仮面ライダーエグゼイド THE GAME IS NEXT STAGE 作:桐生 勇太
,(COMMA)は、話に区切りを付けるための物、つまり、継承。
パラド視点
俺は仕事の忙しい永夢になけなしの気を使ってCRでじっとしていたがそれも飽き、一人で屋上で日向ぼっこをしていた。
「考えてみると、これも暇だな………」
大きなあくびを一つして、立ち上がる。ドライバーを腰にセットし、変身した。
【デュアル!ガシャット!ガッチャーン!マザルアップ!】
【赤い拳強さ! 青いパズル連鎖! 赤と青の交差! PERFECT KNOCKOUT!】
Obiパラドクスの戦いの後から始めた日課だ。空想の相手を想像して、殴り合う。
俺は正直言って、強いつもりだった。でも、永夢は俺ではたどり着けない強さを持っていて………心のどこかできっと「もう全部永夢でいいや」と考えていたのかもしれない。
でもそんな俺と違って、Obiパラドクスには力への渇望があって、気づけばその差は俺じゃ辿り着けないレベルまで行っていた。
しかも、ハイパー無敵を攻略できるほどに。
一つの努力の結晶を見せられた俺は、もう一人の俺。なら、全力で追い続ければいつかは同じレベルにまで行けるかもしれない。
「いつか………追い抜いてやる!」
口に出しながら、それは不可能だとしみじみ思う。あいつが努力を続ける限り、同じ自分同士、成長速度も恐らく同じ。俺が追いつくことは決してない。
「それでも………今以上に差が開くなんてゴメンだ!」
しばらくフットワークとシャドーを続け、一息ついた。
「ふう………遠い………な………」
真似しようとしてみて改めて実感する。その技術と、力の差に。
(無理そうだし、やっぱりやめちゃおうか)
我ながら情けない思考になりかける。頬を自分でひっぱたき、気合を入れなおした………
その瞬間、急に誰かの思考が俺の中に入ってきた。
「うッ! こ、これは………Obiパラドクスの!?」
分かる。あいつの気配をはるか遠くに感じた。………俺を、呼んでる!
考えるよりも先に体を瞬間移動させ、その場所へ行く。
「よう、一人か?」
転移した先には、俺と全く同じ服になったObiパラドクスが立っていた。
「あの白いスーツはどうした?」
なぜ自分を呼んだのか、それも気になったが、服が変わっていることも気になった。こうしてみると本当に髪形以外は俺と全く一緒だ。
「もうあれを着る意味もなくなった………これでもう、終わりだ」
【ガギャット!バッギャーン!ノウリョクジョウショウ!】
【青きパズル強化! 赤の拳殴打! ゲーム世界王者! 完全 決着!】
「…! 待ってくれ! 俺はお前と戦う気はない!」
「………奇遇だな………俺もだ」
「………え?」
Obiパラドクスはそう言いながら俺の背後に回り込み、俺の意識を刈り取った。
生きて………その先は?