銃のいくつかはゲムデウスワクチンを注入した対バグスター用の特殊銃だ。賢明な判断を期待しているよ。タイラントゾンビの檀黎斗くん?」

 

「デンジャラスゾンビだし、私は檀黎斗神だァ!!!!!」

 

「あれ、そうだったかい? まあどうでもいいか。それと………

宝生永夢君、君にはとっても大切な話があるんだよ。君の人生にかかわるほどの話だ」

 

 今度は僕かと身構える。だが、この後の言葉は本当に僕の人生での一大事だった。

 

「君はクビだ。私物をまとめて、出ていきたまえ」

 

 言葉を紡ごうとするけど、上手く口が回らずに何も言えない。

 

「そんな急に! こんな横暴が許されるんですか!!!」

 

 たまらずにポッピーが声を荒げるけど、間久部は全く動じない。

 

「横暴ではないさ。第一に彼は無断欠勤が多すぎる。首にするには十分だ。

それに、鏡院長からも解雇申請書を預かっている。印を押せば終わりだ」

 

「そ、それは日向審議官に送ったものでして………」

 

 何とか院長が取り持とうとしてくれたけど、間久部は首を横に振った。

 

「じゃあ音読してみようか。

えー…解雇申請書。聖都大学附属病院及び電脳救命センターCR勤務小児科医師兼仮面ライダーエグゼイド宝生 永夢は、両者の勤務を継続的に二週間以上無断欠勤し、結成された懲罰委員会を欠席。その後、登録している住宅マンションに帰宅せず、警察の捜索虚しく現在行方不明。聖都大学附属病院医院長鏡 灰馬はこの事態を重く受け止め、聖都大学附属病院のゲーマドライバー、ライダーガシャット、並びに小児科医師免許証を剥奪し、聖都大学附属病院から解雇することの了承を衛生省の衛生大臣官房審議官に申請する。聖都大学附属病院医院長 鏡 灰馬  調印

………とある。つまりこの申請書には「誰が」出したかはわかるが「誰に」送ったのかと言う名前の指定が入っていないのだよ。そして今の私の地位は衛生大臣官房審議官………宝生永夢を救おうと思ったようだが、裏目に出てしまったな?鏡院長」

 

 クスリと笑いながら画面の中で間久部が申請書をひらつかせる。

 

「っと………これで押印完了だ………さ、宝生永夢、君はもうCRの仮面ライダーでなければこの病院の医師でもない。道具を置いて早急にここから出て行ってもらおうか」

 

「宝生さん、医療免許証、並びに変身道具をこちらへ」

 

 後ろに立っていた自衛官が僕に詰め寄り、半ば強引に僕からドライバーとガシャットをひったくった。

 

「私はお前らなどのためにそれを作った覚えはない!!!グレードX・0………変身!」

 

【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティアクショーン!X!アガッチャ!デンジャラスゾンビ!】

 

「ッ! 撃て撃て!!!」

 

 何発もの銃弾が黎斗さんに被弾するけど、全く効いていない。

 

「バカメェ! ゲムデウスワクチンは元々私の一部だぁ!!!!!」

 

 変身を完了した黎斗さんが猛然と僕の変身道具を奪った自衛官に殴りかかるが、躱された。

 

【マキシマムマイティX!マキシマムガシャット!ガッチャーン!レベルマーックス!最大級のパワフルボディ!ダリラガン!ダゴズバン!マキシマムパワーX!】

 

 自衛官が腰にドライバーをつけ、何とエグゼイドに変身した。

 

「俺も適合者なのさ。檀黎斗。丁度いい。貴様も倒そうか!」

 

 黎斗さんの頭を掴み上げ、エグゼイドは黎斗さんを壁へとたたきつけた。

 

「ぎゃあ!」

 

 たたきつけられた黎斗さんは情けない悲鳴をあげながら気絶したみたいだ。ピクリとも動かない。エグゼイドが変身の解けた黎斗さんの頭を踏みつぶそうと足をあげた時、別のガシャットの起動音が響いた。

 

【マイティアクションX ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マイティパンチ!マイティダッシュ!

マイティ・マイティ・マイティ・マイティアクショ~ン!X!!!!】

 

 聞きなれない起動音とともに通気口の蓋が吹っ飛び、錆色のエグゼイドが出てきた。飛んだ蓋はモニターにぶつかり、モニターが壊れた。

 

「何者だ!?」

 

 エグゼイドの問いに錆色のエグゼイドは淡々と答えた。

 

「そこの青年の味方さ」

 

 僕を指さしながらそれだけ言い、彼はエグゼイドの前に立った。

 

「そのドライバーとガシャットは彼の者だ。返却してくれ」

 

 と言うが、当然返却するはずがない。エグゼイドが殴り掛かるが、その場から錆色のエグゼイドが消えた。

 

「…やはり渡してはくれないか」

 

 一瞬で背後に回り込み、錆色のエグゼイドが殴りつける。だが、全く効いていないみたいだ。

 

「………! 永夢、あれ、プロトマイティアクションXだ」

 

 錆色のエグゼイドのつけているガシャットを見ると、なるほど、確かに見覚えのあるガシャットが刺さっている。黎斗さんが死ぬ少し前まで使っていたガシャットだ。

 

「………! ってことはあの人レベル2!?」

 

 ポッピーが驚きの声をあげる。あのレベル差じゃ死んでしまう。

 

「逃げてください!」

 

 僕が必死に叫ぶが、「大丈夫さ」とだけ言われた。

 

「安心したまえ。レベルがどうのと言っても相手は所詮人間だ」

 

 そう言いながら、彼は次々とエグゼイドの攻撃をかわす。

 

「くっ! このっ! ちょろちょろと………!」

 

「す、すごい………! 全然攻撃が当たらない!」

 

「まるで、Obiパラドクスだ………!」

 

 器用に張り付き、時には股の下を抜け、エグゼイドを翻弄する。

次の瞬間、急に僕の方へ錆色のエグゼイドが飛んできた。

 

「さ、これは君のだろう?」

 

 いつの間にかマキシマムマイティXガシャットが彼の手に握られていて。渡される。

 

「あ…………ど、どうも」

 

 有り難く受け取るが、一体いつの間に?

 

【ガッシューン………】

 

 直後にエグゼイドの変身が解けた。

 

「所詮は人間だ。強いのはベルトとガシャットだけさ。ガシャットを抜けば変身は解けて、私が勝つ。弱い人間に生まれた以上、敗けない奴などいない」

 

 そう言いながら錆色のエグゼイドは次々と自衛官たちをなぎ倒していく。

 

「これでいいだろう。あの間久部とかいう男にはここにいる全員の変身道具が私によって奪われたと言っておけばいいだろう………しかし、久しぶりだな。永夢」

 

 ………? いや、誰? こんな人知らないぞ。

 

「あの………あなたは?」

 

 ポッピーがおずおずと尋ねる。

 

「ああ、まだ名乗っていなかったね。私の名はゲンムだ。宜しく」

 

「………いや、そうじゃなくて…貴方の名前は?」

 

「………ゲンムだが?」

 

 飽くまで名乗る気はないのか………まあいいや。

 

「誰だかわかりませんが、有難うございます。おかげで助かりました」

 

「気にしないでくれ。ええと………すまないが他の皆さんの名は知らないのだ。名乗ってもらっても?」

 

「鏡飛彩だ」

 

「私はポッピーピポパポ! で、この気絶してるのが黎斗!」

 

「パラドクスだ」

 

「九条貴利矢だ。よろしく」

 

 錆色のゲンム………いや、ゲンムⅡとしよう。ゲンムⅡは満足げに一つ頷いた。

 

「丁寧にどうも。私はゲンムだ。微力ながらこれから君たちに協力したい。皆さん宜しく。今まで永夢のことを支えてくれていたのだな。ありがとう」

 

 そう言ってゲンムⅡは頭を下げる。貴方は僕の保護者か!!

 

「さて、一段落したし、私は戻るよ。永夢、クビになって辛いと思うが、今が頑張り時だぞ」

 

 そして彼は通気口へと飛び込んでいった。

 

「なんだったんだ………?」

 

「さあ………?」

 

 急に現れた二人目のゲンム。頭がパンクしそうだ。




胡散臭い登場ですねぇ、ゲンムの奴は。
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