仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
「パラド………パラド………!」
俺を呼ぶ声に応え、重い瞼を開ける。目の前にソルを始め、仲間たちが立っている。
「海帝…ベイオウルフ………ガルーダ………! 皆、生きてたのか………?」
思いがけない再開に嬉しくなり、俺は立ち上がって走り出した。
「あ、あれ………?」
すぐに異変に気付いた。 走っても走っても目の前にいる仲間たちのいる場所に辿り着けない。 不意に目から涙があふれ、零れ落ちた。
………どれほど走っただろう? 体力に限界が来て、俺はとうとうその場に座り込んでしまった。
「くそ………何で…!」
口をついて出た疑問。 でも…本当は分かってる。俺はもう、皆と同じ場所には立てないんだ。死が分つ。どんな友情も、愛も。いずれは届かなくなる。触れ合えなくなる。
「パラド………生きてくれ」
この夢から目が覚めたら、俺はきっと自殺する。ソルはそれを理解してるんだろう。
「生きるって………何で?」
これは本当に分からない。なぜ生きなくちゃならないんだ?
「なんで生きなくちゃならないんだ? 俺はもう、全部失った。俺は仲間たちを守るために生きてたんだ。俺には、もう守るものなんて何も無い! お前らのところへ行かせてくれよ!」
「大事なものなんて、いくらでもあるじゃないか。お前はいい加減自分のために生きてくれ。お前が誰よりも努力して、一生懸命に皆を守ろうとしてくれたのは知ってるよ。でも、もういいんだ。これからは、お前がやりたいことをしてくれればいいんだ」
言いたいことを一方的に言った後、ソルや仲間たちの姿がぼやける。
「待て…! 俺を置いていくな!
……………独りぼっちは、嫌だ……………」
手を伸ばしても、届かない。
いつの間にかあいつらの足元は水になっていて、皆沈んでいった………
――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――
――
「起きたまえ、Obiパラドクス」
優し気ではあるが、どこか固い声がした。俺はゆっくりを目を開け、今度こそ目を覚ました。
「やあ、初めまして、だね。私の名前は※※ゲンム………いや、今のは忘れてくれ。私はゲンムだ」
目の前には見慣れない錆色のゲンムが立っていた。※の部分は急な雷の音でよく聞き取れなかった。
「ここは………どこだ?」
「気絶していた君を此処まで連れてきたのだよ。」
「あんたは………俺をどうするつもりだ?」
「………もし、君の仲間達が死んだ原因が私にあるといったら、どうするかね?」
「………あ?」
瞬時に起き上がり、錆ゲンムを睨みつける。
「おっと………怖いな。まあその話は今度にしよう。今はただ君に用があるのだ」
「………なんだよ」
「Obiパラドクス、君に消えてもらいたい」
多分次あたりでObiパラドクスは退場です。