超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER- 作:ブリガンディ
「お待たせしました。こちらが地図になります」
「サンキュー、イストワール。これでようやく他の国にも行けるぜ」
俺はイストワールから頼んでいた地図を受け取る。
その地図にはプラネテューヌからラステイションへの道が記されている。
地図を頼んでいた理由として、他の国を自分で見てみたいと思ったからだ。
それ以外にも、俺がゲイムギョウ界にやって来た日にどこに住むかが保留の形でプラネテューヌにいるため、早く決めるためというのもある。
「まさか三日もかかるなんてな・・・思ってもみなかったぜ」
「すみません・・・善処はしたのですが・・・」
実はイストワール、先代のプラネテューヌの女神が記録のために創り出した存在らしい。
だが、その処理能力は信じられないくらいに低かった。こんなんでよく大丈夫だったなプラネテューヌ・・・。
ちなみに地図を頼んだ時のやり取りはこうだった。
* * *
「そう言えば、プラネテューヌ以外にも国はあるんだったな・・・」
「あるよー。もしかして・・・ラグナは他の国に行ってみたいの?」
「ああ。自分の足で他の国に行って色々と見てみたいからな」
「それなら、いーすんに地図を頼むといいよー。ちなみに、ノワールとユニちゃんがいるラステイションが一番近いよ」
「そうなのか。それなら早速頼んでみるか」
今より三日前、俺が初クエストを終えた翌日のことだ。俺は他の国にいくために地図が欲しかった。
ネプテューヌに訊いてみると、一番近いのはラステイションで、地図はイストワールに頼むと用意してもらえるそうだ。
俺は早速頼んでみることにした。
「なあ、イストワール。頼みたいことがあるんだが・・・」
「はい、何でしょうか?」
「プラネテューヌからラステイションまでの道がのってる地図が欲しいんだが・・・」
そう、ここまでは問題なかった。問題はこの次だ。
「わかりました。三日ほどお時間をいただきますね」
「ああ、わかった・・・って、ちょっと待て。今、三日って言ったか?」
「あっ、ごめん・・・いーすんの処理能力が低いの言ってなかったね・・・」
俺はビックリした。地図用意すんのにそんなに時間かかるか?
カグラんとこにいるヒビキならすぐに用意してくれそうだが・・・。そんなに甘くはないのか・・・?
「しょうがねえ。今日はクエスト受けに行くかぁ・・・」
俺はため息と同時に項垂れるのだった。
* * *
とまあ、そんなことがあったから俺はこの三日間でプラネテューヌを案内してもらいながらクエストをこなしていた訳だ。
この事情を聞いたアイエフが地図を貸そうかとまで言ってくれたが、せっかく頼んだのだから待つことを選んだ。
昔だったら何の躊躇いもなく借りてたんだろうな・・・。
「まあ、これでようやく他の国に行けるんだし、その辺は良しとするさ」
「それは構いませんが・・・お一人で行くのですか?」
「ん?ああ・・・確かに考えて無かったな・・・」
俺はイストワールに言われて気がつく。確かにその辺は何も考えて無かった。
イストワールは多分、片目の状態じゃモンスターの襲撃に対応しきれないかもと心配してるんだろう。
実際その危惧は間違ってない。ただ、それ以上に俺は誰かと一緒に行くと楽しいだろうという考えが勝っていた。
「そうだな・・・行くとしたら誰がいいか・・・?」
アイエフは多忙だから望み薄だな・・・。
ネプテューヌは・・・仕事サボる口実にしそうだからやめとく。ネプギアも仕事あるだろうし、ネプテューヌの世話焼きしそうだな。
コンパも忙しそうだな・・・アレ?誰も呼べなくねぇか?俺の人脈多忙な人多すぎだろ・・・。
俺はその事実に頭を抱えた。
「ラグナさん、どうかしたんですか?」
「ん?ネプギアか・・・実はラステイションへ今から行くんだが・・・誰か他に行くやついないかと思っててな」
俺が悩んでたところにネプギアから声をかけられる。俺はラステイションにいくことを話した。
「あっ、それならちょうど良かったです。実は私、今日、ユニちゃんとラステイションで買い物しに行くんです」
マジか!これはツイてる。悩んでたところに一緒に行けるやつが来てくれるなんて。
「それなら一緒に行くか?正直なところ、初めてだからラステイションのことを教えてもらいたいのもあるが・・・」
「いいですよ。それなら、ちょっと準備を済ませて来ますね」
俺がせっかくだからとネプギアを誘ってみたら、ネプギアは快諾してくれた。
そしてそのまま準備をしにこの場から一度離れる。どうなるかと思ったけど、これで一安心だな。
「思いがけないところでラッキーが起きたな・・・」
「大分いいタイミングでしたね・・・」
俺たちは苦笑交じりに言う。行くのはいいとして、ガールズショッピングに付き合えるか自信がないな・・・。
「お待たせしました。いつでも行けますよ」
「おう。それじゃあ行くか」
「ではお二人とも、気をつけて行ってくださいね?」
「はーい。いーすんさん、行って来ますねー」
「ああ。それじゃあまたな」
俺たちはイストワールに送られながらラステイションに向けて出発した。
* * *
「ラステイションってどんな感じの国なんだ?」
「ラステイションは工業を中心に、色んな産業をやってる国ですよ。他の国に囲まれてるから、貿易の中心にもなっているんです」
俺は行き道途中にラステイションのことを簡単に教えてもらっている。
プラネテューヌと比べると『現代的』ってイメージが強い気がするな。プラネテューヌが『近未来』的なんだろうか?
聞いた話だとラステイションの方が俺たちがいた世界に近い気がするな。
後、ラステイションの女神、ノワールはネプテューヌと違って真面目に働いてるんだそうだ。
ネプテューヌ・・・お前一度ノワールから学んで来いよ・・・イストワールが大変そうにしてるぞ?
「ふふっ。まさかこんなにも早くユニちゃんに会いに行けるなんて思わなかったなぁ・・・」
「仲がいいみたいだな。俺はまともに友人なんてできる機会無かったな・・・」
だが実際仲が良いに越したことはない。ノエルとその周りの友人たちを見ればそうだろう。
そう言えば、マコトが戦う理由は『友達のため』だったな・・・。よくあの世界であんなまっすぐに育ったもんだ。
「そうだったんですか?でもきっと、ラグナさんにも仲のいい友達、できると思います」
「ああ・・・そうだな」
確かにプラネテューヌであいつらとつるんでれば自然とそういう関係になるだろう。確信ってわけじゃないが、自信はあった。
「あっ、見えて来ましたよ!」
「へぇ・・・あれがラステイションか」
俺たちが話しているうちに、目の前にはラステイションが見えてきていた。
* * *
「こんな感じだったのか・・・」
俺たちは無事にラステイションに到着した。
高層ビルが多く並んでるプラネテューヌと比べると、ラステイションは一般的な建物と、工場等が多く並んでいた。
なるほど。確かに『現代的』だ流石に和平結んだ後だから物騒差さは減ってるけどな。
「最初はどうする?」
「ひとまず教会に行きましょう。教会で集合するようにしてたので」
「わかった。じゃあ案内頼むぜ」
「わかりました。教会はこっちですよ」
俺はネプギアに案内されてラステイションの教会に向かっていった。
ラステイションは現代的な建物の中に一つだけ神聖さがある建物が混ざっていたため、案外わかりやすかった。
俺は初めての他の国の教会に入るのもあって、少し緊張しながらドアを開けた。
「ん?誰かと思えば君たちか。今回はどんな用件で来たんだい?」
ドアを開けて待っていたのはこの国の教祖、神宮寺ケイだった。
ケイの見た目は銀髪のショートヘアーに黒の服装をしている。
ちなみにネクタイやら半ズボンやら、服装とヘアスタイル、顔つきも相まって男と思われることがあるんだそうな。
「ああ。せっかくこっちに来たから挨拶にと思ってな」
「私は、ユニちゃんと教会で待ち合わせすることにしてたので来ました」
俺たちは簡単に用件を話す。俺の方は完全に未定だったのが分かる。
「なるほど。そういうことだったんだね。じゃあ、ユニとノワールを呼んでくるから待ってて欲しい」
「ん?ノワールも呼ぶのか?」
「僕は仕事が溜まるに溜まってるから、もし道案内を頼むならノワールの方がいいと思ってね。
それに・・・ユニとネプギアの買い物は長くなるよ・・・?」
「・・・そんなにか?」
ネプギアの方を見てみるとネプギアは苦笑していた。マジで・・・?そんなにかかるもんなの?
「ああ。そんなにだ。そういうわけでノワールも一緒に呼ぶけど、構わないね?」
「わかった。頼む」
俺はなぜノワールを呼ぶ理由がわかったのと同時に、ガールズショッピングって時間がかかるんだなと思った。
俺の場合ほとんど飯を食うくらいしか無かったから、のんびり買い物したことが無かった。追われてる身だったからな・・・。
少し考えながら待っていたらノワールとユニを連れてケイが戻ってきた。
ノワールは黒髪をツインテールにし、ゴシック風のドレスを着ている少女だ。
ユニは肩から少し先までの黒髪に、ありゃ髪飾り用のリボンだろうか?をつけて、黒いワンピースを着ている少女だ。
俺がゲイムギョウ界にやって来た日に話した時に感じたことは、二人とも案の定性格が似ていると感じた。ユニは幾分かマイルドだが。
何というか、カグラがあっさりと手玉に取れそうな感じがするタイプだな。
「待たせたね。二人を連れて来たよ」
「あら、ラグナじゃない。久しぶりね。今回はどんな用で来たのかしら?」
「ネプギア、お待たせ!」
「大丈夫だよユニちゃん。今来たところだから」
「久しぶりだな。初めてラステイションに来たもんだから、挨拶ついでに色々見て回るつもりだから案内してもらおうかと思ってな」
ネプギアとユニはお互いに笑顔で話し、俺はノワールに要件を伝える。
あの時飯をみんなで食った時もそうだが、ネプギアとユニは本当に仲良しだな。ノエルが友人たちと話をするときもこんな感じだったんだろうな。
「なるほど。ケイが呼んだのはそういうことね・・・。まあ、今日は予定開いてるし、それくらいなら平気よ」
「わりいな。助かるぜ。」
「それならせっかくですし、みんなで行きませんか?」
「あっ!それいいかも!」
「俺も賛成だ。せっかくなら大人数で回るのに馴れておきたいのもある」
ネプギアの提案に、ユニが真っ先に乗る。
俺も大勢で回るのに馴れておきたかったのもそうだが、それ以上に大勢で回った時は楽しいだろうと思ったからだ。
今までは基本一人で、尚且つ物騒な目的だったからな・・・。真逆の大人数で純粋に見て回る旅はどのようなもんだか気になる。
「それならみんなで行きましょうか。ところで、二人の買い物は先にする?それとも後にする?」
「うーん・・・時間が掛かり過ぎちゃうかもしれないし、先がいいかな」
「了解よ。じゃあ行きましょうか。この二人の買い物先に行きながら案内して、その後は回りながら案内するわね」
「おう。わかった」
「それじゃあケイ。私たちは行ってくるわね」
「ああ。いってらっしゃい。また後で」
ケイに見送られ、俺たちは教会を後にした。
* * *
「ここは主に車関係の部品を取り扱っているお店よ。『今乗ってる車のここが足りない』って感じる人が度々入るお店ね・・・。
こっちは武器を取り扱っているお店。まあ・・・あなたの場合メンテナンスくらいしか来る機会なさそうな気もするけど」
「なるほど・・・」
俺は歩きながらノワールに説明を受けていた。
ノワールの説明は簡潔でわかりやすいため、聞くのがさほど苦にならない。むしろ他のもの聞きたくなったりする。
一応話を聞いて解ったこととして、俺のいたあの世界と比べると、バイクやら車やら、魔素を使わないで動いてた乗り物が多い。
あの世界は魔操船が主流になってるし、一般の人はほとんど徒歩で基本的にそんなに遠くないところまでしか行かないからな・・・。
そんな風に説明を受けながら歩いていると、どうやらネプギアたちが買い物しに来た店まで辿り着き、俺たちは入っていく。
この機にガールズショッピングってものを見てみるか。そう思ってた俺は全く予想だにしなかったものを見るのだった・・・。
「うわぁ・・・これいいなぁ♪」
「ネプギア、これはどう?」
「あっ、それもいいね」
「・・・・・・」
俺は目の前の光景に目を疑った。
確かに今この二人のから発せられた言葉は女子そのものだ・・・。だが、見ている物が明らかに女子らしさがない。
「あっ、この部品足りなくなってきてるんだった・・・。買っとこっと♪」
「これあるんだ!これを使えば完成しそう♪」
全っ然女子らしい買い物してねえぇ!
俺は思わず心の中で叫んだ。何なのこの二人?何で機械系の買い物してんの!?しかもジャンク品まで混じってんじゃねーか!明らかに機械好きの男どもの買い物だよこれ!
タオに見せられた俺の全っ然似てねえあの手配書の方がマシに思えるくらいに・・・それほどまでにインパクトがでかかった。
しかもノワール方を見てみたけど、全く同様する気配を見せない。微笑交じりに二人の様子を見てるくらいだ。
・・・ビックリしてんの俺だけか!?なんつうのこれ?カルチャーショックっつうの?訳がわからなかった。
「あの二人、時々ここに来てああいう使える部品を買うのよ。私も初めて買い物袋の中身を見たときは驚いたけどね」
「そ、そうなのか・・・」
俺は同意してるぞくらいにしか反応が出来なかった。
年頃の見た目した女の子二人が楽しそうに談笑しながら機械の部品を探すという光景があまりにも衝撃的すぎた。
そして、二人は買い物を終えて、満足そうな笑顔を見せながら戻ってきた。
「すみません。お待たせしました」
「今日は結構早く終わったわね」
「・・・」
二人が戻ってきても俺は固まってしまっていた。しょうがない。あんなの初見でビックリしないわけがない。
「あ、あれ?ラグナさん、どうかしましたか?」
「ああ、いや。ちょっとビックリしちまってな・・・」
「しょうがないわよ。アレは色々と光景にインパクトがあり過ぎるもの・・・。
さて、買い物が終わったなら次に行きましょうか」
「うん。そうしよっ」
俺の言葉にノワールは同意してくれ、更には次行こうと促した。それにユニが同意した。
なんだか助かった気がした。正直何か言われたら答えられる気がしない。
そして、俺たちはこの店を後にした。
* * *
その後、途中で一休みしてから色々なところを俺たちは回っていた。
ちなみに街中でノワールを見かけた一般の人が時々ノワールのことを称えるような目をしていたので、やはり信頼されているんだろう。真面目だからだろうな。
そして、回っている途中に俺は一つの建物を見て、引っかかる物があって立ち止まる。
「学校か・・・」
俺はシスターと共に教会で暮らしていて、あの日の後はサヤを取り戻すための旅をしていたのもあって、まともに勉学をしたことがなかった。
だからこそ、学校を見て引っかかるんだろうな。
「ここは工業系の就職を視野に入れてる人達がよく入ってくる学校よ。
・・・学校がどうかしたの?」
「俺・・・妹を取り戻すための旅をしてたから、学校に行ったことがないんだ・・・
だから、教会で育ってたとしても、普通に過ごしてりゃ学校に来てたのかもしれないんじゃないかと思ったんだ・・・今さらだけどな」
俺が今言ったように、確かに今更なことだ。だがそれでも考えてしまった。
校内で皆と学び、話し、笑いあう。そんな些細な幸福な時間がもう一つ得られたのかもしれないと。
「ラグナさん・・・」
「いや、いいんだ。ただそう思っただけだからな。だったら今の俺があそこに通うやつらのためにできることをするさ。
あいつらが今後も安心して勉学に励めるように、俺がモンスターを倒して『護る』。
俺が蒼炎の書の力を求めた時だって、『大事なものを護りたい』だったからな・・・。
ならそれを俺は、『可能な限り多くの人を護り、助けるため』に使えばいいんだ・・・。今はまだ使えないけどな」
俺は右腕の肘から先を前に出し、拳を握りしめた。
「・・・あれ?ラグナさん、右腕が・・・」
「右腕?あっ・・・動いてる・・・?」
俺はネプギアに言われて気がついた。そこで気になって右肩を回してみる。そしたらやっぱり動いた。
右目はまだ開いていないか・・・どうなってんだ?後で調べて貰おう。
「右腕が・・・動くな・・・。だが右目はまだか・・・」
「何かきっかけになるワードでもあったのかなぁ・・・?なにがともあれ、一歩前進ですね!」
「ああ。これで少しは動きやすくなるし、不便さも少なくなる・・・まずは一歩だ」
ユニが笑顔でいい、俺はそれにニッとした顔で答える。
まだ蒼炎の書は使えないが、日常生活での不便さや戦いでの動きづらさは大分改善されるな。
ラステイションのことも知れたし、右腕は動くようになった。今回俺が得ることのできたものは多かった。
* * *
「わざわざありがとうな。俺たちはそろそろ帰るよ」
「ええ。また何か用ができたら言ってちょうだい。いつでも待ってるわよ」
時刻は既に夕方。俺たちは一通りラステイションを回り終えて教会に戻ってきていた。
そして、今はそろそろ帰るから別れの挨拶を済ませているところだ。
「じゃあねネプギア、また会いましょ」
「うん。ユニちゃんも元気でね」
「じゃあな。また来るよ」
「ええ。またね」
俺とネプギアは挨拶を済ませ、ラステイションを後にしてプラネテューヌに帰り始める。
「しかし・・・なんで右腕が動くようになったんだ?」
「どうして動いたかはわかりませんけど、右腕が動くところをみたら、みんなビックリすると思いますよ」
「確かにそうだな・・・」
俺の右腕が動くのをみたら、みんなはどんな反応をするだろうか?
ネプテューヌは真っ先に驚くだろうな・・・あいつのリアクションが楽しみだ。
歩きながら話していたら、俺たちの腹の虫がなる。いつの間にかそんなに時間が経ってたらしい。
「・・・ちょっと急ぎましょうか。」
「ああ。そうしようか」
俺たちは少しだけ歩調を早くしてプラネテューヌに帰る。
そして、右腕が動いたことを証明すると早々に、ネプテューヌの絶叫がプラネテューヌに響いた。
ラグナの右腕は少しづつ動かそうと思ったのですが、こっちの方が書きやすいと感じたので一気に動くようにしました。
今回は一気に7400字近くに・・・字数が安定しないですね私(笑)。
後2話分程こんな感じの展開が続きます。
そう言えば、ブレイブルーで魔操船以外の乗り物に乗るキャラなんてカグラがバイク乗るくらいだと思うんですが気のせいですかね・・・?