春風駘蕩な唐傘さん   作:すとりん

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ー前書きー

ここは幻想郷。人間、妖怪や神様達がここで過ごしている。
この幻想郷にある人里と呼ばれる人間達が住み居る場。
季節は夏、本日は快晴。
そこから物語は始まるのだった



第一話 「わちき唐傘お化け」

ー1ー

 

 

【挿絵表示】

 

 

「おーい」

「全く何処に行ったんだろう」

わちきは唐傘お化け「多々良小傘」

さっきまで兎を抱き抱えてたんですが、逃げちゃいました。

あと別の用事で今日はここに来たわけですが。

 

「こんな朝早くからどうしたの」

 

と、声をかけてくるのは

「それはこっちが聞きたいよ早苗さん」

 

妖怪の山に住む現人神「東風谷早苗」

ここに呼び出して来たのはこの人だ。

胸の位置ほどまである緑のロングヘアー、髪の左側を一房髪留めでまとめていて、髪の頭頂部が双葉みたいに跳ねている。

相変わらず紅白の巫女の2Pカラーっぽい格好をしている。

 

「こんな朝から呼び出して」

「いや大した用じゃないんだけど」

「おやすみなさーい」

「ちょっと!待って待って!甘味処でもなんでも払うから!ちょっと待ってぇー!!」

 

そんな早苗さんを無視しながら、今日も一日が始まるのだった。

 

ー2ー

 

 

【挿絵表示】

 

 

早朝5時くらいの人里。

早苗さんの話を聞くことにした。

もちろんお茶代は払ってもらう。

 

「で、私に何の用があったの?」

 

なぜか少し沈黙気味だったので、私が話を切り出した。

 

「あれ?まだ言ってなかったっけ」

 

それに続き返答をする早苗さん。

 

「聞いてない」

「じゃあ単刀直入に聞くけど、ここ最近の天候の変化って小傘さんの所為?」

「え?」

「ほら、最近妙に雨が降ったり止んだりして」

 

確かにここ最近の人里は梅雨みたく降ったり止んだりしているけど...

 

「なんで私の所為なの?」

「ほら、確か天候を左右させる事も出来たよね小傘さん」

「あーそういうこと、でも私じゃないよ」

「じゃあまたあの天人か...でも今回は人里だけじゃなく同じ現象が起きてるし、うーん」

 

そういって頭を抱える早苗さん。

でもただの夏梅雨じゃないのかな、と思っていた私は。

 

「まあまあ、そんなに考えることないよ~」

「異変だったら嬉しいんですが」

 

この人は異変を何だと思ってるんだろう。

 

「とにかく私じゃないから!異変だと思うんだったら他を当たってよ!」

「う、うぅ」

 

頭を抱える早苗さんを背に、私は甘味処を後にした。

 

 

 

ー3ー

 

 

【挿絵表示】

 

 

「早苗さんも大変そうだったなー」

「ん?何かあったの?」

「え?」

「うわっ!?」

「ばーぁ」

「なんだこいしちゃんか」

「なんだってなによ」

 

無意識の放浪者「古明地こいし」

以前、人間を驚かしている時に私を驚かしてきた覚り妖怪だ。

薄く緑がかった癖のある灰色のセミロングに緑の瞳。

上は黄色い生地に水色のボタン、下のスカートは緑色の生地だ。

いつも急に現れてくるのは心臓に悪いからやめて欲しい。

 

「今日も人里をぶらぶらしてるの?」

「そんな感じ」

「何か面白いことあった?」

「えーと、さっき緑の巫女さんが立ったまま寝てた」

「ふーん、え?」

「なんかぶつぶつ言ってた気がする」

「へ、へぇ」

 

どっかの門番みたいなことして...

大丈夫かな早苗さん。

 

「小傘お姉ちゃんは何か面白いことあった?」

「私?そうだなぁー」

「wkwk」

「うーん」

少し考えた後に

「今日はまだないかな」

「そっかー」

「何か事件とか起きたら楽しいんだけどね」

冗談半分私は言った

そしたら何かを閃いた様子で

「私ちょっと思い付いたから準備してくる!」

「え?ちょっと、え?」

 

この後、こいしちゃんはとある事件を起こしてしまいます。

その物語はまた別の機会に。

 

「何か私まずいこと言っちゃったかな」

「ま、いっか」

 




そんな一日に起きた出来事はこれだけだ。
その他にも色々してたけど特に言及しなくてもいいことなので、ここまでにしておく。

「明日もいい天気になーれ!」

そう言って下駄を飛ばすと

「お、下駄が表向きだー」
「明日も晴れるぞー」

明日も晴れるらしい
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