クラウンドール   作:雪菜@少年は紅い月に嗤う

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いや、イケメンなのかなぁ!
イケメンすぎやしないか!?色々


というわけで拙い文章ですがよろしくおねがいします。


その名はカナタ

あのモナさん?が居た薄暗い部屋から出ると、私は扉の前で突っ立っていた。

中からやりとりが聞こえる、防音機能はついてないんだろうか。

(…なんとなく、複雑な気分だな)

ちゃんとお金はもらった。これで私はユートピアに帰れる。でも…

多分、この複雑な気持ちの理由は2つ。

一つは、あのシスターがちょっと気になったということ。あの人の身、目に纏う孤独の意思は私の心に何かを与えた。何かはわからないが…

二つ目、きっと、この依頼、人の命に関わることなんじゃないだろうか?

私の信念は曲げない、曲げさせない。

そして、中から漏れてくる話を聞いてるうちにふつふつと怒りがこみ上げてくるのを感じた。

(なんであんたの歪んだ愛のために、その小さい子が犠牲にならなきゃいけないのよ!?)

そう思っていてもたってもいられず、鉄のドアを開けたのだった。

ダンっ

 

「ちょっと忘れ物をしたんで。」

 

目の前には泣き叫ぶ女の子、それを連れていこうとする無表情の男、目の前のフリフリ女。横目を流すと縛られているシスター。金髪フリフリ女をとても睨む。あぁ、イライラする。この金髪クルクルやろう。

うーん…この場合の忘れ物って…人助けになるんだろうか?

まぁいい、とりあえず、金はもらったし、あとは《自由》にしていいんだろう?

 

 

「忘れ物ってなぁに♡」

ニコッとモナが私に微笑みかける。

「…その子を離して。」

私のこの言葉に少し顔を歪ませるモナ。首をかしげてこう言った。

「白百合様…それ、どういうこと?」

「うーん…それはこういう事!!!!」

私は思いっきり彼女の腹に回し蹴りを食らわせた。彼女の体は1mほど飛んでいき、後ろのクリーム色の壁に激突する。

「ぐふっ」

うーん、やっぱりあのヤクザに教えてもらった格闘だけども、私の力じゃ威力はたかが知れてるな。一応私も女の子だしなぁ。モナは倒れ込んだけど、一発KOなわけじゃない。

男はモナが攻撃されるとそうプログラムされてたんだろうか。多分、この男、奴隷だ。私に殴りかかってきた。

ダダダダダダと地響きを鳴らしながら近づいてくる。

 

愚かな。

 

笑いが出てしまう。

私はそれを()かした。男は私の体を通り過ぎ、まだ立ち上がっていないモナにぶつかった。

「ギャフッ!」

男はモナの上に倒れ込んだかたちになる。

男もモナも少しのびてしまったようだ。

さーて、モナにこれを使ってあげましょうかね、この、強力な睡眠薬のような…私が作った試作品を。顔に…シュッ!とな!

「あ、あんたな、何してんのよって…クシュン!!!!クシュ、クシュン!ちょちょ、しゃべれな…クシュン!!!!体に力も…クシュン!!!!」

よーし、くしゃみ効果はよくわからんけども、とりあえず良かったのか?彼女の腕につけているこの鍵のブレスレット。これが彼のあの錠を開けるのだろう。力の入らないこの女は敵じゃないし、興味もわかない。ただ…クシュンクシュンと煩いが。

咲ちゃんと呼ばれる女の子はシスターの所に泣きながら寄っていた。男が気絶して動かなくなったから、この子も開放されたのだ。

とりあえず、保険にこいつら縛ろう。

 

「じゃあ、鍵、拝借いたしまぁす♡」

満面の笑みを作りモナを煽った。この時には私の気分は大分晴れていた。

「ーーーーーーーーっっ!!!!(解きなさいよこれ!あっ、錠!取らないでー!)」

手足を縄で縛られ、口をガムテープで張られたモナが目を開き絶望に満ちた顔をする。そんなにこの鍵が大事なんだろうか。まぁいい、私のした仕事で人が死ぬのは絶対にごめんだ。私は十字架に貼り付けられた男シスターの手枷、足枷を取り上げた錠で外した。唖然としている彼は

「…白百合の方…なんで」と。

「…なんでっていうより…早く逃げた方がいいかもね。もうすぐ、別の看守みたいなのが来るんでしょ?モナ・アレクサンドラ。」

口は塞がれていてもニヤっとしているのがわかる。

「ーーーーーーーーっっ!(絶対に逃がさないんだから!私の月くん!)」

あーあー。このキチガイめんどくさー。私は呆れた顔をする。

でも、そんなこいつに構ってる余裕はなさそうだ。

「とりあえず、逃げるぞ!」

シスターの一声で私達はモナの縛られている部屋を後にした。

 

 

タンタンタンタン!!!!

2人の廊下のグレーのタイルを蹴る音が響く。

「他の子供たちも助けなきゃなんじゃないの!」

「他の子も捕まってんのか!?」

「当たり前じゃない!その咲ちゃんって子の代わりよ!咲ちゃんがすぐ死んだら面白くない、そんなふうに考えるのがあいつらなんじゃないの!?」

「くっ、確かにそうだ。」

シスターの男は、咲ちゃんを抱えながら私と一緒に廊下を走っている。周りは白く明るい壁、グレーの床、看守達にはまだ会っていない。

「ここは奴隷工場、私は道はわかんないけど、あんたなら分かるんじゃないの?話を聞いてる限りそんなふうだと思ってるんだけど!」

「だろうな!見たことあると思った!大丈夫、もうあの子達がいる所は目星はついてる!」

「さっすがね!じゃあ、あんたは先に行ってて!私が後ろを食い止める!」

「は?その数を1人で!?無理に決まってんだろ!」

「…Idolaにできないことはほぼ無いわ!」

と言って私は逆方向に走り出した。

 

まぁ、本当は金目のモノ落ちてないかなーっていう、不純な動機ですが。

 

お気づきの方もいらっしゃるだろう。私はIdola。初代アンリ・ホワイトリリーの末裔、13代目Idola、レイア・ホワイトリリーである。液体、固体を透かすのは10秒まで、弾丸は10秒間当たらない。気体ならいくらでも透かせるため、毒ガスとかは一切効かない。

まぁただ、ちょっとした、弱点はある。槍、及び短剣とかで指してくるやつとか、簡単に言うと、速度のない物体は透かすことができない。

例えば、3階から飛び降りたとする。地面は動くことはないから私はふつうの人間のように落ちて…死ぬかもしれない。ドアだって動かない限り透かすことはできない。

私の体に触れる瞬間の相手の速度が、ゼロじゃないことは確かだ。だが、ナイフなどで刺すなどといった作業はどうだろう。刺すのあとに抜くという動作が加わる。これは、速度の向きが逆になり…つまりは私の体の中で速度がゼロになる部分が出来てしまうということ、それは透かすことができない。透かすことができない、ということは、私の中でそれが物体化してしまって私の体はその物体に貫通されている状態になるということだ。だが、私が動いて、抜く作業そのものをさせないという手段はある。

 

というより大抵は、相手が私を殴るとか刺すとか私の体への手応えがなさすぎて、相手が私の身体を通り過ぎることが多いのだが。

 

 

目の前にいるのは総勢30人くらい?銃を持ってるやつナイフをもってるやつ…その他もろもろ。私はそれらを冷ややかに見下した。

「さて、相手になるわよ、殺さない程度にね」

「な、んだと!てめぇ!おまえら!やっちまえ!」

その掛け声で襲いかかってきた。良かった、攻撃パターンが単純で。

バンバンバンバンと相手が銃を連射する。更に私は安堵した。よかった機関銃じゃなくて。機関銃だったら10秒以上撃てたりするから、結構キツいんだよ。

私はその銃弾を透かす。

(うーん、数がやっぱり多いかな。)

この道はちょいと使えなくなるけど、ここは撹乱の毒ガスを使わせてもらおう。

私はポシェットから一つの管みたいなもののスイッチを押して投げ込んだ。プシューと音がして煙が吐き出される。

「な、なんだ!?」

吐き出された煙に呼応した目の前の看守達が焦る。

「これ、毒かもしれない!吸うなよ!」

「吸うなって言われても…!」

まぁ、こんな対応だわな。

「3時間錯乱する薬。はい、危ない武器は没取ー。」

看守達の持っている武器を急いで地に落とし、回収していく。

錯乱しちゃって、相打ちとか、そういうのも私の約束に反する行為だからだ。

「3時間、各々のトラウマと戦えばいい」

ぼそっと呟いた。

「うわぁぁぁ!殺さないで、殺さないで!」

と、叫んでいる看守達の傍らで恐らく奴隷だと思われる人たちが、

「…あー。あー?おれ、おれ?」

と。

 

私はそれを聞いて驚いた。だって、奴隷って感情のないただの人形のようなやつじゃないのか!?勝手に話すこともないはず…

もしかして。この錯乱の薬は初期のプログラムで閉ざされた成功品奴隷の感情を呼び覚ませる?

(でも、私はそんなに人助けには興味が無いからな。奴隷達の…こっから先は…知らない)

私はその場を去って金目のものを探すことにした。

 

 

 

(大丈夫なんだろうか?)

「大丈夫なの?あの白いお姉ちゃん!」

咲ちゃんと思っていることは一緒だったようだ。

「多分、大丈夫!俺たちは別にしなきゃいけない事があるんだ!皆を助けに行こう!」

うんと咲ちゃんがうなづいた。

俺は咲ちゃんをおんぶしながら恐らく他の子供達がいると思われる部屋に走って向かっている。

ここを曲がって、直進して…

なぜ分かるかって?ここは昔俺のいた奴隷工場だからだ。忘れたくても忘れられない嫌な記憶だ。

と、してるうちにそうだと思われる部屋に着いた。

「…咲ちゃん、目をつぶってて。」

「なんで?」

「もしものことがあるかもしれないから。お願い。」

もしものこととは…俺の予想した部屋と違ったり、もしくは…俺が務めていた、あるいは務めている死体処理のようなものがあるかもしれない。そんな残虐性の強いものは子供には見せられない。

「ん…わかった。」

「おりこうさん。じゃあ開けるね。」

ガチャっとドアを開けた。中は…、良かった。牢屋だ。中は暗く廃校の教室半個分くらいの広さだった。

その中に5人の子どもの姿が。よし、当たりかな。

咲ちゃんが俺の背中から飛び降り、その子達に駆け寄る。

「みんなぁああ!」

「シスターぁあああ!」

「やった、やっぱり言ったじゃんシスター来るって!」

泣いている子、歓喜している子、様々な反応をしている。

急いで近寄って、腰をかがめる。

「ごめんね、巻き込んじゃって。よし、この牢屋から出よっか。」

と言うと、早くに牢屋の扉の前に行った咲ちゃんがガチャガチャと扉を鳴らす。

「シスター、ダメ、開かない!どうしよう…」

「わかった、ちょっと皆扉から離れてて。」

扉には南京錠の鍵が。うん、これくらいなら。

シスターコスチュームの中から銃を取り出す。

(なんでモナのやつ取ってないの、めっちゃ俺舐められてるね!?まぁいい、取ってないことに感謝しよ。)

バン!バン!バン!

南京錠がボロボロになって外れた。

扉は開き、5人の子供たちと合流することができた。

「うわぁぁぁあん!シスターああああああ!」

「もう、大丈夫だから。とりあえず、ここから逃げよう。」

「うん!」「 はい!」「りょ!」

俺は咲ちゃんを含む合計6人の子どもを連れて部屋の外へ出た。

 

 

そのころ私は部屋という部屋をあさくり、敵が出ては戦闘不能にし、金目のものを回収していた。ルビーの指輪を持ちあげて…

 

(うーん、これいいわねぇ…値段はどのくらいかな?

さてと、金目のもの、回収できたし、よし、家に帰ろうか!

でも…アイツ気になるわね、子ども引き連れるんでしょ?全員が無事に帰れる可能性はだいぶ低くなるんじゃ…。まぁ、いいや、たぶん入口付近で会えるんじゃないかな。)

そう考えて、私は長い髪を靡かせて部屋を出た。とりあえず無事で会えたらいいな。

 

 

タタタタとグレーの廊下を6人の子どもを引き連れ走る。

出口まではあともう少し…とりあえず…そこまで行ければ!

出口の目の前まで来た。そこは2階の廊下が真上にあって高さ的には広く、白い壁に囲まれた広い空間である。

でも、そこにはさっき見た人より倍ぐらいの人数、つまりおよそ60人くらいの男達が…

その中心には縛られていたはずのモナの姿が。

(!?マジかよ!?あと、もうちょいだってのに…!)

じりと、後ろへ後ずさる、子供たちにその足が当たって、振り向くととても不安そうな顔をしていた…

「ごめんな、もうダメかもしれない。」

と、俺は小声で呟いた。それ以上子供たちの顔が見れなくなって前を向く。

「連れて行くんなら、俺だけ連れていけ。俺はなんの抵抗もしない。子供たちには手を出さないでくれ!」

モナはもう、可愛子ぶるのも飽きたようで

「もーう。それでいいわ。子供たちは要らない。貴方さえ手に入ればそれでもいいわ。《今回は》」

「えっ」

「命令よ、そのシスター姿の男を捕まえなさい。」

ダダダダと迷彩柄の服を来た男達が、こちらへ近寄って俺の両手を掴む。

「子供たちに手を出さないんじゃ…」

「何を勘違いしてるのかしらぁ。そんなわけないじゃない。あぁ、見せしめに1人殺しとく?」

冷ややかな目でこちらを見つめるモナ。

「やめろ…」

「じゃあ、何も言わずにさっさとこっちに来なさい♡あの子はもう貴方を助けに来ないはずだから。」

あの子って、白百合様のことか…?

別に彼女に助けを望んでるわけじゃない。あぁいう気まぐれな性格なのは俺も知ってる。彼女が仕事をし始めた時からの付き合いだからな。あちらは白百合様、こっちはマリンスノウとして電話越しでの関係…

彼女はめんどくさい物件には手を出さないし、ただユートピアに帰ることだけを望んでる。

(もう、ダメなのか、俺は…)

いつかの壊れかけた心をキシキシと締め付ける。

 

そんな時だった。また彼女の声が聞こえてきたのだ。

「ねぇ、帰りたいんだけど。玄関の前にそんなに人がいると邪魔。」

聞きなれた白百合様の声。彼女は2階の鉄で出来た渡り廊下に、白井髪をなびかせ、堂々と立っていた。

「お姉ちゃん!」

「白百合…!お前が、なぜ、邪魔をするのよぉおおお!撃ち落としなさい!」

男たちが銃を構えた瞬間彼女はそこから飛び降りた。

 

 

CROWNDown(クラウンダウン)「ストロング」」

と呟いた。

久々に使った身体強化の技。技というのかなんていうかは知らないが、Idolaはこういうのもできるらしい。父様の書物に書いてあった。

2階から飛び降りても全然痛くないし、何より、ここで毒ガスなんて使うわけにはいかないでしょう?およそ、60人の相手を気絶させるにはこれくらいの強さと速さがちょうどいい。

向かってくる敵の力を利用して、他の男にぶつけたり、回し蹴りを食らわしたり、一瞬かがんで腹パンをしたり…

男達を一掃している間に、隅っこに目が入った。あのシスターに向かって1人の男が殴りに行くのを。

(あ。危ない!)

だが、そんな心配をよそに。

「みんな、目をつぶってろ」

ジャキッ、バン!

シスターはそれを撃った。胸元から男が血を流す。

さっきの子供たちを救おうとシスターの必死な顔はどこへ行ったのか。どうして、そんなに無表情なのか。私はその表情の理由にたまらなく触れてみたくなった。魅力的といえばいいのだろうか。

 

 

男達を一掃した頃にはもう、モナの姿は見当たらなかった。外は夕方らしい。西日が差し込んでいる。

振り返ってシスターに言う。

「…大丈夫?そこのオカマ。」

「は!?オカマじゃねーよ!」

「いや、シスターの姿って女じゃない。普通。まぁ、とりあえずここから出れるようだけど、私はとりあえず金目のものも取れたし帰るわ。」

「…」

1歩、ひとりの子供が歩み出して私にこう言った。

「お姉ちゃんありがとう!ヒーローみたいだった!」

……お礼なんて、ね。びっくりして、目を点にさせてしまった。

「…私の気まぐれだからね。次は期待しない方がいいわよ。じゃあね。」

彼女が背を向けて歩きだそうとした時、シスターの手が私の手首を掴んだ。

「いや、待って。次もまたモナは襲ってくるかもしれない。…俺たちも一緒にいてもいいか。」

「べつに…いいけど…」

 

シスターの古い協会に行き、子供たちは相当疲れたんだろうか、すぐに寝付いてすっかり夜になってしまった。

夜風に当たろうと、外に出るとそこにはレイア・ホワイトリリーの姿が。彼女は段差に腰をかけて座って満月を眺めていた。

「今日はありがとうございました。」

「さっきも言ったじゃない。私の気まぐれだって。」

彼女がこっちを振り向く。金色の目が月の光に照らされ輝いているように見える。彼女はその時の俺のラフな格好に驚いた。

「中々カッコいい格好してるのね。」

その時の俺は白いシャツの上に黒いカーディガン、その下にジーパン、茶髪のくせっ毛の髪は後で結んでいた。

「シスターって言ってもあの子たちの前だけだからな。仕方ない。」

「なんで、シスターなの?」

「そりゃ、子供たちに安心感を持たれるためだよ。神父って柄でもないだろ?」

「なんの宗教?」

「ステラ教」

「へぇ、私もよ。ステラは我々を救っては下さらない。というより、望むな。って奴よね。」

「そうだな。結局自分で変えるしかねーんだ、状況なんて。」

「私もそう思う。話は変わるんだけど名前は?」

その質問に俺は答えが詰まった。

「…ないかな。」

「じゃあ、私がつけてあげましょう!…アラタとか。」

「何か嫌だ。」

「じゃあ、セナ。」

「えぇー」

「カナタ、カナタくん。あんたなら未来が切り開けると信じて…カナタ」

その名前に少し心がときめいた。

「いいな、それ。」

レイアは立ち上がって手を叩いた。

「じゃあカナタで決定!月くんなんてダサすぎて呼べないからね!それじゃ、おやすみなさい、私は家に帰るわ。どうせ、仕掛け張って寝るから常人じゃ誰も入らないでしょ?ここ。」

確かにここには外部の侵入をさせないために、仕掛けが張れるようになっている。いつも仕掛けを張って寝ている。だから恐らくレイアがここに誘拐しに来たのだろう。

「じゃあね、おやすみ、マリンスノウ。」

「えっ」

「私の名前も知ってるでしょ、カナタ。」

「…おやすみ、レイア」

まさか、マリンスノウとバレていたなんて。少し、嬉しいような複雑な気持ちだった。

 

 

一方そのころ

 

 

ダンっ。手を床に叩きつける。

「なんて強さなのよ……クソっ、あの白百合様さえ、いなければ!私は…月くんと一緒に居られたのに…」

グスッと鼻をすする。奴隷工場の屋上でモナは1人の男を付かせ、体育座りをして、泣いていた。

「でも、久しぶりに月くんのあの冷淡な顔が見れたなぁ、綺麗だった…♡あの他人の生に対して本当は全く関心が無いこと、気づいてるのに気付かないふりしちゃってさ♡」

「でも、あの、白髪女…!次会った時は必ず…必ず…ぶち殺してやる!どんな手段を使っても、私をバカにし、邪魔をしたあの女だけは!必ず、ぶち殺してやる!!!!」

満月の夜に彼女はそう吠えた。

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