超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER- 作:ブリガンディ
区切った方がいいかもとか言ってたのに区切らずやろうと思ったところまでやっている私って一体・・・(汗)。
「そう言われましても・・・誰も通すなと・・・ブラン様に申しつけられているんです・・・」
「ええーっ?私たち女神仲間なんだからいいいでしょー?」
「いえ・・・女神様と言えど・・・」
あの後、俺たちはルウィーの教会に急いで戻り、ブランに直接話をしようとしたのだが、執務室の前で女性職員から通せないと言われたので、こうして言い合いが始まっていた。
また、ミナにも一応連絡は入れてあるのだが、まだ戻って来れそうにないようだった。
「せめて、謝らせて下さいっ!」
「ロムとラムが誘拐されたのは、アタシたちのせいなのっ!」
「既に・・・警備兵を総動員して、捜索させていますので・・・」
ネプギアとユニは目の前で事を見ていた身であるため、尚更責任を感じていることは想像に難くない。
しかし、女性職員はおどおどしながらも、対応ははこっちでやってると言わんばかりに言い返す。
「(甘いな・・・そんじょそこらの寄せ集めじゃ、攫ったやつには勝てねえよ・・・)」
だが、人数だけではどうにもならない。変身できないとは言え、そもそも女神候補生が勝てないのに、一般人で対応しようというのが筋違いだし、国外から出たんならそれこそ立場という足枷が付いて回る。
だったらせめて、並みの一般人よりも全然マシに戦える俺らが手分けして探し回った方が圧倒的にいい。
それを言えたら楽なのだが、この状況では、俺が発言しても、すぐに潰されてしまうのが目に見えていているから歯がゆい。
「それは知ってるけど・・・!」
「・・・・・・帰って。貴方達はいつも迷惑よ・・・」
ノワールも俺と同じことを考えていたのか、女性職員の回答に反論しようとしたが、ブランの声が割り込むように入る。
その言葉は俺たちを追い返す為の言葉だった。筋違いと思うかもしれないが、俺も妹を連れて行かれた経験がある為、今のブランの気持ちはよく分かる。
だが・・・決定的に違うこととして、俺が何の力も無く、唯一頼れる人であった
「お・・・おい、ブランッ!」
「ごめんなさい。ラグナ・・・。私は・・・約束を守れなかった・・・ダメな姉の一人みたいだわ・・・」
だからこそ、それを伝えたかったのだが、ブランは自責の念に潰されているのか、自嘲の言葉で俺の言いたかったことを遮る。こうなるともう言葉を引っ込めるしか無かった。
「・・・・・・また来る」
「ら、ラグナっ!ロムちゃんとラムちゃんはどうするのさぁっ!?」
ならば次の行動に出るだけだ。そう決めた俺は回れ右をし、一人先にこの場を離れようとしたところに、ネプテューヌが制止の声をかける。
ネプテューヌだけではなく、本当ならセリカ以外全員が俺を止めようとしていたのは大体理解できている。
『あの日』のことは俺とセリカで合計二回も話しているのだから、話だけでとは言え、理解していないやつは一人もいない。
「それは分かってる。けどよ・・・ここでブランにどうのこうの言おうとしたところで、遮られるんじゃどうしようもねえ・・・。
なら、俺たちにできることからやる。今はそれが大事だ」
「ラグナ・・・。
・・・そうだよね。ラグナが助けに行かないわけないよね・・・」
だからこそ、俺は一度足を止め、体を半分皆のいる方に向けながら話す。それを真っ先に理解示してくれたのはセリカだった。
唯一『あの日』を自身で経験したこと、そして、俺との関わりが今ここにいる人たちより長いことがそれを助長していた。
「ああ・・・俺は諦めねえ・・・
「はい・・・!ロムちゃんとラムちゃんは、絶対に助けます!」
「アタシも、絶対に諦めませんっ!」
俺は確固たる意思を皆の前に示す。それに真っ先に賛同したのはネプギアとユニだった。
張りつめすぎるなとは言わない。それはこの二人の決意に水を差すことになるため、今回は絶対にやってはいけないことだ。
「・・・よし・・・。一先ず場所を変えよう。話はそれからだ」
俺はそう言って今度こそ歩き出す。この場にいた女性職員と、ドアの向こうにいるブラン以外の全員も俺に付いてくる形で歩き出した。
俺は歩いてる最中に、炎の中に消えゆくロムとラムに手を伸ばすブランの姿が思い起こされた。
それは奇しくも、テルミがサヤを連れて去っていく瞬間と、サヤに向けて手を伸ばす俺と似ていた。
「(繰り返させねえぞ・・・。あんな思いをすんのは俺一人で十分だ・・・!)」
俺は心の中でその光景を振り払う。そんな俺は、知らずして自分の右手をきつく握りしめていた。
* * *
皆が去っていく音を聞いたブランは、身を翻して執務室の中を歩き出す。
「ロム・・・ラム・・・。
私のせい・・・私が姉として・・・もっと・・・ちゃんとしていれば・・・」
ブランは自責の念に駆られながら、ふらついた足取りで執務室の中を進んでいく。
今回、その場にいなかったブランに非があるわけではないのだが、自分がいればロムとラムが誘拐されないで済んだかも知れないと考えると、自分を責めずにはいられなかった。
そして、彼女を責め立てることとして、以前、ルウィーでラグナと約束したことが絡んでいた。
―ブラン・・・お前は妹二人を大切にな・・・。俺みたいにはならないでくれ・・・。
その言葉を思い返したブランは立ち止まる。
「ごめんなさい・・・。私は・・・」
―貴方のようになってしまったわね・・・。
二人の面倒を見て、護ると約束したのにも関わらず、このような行動を取ってしまった自分を許せないことと、妹にもう会えないかもしれないという恐怖から、ブランの目尻には涙が浮かんでおり、その声も震えだしている。
「でも・・・どうすれば・・・?」
助けられるなら今すぐにでも助け出したい。だが、ロムとラムを見つけられないでいる。
・・・否、正確にはその二人をすぐに見つける手段はあるのだが、ラグナとの約束。妹を失った悲しみ。近くにいてやらなかった自責の念・・・。
これらが頭の中で巡るあまり、その手段に頭を回らせることを妨げてしまっていたのだ。
「何とかしなくちゃ・・・何とか・・・」
ブランは一度自分を落ち着かせるために涙を拭う。そして、探す手段にたどり着いてハッとする。
「そうだ・・・!あれを・・・!」
本当はサプライズする形で使いたかったのだが、妹のために使おう。
そう決めたブランが早速行動しようとした時に・・・
「ガラッ!」
何者かの手によって執務室のドアがあけ放たれる。
誰が来たのかと思ったブランが振り向くと、そこにはいくつかの赤いリボンの内、ドクロ付きのリボンが一つ付いているピンク色のドレスを見に纏った金髪の少女がいた。
「見~つけたっ!」
「・・・えっ?っ!?」
その少女はブランを見るや指を指す。ブランはどういうことか訊こうと思ったが、その少女と共にいた黒ずくめの格好をした二人の内、一人が付けた照明の眩しさに言葉を遮られ、顔を覆う。
そして、少女たちはブランの元に駆け寄ってくる。
「・・・誰?」
「ワタシはアブネス!幼年幼女の味方よ!」
「・・・えっ?」
「大人気番組、『アブネスちゃんねる』の看板レポーターじゃーん・・・知らないの?」
ブランの問いに、少女・・・アブネスは名乗る。
しかし、ブランが思わず聞き返したことに、アブネスは不満をこぼす。
「さあ、今日も中継スタートよぉ!」
「・・・中継?」
ブランの疑問に答えるかのように、照明を持っていない、もう一人の黒ずくめが持っているカメラに『REC』の文字が浮かび上がり、ブランの肢体を舐めるかのように映し出す。
「全世界のみんな~♪幼年幼女のアイドル、アブネスちゃんで~す♪
今日はルウィーの幼女女神、ブランちゃんのところに来てるぞっ♪」
そして、アブネスは媚びるような声を出して中継を始めた。
「おい・・・テメェいい加減に・・・」
「ところでっ!妹のロムちゃんとラムちゃんが誘拐されたって言うのはホントなのかな?ブランちゃんっ!?」
「なっ・・・どうしてそれを・・・?」
ただでさえロムとラムが誘拐されている今、気が気でないのに突然目の前で報道が始まったことで不快感が大きくなる。
ブランはさっさとアブネスを追い出そうとしたが、ロムとラムのことを訊かれて動揺する。
このことは伏せていたはずなのだが、アブネスが知っていたという事態に、ブランは頭が真っ白になっていく。
「ホントだったんだ・・・!?アブネス、心配・・・」
アブネスはその事実を知って、目を潤わせ、泣きそうな顔をする。
「・・・で、カワイイ妹を誘拐された気分はどうですか?ブランちゃん??」
「っ・・・・・・」
しかし、それは一瞬の演技であり、すぐに表情を変えてブランへの質問攻めを始めた。
何故アブネスは二人が誘拐されたことを知っていたのかという疑問。そして、隠していたことを暴かれてしまったこと。この二つのが重なり、ブランの頭は完全に真っ白になっていた。
* * *
「お、おい・・・今すぐに逃げるぞ・・・」
「・・・えっ?」
執務室のドアの前にて女性職員はどこかから声をかられた。その声の主を知っていた女性職員は、ポケットの中からアンチクリスタルを取り出す。
その中には碧黒い影・・・ユウキ=テルミの姿があった。いつもより口元が緩んでおらず、その声音は焦燥感に駆られているものがあった。
「いいから話を聞け・・・。このまんまだと、お前の変装がバレて、抵抗できないまんま殺されちまうぞ・・・。
こっちに新しく来てる奴は俺を知っている・・・。俺と手を組んでるだなんてバレたら真っ先にこっちが狙われる・・・!
幸いなことに、そいつのターゲットには『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』も入ってる・・・今すぐに逃げだせば、そっちに集中してくれるって算段よ・・・」
テルミは自分の知る情報をなるべく手短に女性職員へ話す。
それを聞いた女性職員は表情が険しくなっていく。テルミの言っていることが事実で、このままでは計画が台無しになると予想できたからだ。
「それに・・・アンチクリスタルを探しに行くなら、今が絶好の機会だろ・・・?
新しいやつの気をそらすこともできて一石二鳥じゃねえか・・・。だから今のうちに早く行こうぜ?」
テルミの言葉を聞いた女性職員は頷き、裏口から出るべくすぐに移動を始めた。
* * *
「さてと・・・先に来ておこう。この中で、ロムとラムを探す有効な手段を持ってるやつはいるか?」
『・・・・・・』
ルウィーの中庭で俺は早速訊いてみることにした。こういうことを知ってる人がいるならそれに頼るのが一番楽でやりやすい。
自分の足でどうのこうの・・・とかってのもあるかもしんねえが、そんなんで見つけらんねえくらいなら効果的な手段は使うべきだろう。自分の足でいくしかなかった俺はまたそんなことをやるのはもうごめんだ。
「それなら・・・私に一つ、ロムちゃんとラムちゃんの居場所を突き止める方法ががありますわ」
そして、少しの沈黙の後、ベールが手を挙げた。その表情はいつになく真剣だった。
普段は穏やかな、掴みどころのない表情や態度が多いのだが、今回は自体が事態だ。そういう事態なら真剣になる。
「・・・本当か!?それなら話が早い・・・。それってどんな方法なんだ?」
「実は・・・ブランとはある計画を進めていましたの・・・」
俺が聞くと、ベールは隠していたことを明かすように口を開く。
「ラグナさんとセリカさんは知っていますでしょうか?ルウィーで、人工衛星を使ったサービスを行なわれていたことを・・・」
「・・・人工衛星?ラグナ、ミネルヴァ。何か知ってる?」
「いや・・・俺は知らねえな・・・。」
「・・・・・・」
「そっか・・・ミネルヴァも知らないか・・・」
まず初めに、ベールは俺たちに問いかける。俺たちの回答は全員知らないだった。
セリカとミネルヴァはこっちに来てから間も無いこと、俺は今まで自分の足で回っていたことが理由だろう。パソコンもあるっちゃあるが、まだ調べ足りねえみたいだな。
「えーっと・・・確か、『お寺ビュー』・・・だったよね?」
「確か、10年くらい前に終わったやつよね?」
「ええ」
「10年も前だったんだ・・・」
ネプテューヌとノワールが確認すると、ベールは肯定する。それを聞いたセリカは驚いたと分かりやすい顔で呟いた。
なるほど・・・10年程前に終わってりゃあ聞かないわな・・・。俺は心の中で納得する。
「実はあの人口衛生はまだ稼働していて、地上写真のデータを送ることができるのですわ。ただし、低解像度のですが・・・。
それを解析して、高解像度にするソフトウェアを、リーンボックスの技術者達が開発しましたの」
「さすがー♪ベールの所は進んでるねー」
ベールが『お寺ビュー』のことについて説明してくれる。
どうやら宇宙の方から地上を見て、そこで取った写真を送ることで、皆がその写真を見ることができたらしい。
問題なのは低解像度だから、細かいところがわからない。んで、それを解決するためにリーンボックスの技術者が高解像度にするソフトを造ったってことか。
ネプテューヌがそれに対して感心する。これは数少ない、リーンボックスがプラネテューヌに技術力で勝っている分野らしい。
「そこでブランに持ちかけたですわ・・・。
ルウィーが写真のデータを提供してくれれば、我が国はこのソフトを提供すると・・・」
「・・・えっ?それって・・・あなたたちだけがこの世界の情報を得られる・・・ってことじゃない・・・」
「ええー?私たち、見られすぎちゃって困るじゃーん・・・」
「・・・?ねえ、ラグナ。どうしてノワールちゃんとネプテューヌちゃんは困ってるの?」
「ルウィーとリーンボックスは見たいときに色んな位置情報を確認できるけど、プラネテューヌとラステイションはそれができないからな・・・。
情報面で大きく水を開けられちまうから、この二人は経済とか、その他諸々で困るんだよ」
「あっ・・・そっか・・・」
状況が飲み込め切れていないセリカに俺が自分で説明できる限りで説明すると、セリカはハッとする。
極端な話、この二人だけで独占すれば、残った二国の女神が何をしているかを見て、「この女神はこんなことしてます」とあっさり公に出すことも可能になる。
俺はこれを見て一瞬、ルウィーとリーンボックスだけが使える『マスターユニット』みたいだと思った。流石に事象干渉はできないが、観測できるという点がそれを連想させた。
「いいえ。私たち・・・そのデータをみんなで共有しようと思っていたのですわ」
「「・・・えっ?」」
しかし、その危惧はベールが否定したことで無くなった。ベールの言葉を聞いて、ネプテューヌとノワールは思わず聞き返した。
「ブランが言い出したのですわよ?『友好条約を結んだのだから、四つの国で等しく利用するべき』だと・・・」
「そうなの・・・?」
「だから、公開するタイミングを伺っていたのですわ・・・。
本当はサプライズプレゼントとして使いたかったのですが、この際は仕方ありませんわね・・・」
「そうだな・・・俺も本当はそう使って欲しかったよ・・・」
ベールは最初こそいつもの穏やかな笑みを見せたが、今回の事態のこともあって、最後は少し悲しげな笑みに変わった。
俺もそれに同意する。今までそういったものが公開される瞬間を目の当たりにして無い俺は是非とも見てみたかったのだが、それはまた今度に取っておくしか無いみたいだ。
「けど、これ以上うだうだしてても仕方ねえな・・・それで、今からあいつらを探すととどれくらい・・・」
「『悪』の気配を辿れば此処にいたか・・・久しいな。『黒き者』よ・・・」
「っ!?」
俺がベールに訊こうとした時に何者かの声が聞こえ、俺たちはそっちを振り向く。
すると、そこには白き躰をし、どこか侍を思わせる風貌をしていた者・・・『お面野郎』ことハクメンが立っていた。
「・・・なっ!?テメェ、お面野郎かッ!」
「・・・えっ?ハクメンさん!?ハクメンさんもゲイムギョウ界に来てたの!?」
「セリカ=A=マーキュリーか・・・久しいな。
成程、ゲイムギョウ界・・・此の世界はその様な名で呼ばれて居るのか・・・」
お面野郎を見たセリカが驚きながら訊く。お面野郎はセリカに軽く挨拶をしながら、この世界の呼び名を口にした。お面野郎がこっちに来ていたことに、俺は驚きを隠せなかった。
「ラグナさん・・・どういうことですか?ラグナさんが・・・その・・・『悪』だとか、『黒き者』だって言うのは・・・」
「・・・アレは俺個人に言っているって訳じゃないらしいが・・・。俺が『悪』だの『黒き者』だのって言われる理由は・・・『
『・・・『
「其の通りだ・・・『
その力を酷使すれば・・・いずれは『黒き獣』となる・・・。他にも、此の世界には居ないが・・・『片割れ』と融合することがあれば、その時は完全な状態の『黒き獣』となる・・・」
『・・・!?』
ネプギアの問いに、俺が右腕を見ながら答えると、皆は驚いた。更にお面野郎の補足により、皆は絶句した。
『黒き獣』・・・それは暗黒大戦時代に数多の命を奪い、斃れてもなお、魔素という形であの世界に影響を与え続けている。
これを過剰に使おうものなら、俺は『黒き獣』となり、見境なく暴れるただの化け物になっちまう。
この世界に来てから『ソウルイーター』の効力に変化が現れているが、その危険性が変わることなんて無いかも知れねえ。
それに、もしここで俺がそんな心配はないと言ったところで、あの世界の『蒼の魔導書』と何度も対峙してるお面野郎が話を飲み込むとは思えない。だから、フォローは効かない。
「ま・・・待ってハクメンさん!この世界に魔素はないんだよ・・・!?」
「セリカ=A=マーキュリーよ・・・『黒き獣』が現れた時、あの世界に魔素があったか・・・思い出して見るがいい」
セリカは俺を庇おうとしたが、お面野郎の言った意味を理解し、そこから先を言えなくなってしまう。
当然、ここで俺が言い訳しようとしたところで、お面野郎に全てを潰される。最悪の状況だ。
だが・・・そうだとしても、俺にはやらなきゃなんねえことがある。ここでこいつに消されるつもりなんぞねえ。
例えこの一件で居場所を失おうと構わねえ・・・。お面野郎が『黒き獣』による災厄を繰り返させないようにするように、俺もブランに俺と同じ悲しみを味わわせないようにする・・・。
その後は咎を受けようが何だろうと構わねえ。もう真っ当な生活は無理かも知れねえが、せめてあの二人だけは元の居場所に帰す。それだけは何が何でもやりきる。
「私は・・・あの世界での災厄を、此の世界で繰り返させる
私が此の世界に
そう言いながらお面野郎は自身の右の背にある
・・・つまりは、ここで俺を殺す気満々ってことだ。確かに、『エンブリオ』にいた時は滅日まで時間が無かったから決着をつけることができなかったのもあって、お面野郎がケリを付けたいのは分かる・・・。
けど、ここで俺が死んじまった場合、
「永きに渡る因縁・・・。ここで・・・決着としよう・・・」
「・・・お面野郎・・・。テメェが俺とケリを付けたいのは分かる。後でちゃんと受けてやるから・・・今は一旦待て」
「・・・どういう心算だ?ここに来て臆したか、『黒き者』よ・・・」
お面野郎は『斬魔・鳴神』を抜き放ち、牙突の構えを取る。
俺がお面野郎の考えてることを理解した上で、一度拒否すると、流石に前回と状況が違うのもあって、お面野郎が疑問を持たない筈はなかった。その為、お面野郎は一度構えを解いて俺に訊いてきた。
「別にビビってる訳じゃねえよ・・・。ただ、助けなきゃなんねえやつが二人いるから、そいつ等を助けてからって話だ・・・」
「笑わせる・・・貴様とあろう者がその様な事に走ろうとはな・・・」
俺が理由を話すと、お面野郎は驚きと嘲笑を混ぜたような言い方をしてきた。
「・・・俺がどうしようと勝手だろ・・・。
それにな・・・あいつらの姉ちゃんが、俺と同じ思いをしそうになってんだ・・・。それの苦しさや辛さを知ってる俺が見過ごす訳ねえだろ・・・」
そのお面野郎の言葉に俺はイラつきながら返答する。勿論、俺の言葉には怒気が籠っている。
俺のやることを否定されんのは慣れてるからまだしも、いきなり現れるや事情も知らねで人助けを嗤うのは許せねえものがあった。
「お面野郎・・・。テメェは『自分の正義』に突っ走るあまり、周囲の人が感じる悲しみや苦しみ・・・そう言った大事なモンを忘れてんじゃねえのか?テメェにもあるはずだろ・・・」
「・・・・・・」
「・・・ハクメンさん?」
俺が咎めるように言うと、お面野郎は黙り込んだ。その様に俺とセリカは疑問を持った。
「(普段のお面野郎なら、こんな言葉くらい『私の知ることではない』だのなんだの言って振り払えるはずだ・・・。
俺の思い違いか?それとも・・・)」
本当に、お面野郎に何か引っかかるものがあったのではないかと推測してしまう。
・・・そう言えば
『黒き獣』を敵視して、俺を『悪』だと言うやつ・・・。ダメだ。肝心な一手が欠けてやがる・・・。何か、決定的な何かがあればいいんだが・・・。今は答えが無かった。
「・・・良いだろう。業腹だが・・・決着を付けるのであれば事が終わる迄は手を貸そう・・・」
「・・・お面野郎?」
お面野郎は『斬魔・鳴神』を鞘に収めながら協力を宣言する。そのあっさりとした身の引き方に俺は驚きを隠せなかった。
エンブリオを何とかしようとした時なんか、ノエルが待ってくれって言ってんのに『
「・・・まあいいや。協力してくれんなら、今はそれでいいさ」
「事が終わったら、解っていような?」
「ああ・・・それは分かってる・・・」
今は深く考えず、申し出を受け入れることにする。手伝ってもらうならこれ以上の戦力はないし、これ以上時間を掛けたくも無かった。
後はブランに発破を掛けて行くだけだ。ロムとラムを助けられるんなら、使える手は使う。ブランに俺と同じ悲しみを味わわせてなるものか。
「隠してて悪かったな・・・。今は確かに人としての姿を保ってるが・・・お面野郎の言う通り、いつ『黒き獣』になるかはわかんねえ・・・。
もし、お前らが『黒き獣』の危険性を信じて処罰を下すってんならそれでもいい・・・。ただ・・・あいつらを助けることだけは手伝わせて欲しい・・・。
多分、俺の最後になるかも知れねえわがままだ・・・」
『・・・・・・』
俺は皆の方を振り向きながら話し、最後は頭を下げる。場合によっちゃ殺す選択をされるかも知れねえが、そん時は抵抗をしないつもりだ。あいつらにケガさせたりとかする力じゃねえからな。
今までの話を聞き、俺の頼みを聞いた皆はどうすればいいかわからず呆然としていた。
「すぐにとは言わねえ・・・ただ、いつ『
「・・・・・だ・・・」
―どうするかはお前らで決めてくれ・・・。そう言おうとした俺の言葉は、消えそうな声によって止められた。
「・・・ん?」
「嫌だ・・・っ・・・私は嫌だよ・・・」
「「「・・・ネプギア?(・・・サヤ?)」」」
俺たちがそっちを振り向くと、目尻から涙を浮かべている『ネプギア』の姿があった。
ネプテューヌとユニはそれを見てネプギアと認識しているが、俺は知らずして
お面野郎が『ネプギア』を見てどう思っているかは解んねえが、何事も無かった場合、俺だけ認識が違うことになる。
「嫌だ・・・っ・・・嫌だ嫌だっ・・・!私は嫌だよっ・・・!」
「ね・・・ネプギア・・・!?どうしちゃったのさ急に・・・」
『ネプギア』が押さえられなくなった涙を流し、俺に抱きつきながら拒否を始める。
何かを失うことに対して怯えるかのように嗚咽の声を漏らす『ネプギア』を見たネプテューヌは動揺した声を上げる。
「どうして・・・?どうしてなのっ・・・!?
『ネプギア』はこれまでに見たことのないくらいに声を荒げていた。
・・・いや、俺は目の前にいるこの少女をネプギアと呼んでいいのか?『サヤ』って呼んだ方がいいんじゃねえか?それにこの話し方・・・。
俺の頭の中で様々な疑問が駆け巡る。どう呼べばいい?何で『
「また・・・あんな『黒い化け物』になって
『・・・・・・』
『ネプギア』の俺を責め立てるような声は更に強くなっていく。その様子に、皆が啞然とする。
「・・・・・・『
「『
だってあの時・・・兄さまは言ったのにっ・・・!『
俺が訊こうとした瞬間、耐えきれなくなった『ネプギア』の涙は更に大粒なものへと変わり、約束を破りかけてる俺を更に責めながら、力なく右手の拳で何度か俺の胴を叩く。
「もう『
もう一人ぼっちは嫌だ・・・っ!また誰にも・・・っ!『兄さま』にすら気づいてもらえないなんてやだ・・・っ!やだよぉ・・・っ!」
「・・・
『ネプギア』は右腕の動きを止め、声を上げながら大泣きしだした。
俺は今までの『サヤ』の助け方を間違えていたことや、ずっと待たせていたこと。そして、今また去ろうとしていたことに罪悪感を抱く。
それと同時に、『ネプギア』を安心させてやりたくて俺は優しく抱きしめてやる。
「心配するな・・・俺はもうどこにも行かねえ。置いていかないし、『
大丈夫・・・お前は絶対に俺が護る。例え・・・この世界でも否定されようとな」
「っ・・・兄さまぁ・・・っ!うわあぁぁぁ・・・!」
俺の今の気持ちと、これからの決意を『ネプギア』に伝える。
『ネプギア』はただただ声を上げながら泣き続ける。
「此の気配・・・まさか『あの少女』のものか・・・?」
「・・・なんか言ったか?」
「
お面野郎から小さい呟きを聞き取れなかったので俺は訊き返したが、気のせいで片づけられてしまった。
「其れよりもだ・・・『黒き者』よ。助けに行くのは構わんが、其の前にあれをどうにかする必要があろう」
「・・・アレ?」
お面野郎が首を向けた方を見てみると、執務室でブランが怪しい三人組から何かしら訊かれている様子がガラス越しから見えた。
ロムとラムの件で問い詰められてるのかも知れない。隠してるはずの情報をどこで知ったのかは知らないが、もしそうなのであれば今すぐ止めに行かなきゃならねえ。俺たちはすぐに行動を始めた。
* * *
お面野郎がブランの事を言ったため、俺の対応はロムとラムを助けるまでは保留となった。
こっちでの『蒼炎の書』の稼働データが少なすぎて判断材料にかけること、お面野郎という、俺と同じ世界にいて、尚且つ『
仮に俺が今まで通りでいいという結果が出たならそれでいいが、その前にお面野郎との対決で生き残らなくちゃなんねえ。
まあ、今はそんな難しいことは後回しにして、とにかくあの二人を助けるために力を尽くそう。そう決めて、この思考は一時中断する。
「つまり、妹が誘拐されたのはあなたの責任ってことですね?ブランちゃん!?」
「・・・そ、それは・・・」
今は執務室へ移動してるところだ。その最中に、知らない少女のの声が聞こえてくる。さっきの三人組の一人であるのは推測できた。
内容はやっぱりというか何というか、ロムとラムが連れ去られたことだったみてえだな。
「見てくださいっ!幼女女神はなぁんにも釈明できませんっ!やっぱり・・・幼女に女神は無理なんですっ!」
「全くもう・・・好き放題行ってくれちゃって・・・!」
断片的な内容しかわからないが、一方的な物言いだなと感じる。
確かにブランの見た目が幼いのは分かる。だがこれは・・・相手が対策しようのないタイミングで乗り込んで、自分の言い分を押し通すために準備していたとしか思えなかった。
その言い分に、ネプテューヌは不満を隠さないで愚痴をこぼす。俺も自分がネプテューヌならこうしているかもしれねえから納得できた。
そして、俺たちは執務室のドアの前に着いた。さっきの女性職員が見当たらないが、この際は気にしていられない。
「よし・・・開けるよ?」
そして、執務室のドアの前に付いたので、ネプテューヌは一度俺に確認を取る。俺は迷わずそれに頷いた。
「せーのっ・・・!」
ネプテューヌの声を合図に、ネプテューヌは左側のドアを思いっきり押し開け、俺は右側のドアを思いっきり蹴って押し開ける。
「そこまでだよっ!」
ネプテューヌは一声出したと同時に見知らぬ少女の元へと歩いていく。それに続いて、ノワールとベールが黒ずくめの二人組の元へ走り、黒ずくめを押すように部屋の外へと追い出す。
その後に残った俺たちが少し間を置いて部屋の中に入り、少女の元へと歩いていく。
「な・・・何よアナタ達は?」
「私はネプテューヌっ!プラネテューヌの女神だよっ!」
いきなりの乱入者である俺たちに少女が訊いてきたので、ネプテューヌが代表するかのように自分の名を名乗る。
「アナタも女神ぃ?」
女神という単語を聞いた少女は疑いを持ってネプテューヌの体をじっくりと舐めまわすように見る。
「う~ん・・・。見た目的に少女に見えなくもないけど・・・体が未発達じゃないっ。
アナタは幼女、幼女認定よっ!」
その少女は何を持ってか知らねえが、ネプテューヌを幼女と認定しだした。
・・・幼女言ってる奴の方が小さいって言うのはどういうことだろうか・・・?かなり違和感のある光景だった。
「ええーっ!?自分より小さい幼女に幼女認定されたぁっ!」
「なっ・・・ワタシのどこが幼女なのよっ!?幼女って言う方が幼女なんだからね!」
「じゃあやっぱり幼女だよね!?先に幼女って言ったのそっちだし」
「また幼女って言ったぁっ!キーッ!!」
「そこまでだお前ら。ガキのケンカじゃねえんだからよ・・・」
ネプテューヌが納得いかないから言い返すと、その言葉を根に持った少女が言い返し、更にネプテューヌが言い返す。
勝手にそうやって勝手にヒートアップしていく
するとネプテューヌは頭を掻きながらバツが悪そうに後ろに下がってくれた。
「ガキですって・・・!?何なのよアンタ!?ロリコンみたいな見た目してる癖に生意気よっ!このロリコンっ!」
「誰がロリコンだゴラァァッ!」
しかし、少女の方は全く引く様子が無く、しかもひでえ当てつけをしてきたモンだから流石にブチ切れた。
「ラグナ・・・何も子供相手にそこまで起こる必要ないんじゃないかな・・・?」
「確かにな・・・前に似たようなパターンがあったからついキレちまったよ・・・」
セリカが困った笑みを見せながら言ったことを聞いて、俺は冷静さを取り戻した。
危ねえ危ねえ・・・。
「ごめんね・・・このお兄さん、不器用なの・・・。ところで、あなたお名前は?いくつ?小さいのに偉いね♪」
「ふふん♪そうでしょ?偉いでしょ♪ワタシはアブネスっ!幼年幼女の味方・・・って誰が小さいのよっ!後、年齢聞くのはタブーってものよ!?」
セリカが俺のことを不器用だとか言いながら少女に名を聞いた。
すると、少女は自信満々にアブネスと名乗ってから、根に持った単語に対して不満を隠さずに言う。
「あはは・・・ムキになるのは良くないよ?せっかくの可愛い顔が台無しだもん・・・」
「か・・・可愛い・・・?うんっ!そうよね!?ワタシ可愛いもんね♪」
「うわー・・・ちょろいわー・・・」
「ちょっ・・・ちょろくなんてないわよっ!」
セリカがアブネスを褒めるとアブネスは調子付き、ネプテューヌがアブネスをからかうとアブネスはムキになる。
俺はアブネスのことを『すげえめんどせえやつ』だと思った。勝手に人のことをロリコン認定するわ幼女認定するわ・・・。何様だあいつ?
「ええい、今日はこの辺にしといてあげるわっ!覚えておきなさい!幼女女神とロリコンみたいなやつ!」
アブネスは耐えられなくなったのか、捨て台詞を吐いて執務室を去っていった。
「やっと面倒なのがどっかに行ったな・・・」
「何だと幼女!いつでも来やがれ幼女っ!幼女でどうじょ~」
「全く・・・何なの?今の・・・」
「どうやって入り込んだのかしら?」
俺はため息混じりに安堵し、ネプテューヌは去っていくアブネスの方に大人げなく幼女と連呼していた。
ノワールとベールも、面倒なやつが増えたなと言いたいかのように飽きれ気味に言う。
「みんな・・・どうして・・・?」
「どうしたもこうしたも・・・あの二人を助けに行くのに、お前がいなきゃ始まんねえだろ?だから迎えに来たんだ」
自分が突き放すように言ったことを自覚しているのか、俺たちが戻ってきて、自分を助けてくれたことにブランは戸惑う。
俺はブランのすぐ側まで歩み寄りながら説明する。
「でも・・・私はもう・・・」
「・・・・・・ブラン」
だがブランの表情からは諦めが見えていた。
ああ・・・あんまりやりたかねえし、柄でもねえから本当は嫌だが、やるしかねえか・・・。そう思った俺は怒気の籠った声でブランの名を呼ぶ。
「・・・え?っ・・・・・・」
『・・・っ!』
俺の声音に気づいたブランが聞き返すが、俺は何も言わず、右手でブランの左頬をひっぱたいた。
それをみたお面野郎以外の全員が驚きの表情をしたり、思わず口元を押さえたりと、とにかく動揺していた。お面野郎は何も言わず、そのまま立っている。
「テメェ、馬鹿かッ!」
「・・・ラグナ?」
「何でそんな簡単に諦めてんだ・・・ざけんじゃねえッ!テメェの大事な妹だろうがッ!
『あの日』の俺と違って、テメェは無力じゃねえだろッ!?何で諦めてんだ!?」
俺はまたしてもこの言葉を使った。このキレ方はセリカが『クシナダの楔』を使うって言って聞かねえ時に、「ナインが諦めなかったのはお前がいたからだ」ってブチ切れた時に近い。
これを使ったのはブランで三人目か・・・後何人にこれを言うんだろうな?できればあまり言いたくない。それだけは確かだ。
「・・・無力じゃない・・・?どうして・・・?だって私は・・・」
「『あの日』の俺は・・・何の力も無くて・・・頼れる人は誰もいなくて・・・探す手段も・・・何も無かった・・・。
でもテメエは違うッ!探す手段なんぞいくらでもあるし、女神の力もあるッ!そしれ・・・頼れるやつらはこんなに大勢いるんだッ!
俺よりこんなに恵まれた状況で・・・!自分に誰かを『護れる』・・・『助けられる』力があるってのに・・・諦めんじゃねえよッ!」
ブランが左頬を抑えながら戸惑っているが、俺は構わず言葉を続ける。
確かに『あの日』のような思いを、ブランにはしてほしくないと思ってる。だからこそ、こんなにも恵まれてる状態のブランが諦めることを、俺は許せなかった。
「わ、私は・・・」
「
確かに俺たちだって手伝うさ!けどなぁ・・・!テメェが行かなきゃ話になんねえんだよッ!」
ここまで俺がブチ切れながら人に物事を話すのは、この世界では初めてだったが故に皆が困惑するし、呆然とする。
だけど、そんな状態でも俺は全然気にしてない。正確にはそっちまで気が回らず、ブランに発破をかけることしか考えて無かった。
「確かに俺みたいにはなるなって言ったよ・・・!二人を連れてかれてお前が俺みたいになっちまったって思う気持ちも分かるよ・・・!
けど、そうじゃねえんだよ・・・!ここで諦めたら本当にそれこそ俺と同じ道を辿る!それで後悔するくらいなら・・・あいつら助けて、自分のダメだったところを謝ってやり直した方がいいだろッ!
お前にはまだその先があるんだッ!どうにもならねえくらい溝のあった俺とは違うッ!こんなところで落ち込んでる暇があんならあらゆる手段を使って助けるべきだろうがッ!」
「・・・何を知った風に言ってんだよ・・・!」
俺がブチ切れたまま話していたら、沈黙していたブランが体を震わせる。
そして、ブランは呟いた後、一瞬置いて俺の顔を見据える。その表情は涙ぐんでいながらも、険しい表情をしていた。
「何を知った風に言ってんだよテメェはッ!
・・・ああそうだよッ!女神の力はあるよッ!テメェらを頼ろうと思えば頼れるよッ!
でも何が無力じゃねえんだよ!?見つけられるんならすぐにでも行くよッ!テメェらの力だって惜しみなく借りるよッ!
でも・・・あいつらを見つけられねえ私の・・・!何が無力じゃねえんだよ!?見つけられなきゃどうしようもねえだろ!?」
ようやくブランが自分の気持ちを言ってくれた。途中から今にも泣きそうになっていたが、意地があったのだろう。最後まで言い切った。
やっぱり、条件さえそろっていればすぐに行くつもりだったみてえだな。それなら安心だ。ベールをダシにする感じで悪いと思うが・・・この際は仕方ねえ。
「探す手段なら・・・アレが使えるだろ?」
「・・・えっ?」
「悪いな・・・ベールから、こっちに来る前に教えてもらったんだよ・・・」
俺が指さした方を見てブランは戸惑った。俺が指さしたのは、執務室にあるパソコンだった。
移動途中に聞いたことだが、あの『お寺ビュー』の改良版のデータはブランのパソコンに入ってるからそれを使えば出来るとベールから聞いていた。
「ベール・・・貴方・・・」
「ごめんなさい。ブラン・・・内緒だという約束だったのですが・・・」
ベールはブランに頭を下げる。折角二人で打ち合わせも綿密に行っていたのに、最後までその通りに行かなかったのを悪く思ってるんだろう。
「別に気にすることじゃないわよ。それに、今の私たちはいがみ合う『敵』じゃなくて、『仲間』だからね・・・」
「うんっ!仲間同士、困った時はお互いに助け合うものだもんねっ!」
「ネプテューヌ・・・みんな・・・」
ノワールがベールをフォローし、ネプテューヌがそれに続く。
正直なところ、ノワールから『仲間』という単語を聞けて嬉しかった。俺はあの時ノワールに話して良かったと思った。
「場所さえ分かっちまえばすぐに行くだろうから、お前はそれまで休んどけ。トリはお前なんだからな」
「・・・わかった・・・。そう・・・させてもら・・・うわ・・・」
ブランは疲れきっていたのか、俺に寄りかかるように気を失ってしまった。俺はそれを抱きとめる。
「ブランさん!?まさか・・・さっきの放送でシェアが下がって・・・」
「いえ・・・いくらシェアが下がったとしても、影響が早すぎるわ」
ブランが気を失ったところを見て、ネプギアは心配するが、その可能性をノワールが否定した。
女神ってシェアの下がりようでそこまで悪影響出るのか・・・あん時ネプテューヌのだらけを止められて良かったよ。俺は心の中で安心する。
「じゃあ・・・ブランは倒れ込むくらい疲れを溜めこんでたってこと?」
「・・・みたいだな・・・」
ネプテューヌの疑問に、ブランを抱きとめてる俺が肯定する。
今ブランは疲れ切ったような顔をして寝込んでいた。
「・・・今はゆっくり休めよ。んで、絶対にあいつらを助けるぞ」
寝ているブランの頭を撫でながら俺は優しめに語りかけた。
ラグナとハクメンを絡ませたら普段以上に重さが増した感じがします・・・。
なんだかんだ先生はこれで大丈夫だったかな・・・?毎回自信ないです。
ラグナの『誰がロリコンだゴラァァッ!』ってありますが、アブネスとルナの中の人が違うので中の人ネタまんまって訳ではないです。
確かにルナと同じ中の人のキャラがネプテューヌ側にいますが、キャラの性格を考えるとアブネスとこのネタをやった方がいいと感じたのでこうしました。
恐らく次回でアニメ2話が終了します。ハクメンのテンプレセリフは早いと次になります。
話は変わりますが、ブレイブルーの最新作で、ブレイブルー側の6人目はアズラエルでしたね。
ニコニコ動画で見た時あいつだけ赤字ラッシュあったのは流石に笑いました(笑)。