超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER- 作:ブリガンディ
「改めましてぇ~。プルルートでぇす♪よろしくねぇ~」
夕刻に落ちてきた少女、プルルートが別のゲイムギョウ界にあるプラネテューヌの女神だということが分かったので、プルルートは暫くの間プラネテューヌ住まいに決まった。
そして現在、プラネテューヌ居住組はプラネタワーに集まってディナーを取る時間になっていた。
「こっちこそよろしくな。お互い異世界生活だが、上手くやっていこうぜ」
「そうだな。時間の限界はあるかもしれないけど、これからよろしくな」
「うん~♪よろしくぅ~♪」
異世界生活には一日の長があるラグナが真っ先に歓迎してやり、ナオトもそれに同意する。
その意図が分かったプルルートは嬉しくなって、両手を合わせながら返事をする。
プルルートはかなりのんびりとした喋り方をしているが、この場にいる全員はそこまで気にしていない。
「(ジンがいたらイライラしてただろうな・・・)」
そんな中、ラグナはジンの性格を思い出して苦笑した。
流石に平時は耐えられるかもしれないが、大事な話の時にこんなのんびり口調だった場合は急かすかもしれない。
「プラネテューヌの新しい女神さん・・・じゃなくて、別世界の女神さんであるぷるちゃんとの出会いを祝して乾杯ですぅ♪」
コンパの言葉に合わせ、全員で乾杯してから食事が始まる。
今この場にいるのはネプテューヌ、ネプギア、ラグナ、ナオト、ラケル、コンパ、アイエフ、イストワール、ピーシェ、そしてプルルートの十人でかなりの大人数だった。
「・・・なんていうか、酒って苦いんだな・・・」
「まあ最初は仕方ないわよ。ちょっとずつ慣れていってね」
ラグナは今回初めて飲酒をしてみたのだが、真っ先にでた感想がそれであった。
酒を始めて飲んで美味い。と言う感想は中々難しい。アニメでも現実でも大人たちが美味そうに飲むので勘違いしがちな点である。
今回それを始めて感じたラグナを見て、アイエフは予想していたかのように答えた。始めて飲んだ時の記憶を辿ると自分もそうだったので良く分かるのだ。
「俺もいずれああなんのかな・・・?」
《煙草はともかく、お酒はそうでしょうね》
ナオトはまだ学生なので飲むわけにはいかない。しかし、ピーシェとは違ってジュースを出すとそれは空気に会わないので妥協案で紅茶を用意されていた。
これを見た時、ラケルが興味津々にしていたのは間近にいたナオトしか気がつかなかったが、ラグナも予想が付くくらいだった。
何せラケルとよく似たレイチェルと関わる機会が多かった為、知らず知らずのうちに頭の中で予想を立てることができてしまうのだ。
「ラグナ、取りあえず酔い過ぎないように気を付けてね?勢い任せで今までの苦労をぶちまけることになるかもしれないから・・・」
「・・・それには気を付ける」
ネプテューヌに言われてその姿を想像したラグナは一瞬苦い顔になりながら頷く。
正直言ってぶちまける量が収集つかなくなるレベルだろうとあっさり予想できたからである。
まず初めに親がいないから下の二人を庇う日々に始まり、
これだけでも十分に苦労の絶えない話なのに、そこからサヤを助ける為に修行へ明け暮れた日々、統制機構の支部を周り続けたことやカグツチでの案件。その後もイカルガや『エンブリオ』ととにかくハードモードな時間を過ごしていた。
下手をすると誰かをプツンとさせてしまうかもしれないので、そうなるわけにはいかないと思ったラグナは分量の意識を再確認する。
「あっ、女神って言うとぷるるんも変身できるんだよね?」
「うん~。できるよぉ~」
女神と言う単語で思い出したネプテューヌがプルルートに確認を取ると、彼女は肯定した。
やはり同じ女神と言うべきか、ネプテューヌはプルルートの変身した姿が気になっているのだ。
「でもぉ、あんまり変身しちゃダメだってぇ、みんなが言うの~・・・どうしてだろぉ?」
「もしかしてだが・・・性格の変化とかが問題じゃねえのか?ほら、癖が強すぎると大変だしさ」
プルルートの話を聞いたラグナは予想を立てた。
何しろ前の世界で
特に『ユキアネサ』に呑まれている頃の自分を見た時のジンみたいになるのなら、間違いなくそれは問題だろう。
ちなみに、本日始めて酒を飲んでいるラグナだが、自分が思った以上に酒への耐性が高いことが判明した。現にグラス一杯分飲み干したのだが、何も変化が無かった。
「う~ん・・・。解んないやぁ~」
「まあ・・・その内解るから今はいいだろ」
「そうですね・・・理由が解ったらその時にしましょう。ラグナさんの右上半身の時と同じです」
どうしても解らなかったプルルート相手に追求することはせず、ラグナとイストワールの言葉で待つ事が決まった。
この時はまだ、まさかラグナの予想が当たっていた事など、誰も予想だにしなかった。
話に参加せず黙々と食事を食べていたピーシェは、自分の分の肉が無くなってしまったので、すぐ近くにあるネプテューヌの分の肉にフォークをさして口の中に入れた。
「あっ、ちょっとぴーこ?横取りはよく無いよぉ?」
「ん・・・ん!」
それに気が付いたネプテューヌは恨みがましくすることは無く、ただ人の物に手を出したことに注意する。
ラグナがゲイムギョウ界に来訪して以来、予想外の事態が多かったこともあり、ネプテューヌも女神の自覚がしっかりしてきており、それと同時に子供みたいな態度が減り始めていた。
ピーシェも流石に自分が悪いことをしたと言う自覚を持ったのか、お詫びとばかりにネプテューヌにナスを譲るが、今回は譲ろうとしたものが悪く、ネプテューヌの顔が一気に青ざめる。
「な・・・ナス・・・?」
「あっ・・・そう言えばお姉ちゃん、ナスが凄く嫌いだったね・・・」
ネプテューヌはナスが大の苦手だった。本人曰く臭いだけでもうダメだと言う。
「・・・ん?つか、コレ苦手なやつ生で食えってのは少し無茶じゃねえか?」
ラグナは今回用意されているナスの状態に気が付いた。
ナス自身は調理さえすれば幾らでも食べようがあるので、生の状態であるナスがダメだと言うなら手を加えてしまえばいいのだ。
「ちょっと手、加えて見るか・・・。ネプギア、なんか使っちゃダメなやつはあるか?」
「特にダメというものはありませんよ」
「分かった。他にも手加えて欲しいやつはいるか?」
「は~い♪あたしのに加えてもらっていい~?」
―久々に台所に立つか。そう決めたラグナは立ち上がりながらネプギアに確認し、その後すぐ周りに確認する。
すると真っ先にプルルートがナスが乗ったままの皿を持って立ち上がったので、皿からナスだけ移させてもらう。
「ラグナって料理できたのか・・・」
「時々趣味でやってたからな。お前はどうする?」
「ん・・・せっかくだし頼むよ」
ナオトは意外に思った。正確にはナオトだけでは無く、話を聞いていたネプギアと異世界から来たプルルート、そしてまだ小さい子供であるピーシェを省いた全員だった。
ラグナは軽く答えながらナオトに聞くと、ナオトが皿を出して来たのでそこからナスをもらう。
「ええっ!?料理が趣味って女子か何か?」
「・・・何でそういう所に食いつくんだよお前は・・・つか、ネプギアにも似たようなこと言われたな・・・」
ラグナはホームパーティーの為に買い出しをしていた時の事を思い出した。
その時はネプギアに自分の食材への拘り具合の理由を答えたのだが、その時も女子みたいだと言われたのだった。
そう言われた時はラグナもネプギアの趣味に言い返したものだが、結局はどっちもどっちだったのだろう。
《ナオト・・・貴方はどうするの?今のうちに覚えればハルカへの負担も減らせるわよ?》
「そうだなぁ・・・っつっても、俺が覚えたら覚えたでアイツへこまないか心配だけどな・・・」
確かに覚えたら自分も立派に一人暮らしができるだろう。
しかしそれでも、一瞬とは言えナオトが料理できるようになったことで「ナオくんは自分の事を必要としなくなった」と悲しむハルカの顔がよぎってしまい、躊躇ってしまう。
「でもほら、料理を覚えればそのハルカって子が風邪引いちゃった時とか助けになれるわよ?」
「風邪を引いちゃった時、代わりにお料理してくれる人がいるととっても安心できるですぅ♪」
「そっか・・・確かにそれもそうだな。考えてみるよ」
しかしながら、アイエフやコンパの言うことは最もで、ハルカに何かあった時に自分が代わりに作れるなら、それはそれで彼女が喜ぶだろう。
そう考えるとナオトも前向きに検討することができた。とは言え今すぐに教わろうとしても時間が時間なので、また今度にしようと思った。
「よし・・・お前ら、出来上がったぞ」
ラグナが料理を始めてから十分近く。調理を終えたラグナが新しい皿にナスを乗せて戻って来た。
醬油とバターを使って炒めたらしく、その二つの焼けた匂いがナオトたちの鼻を刺激した。
「ちょいと炒めてみた。これなら食いやすいだろ」
「ありがと~。早速いただきまぁ~す♪」
ラグナがテーブルに調理したナスが乗っている皿を置くなり、プルルートが早速それにフォークを伸ばして内一切れを刺す。
そのまま勢い良く口の中に頬張り、すぐさまその味に驚きの顔を見せた。
「うわぁ~っ!?美味しい~♪」
「おっ、久しぶりだったからどうかと思ったが、これなら大丈夫だな」
プルルートが目を輝かせながら称賛するので、ラグナも一安心だった。
そのプルルートの様子を見たナオトも一切れ貰って食べて見る。
「・・・!マジか!?普通に美味ぇぞ!」
ナオトも驚愕した表情になった。
―お前本当に久しぶりに料理した人か!?ナオトは一瞬それを疑いたくなった。
流石に特性のソースやら調味料を作らない辺りはハルカ程とまではいかないが、それでも十分すぎる腕前を持っていた。
「そんなに?なら私ももらっていいかしら?」
「あっ、私もいいですか?」
「それならお前らの分もやっちまうか・・・。欲しいやつは皿出しな」
アイエフ、ネプギアと続いて来たのでラグナはいっそのこと手を加えて欲しいと思う人が何人いるか確認する。
もう既に食べてしまったピーシェは仕方ない・・・と言いたいところだったが、ネプテューヌがピーシェに譲ったので結局全員分手を加える事になった。
その後は簡単にラグナがどう手を加えたかを話したりしたのだが、ネプテューヌはあまり話が頭に入ってこなかった。
また、ネプテューヌも釣られて調理されたナスの一切れを食べてみたのだが、結局は一口でギブアップしてしまった。食感がダメだったようだ。
「(これ・・・行けそうっちゅか?)」
「(見た限り全員ではないな。一人だけなら、と言ったところか・・・)」
また、この時魔法を使って姿を隠した状態でワレチューとマジェコンヌがプラネタワーに潜り込んでいたのだが、これに気付くのは誰もいなかった。
彼女たちは実際に情報を得たことで、ピーシェがいるかどうかを確認しに来たのだが、今回は思わぬ収穫を得ることができたようだ。
本当ならすぐに高笑いしたいところなマジェコンヌだったが、この場を離れるまではそれをどうにか我慢した。
* * *
「さて・・・レリウス、何か必要なものは纏まったか?」
「そうだな・・・女神は当然なので省くとして、あのドライブに目覚めた少女・・・あの存在が何かの鍵になるやもしれん・・・」
「成程・・・そうなるといつ実行すればいい?」
ラステイションの廃工場に戻ってきてすぐ、マジェコンヌはレリウスに尋ねた。
レリウスはゲイムギョウ界で唯一ドライブに目覚めているアイエフの存在が気になっており、彼女の事を調べたいと思っていた。
マジェコンヌもそのことは理解できていたので、手早く本題に進んだ。
「明日の昼辺りが望ましいな・・・セキュリティが甘いプラネテューヌならば楽だろう」
「もう準備はできているのか?」
「ああ。座標の準備はできている。別の場所で行う以上少なくともここを慌てて出る必要はない」
―用意のいいやつだ。レリウスからあっさり帰ってくる返答を聞いてマジェコンヌはそう思った。
基本的に準備に時間がかかるのはレリウスが担当するので、その準備が終わっているなら後は楽である。
「なら、後は私たちが誘導すればいいな?」
「頼む。誘導さえできれば、後は私とイグニスの役目だ」
「一応聞くが、私の指定する座標に送り込むことは可能か?一人にしか効かんが、そいつが本気で嫌う場所に誘い込む餌にしたい」
「それも可能だ。三時間で調整を終わらせる」
「分かった。それならば決まりだな」
マジェコンヌとレリウスのみで話を行うといつも以上に円滑に進む気がする。
お互いに必要な事を優先して話す傾向があるので、その影響が大きいのだろう。
しかし、流石に今日は夜も遅いので、他人の時間を取らない意味でもこの方がいいと言うのは確かにある。
「洞窟のことは明日に決めよう。ひとまずは明日私たちでどうにかその小娘を誘い込む」
「ああ。そうなれば私が捕獲しよう」
薄暗い部屋の中で、マジェコンヌが小さく笑う声が響く。
現在はプルルートの歓迎と言うことで平穏にしているプラネテューヌのメンバーたちが預かり知らぬ場所で、マジェコンヌたちの陰謀は動いていた。
* * *
「皆さーん。デザートのお時間ですぅ♪」
「おおっ!待ってましたぁ!」
夕食が終わってから少しした後、コンパがトレイに複数のプリンカップを乗せて持ってきた。
ネプテューヌはそれがプリンだと分かっていたので小走りでそちらに向かう。
そして、「ネプの」と書かれているプリンカップを手に取ろうとしたところで、いつの間にか先回りしていたピーシェがそのプリンカップを横取りするように取っていった。
「・・・ぴーこ?」
「ぴぃ、これがいいっ!」
ピーシェはまるで宝物を奪われたくないと言うかのような言い分だったので、その行動にネプテューヌは戸惑いを見せた。
普段自分が他の人に食べられないように「ネプの」と書いていたのだが、プリン自体はどれも同じだからである。
「そうなの?一応全部同じプリンなんだけど・・・。味も変わらないよ?」
「これがいいのぉっ!」
「う~ん、私何かしたっけなぁ・・・?」
一度そのことを投げかけてみるものの、ピーシェはそれでも自分が手に取ったプリンが良いようだ。
ネプテューヌはその様子を見て今までの事を振り返り始めた。答えは意外にもすぐに出てきて、それは今日中であった。
「あっ、夕方にプリンあげたんだっけ・・・確かにその時も名前書いてたの渡してたなぁ・・・」
―それだからかな?ネプテューヌの出した答えはこれだった。
もしかしたら、空腹にやられている時に食べたプリンが余程至福の味を出したのかもしれない。そう考えれば然程不思議なことではなかった。
「ねぷねぷはプリンを美味しそうに食べるから、特別に美味しく感じるのかもですね?」
「あり得る話だな・・・プリン食う時すげぇ幸せそうに食うからなぁ」
コンパの考えにナオトは同意する。
普段からネプテューヌがプリンを頬張る姿を見る機会が多いので分かることだが、ネプテューヌはプリンを食べると毎回頬が落ちるような表情をしているのだ。
しかもそれでいてプリンの魅力を口にしながら体をくねらせるので、それがより美味しいと思わせているのかもしれない。
「あ~そっかぁ・・・それは確かにそう思われちゃうか。我ながら結構罪なことをしたなぁ~」
それならば仕方ないとネプテューヌはその「ネプの」と書かれていたプリンをピーシェに譲ることにした。
するとピーシェが笑顔になったので、今回はこれにて一件落着。後は食べる人がプリンを食べるだけだった。
「・・・・・・?」
「ああ。ちょっと借りるね」
ピーシェがプリンカップを中々開けられないでいる所を見たネプテューヌは、ピーシェのプリンカップを代わりに開けてあげることにした。
ネプテューヌが代わってあげたことによってピーシェのプリンは形が崩れる事無く皿に乗った。それによって嬉しくなったピーシェはネプテューヌに笑顔を見せてからプリンを食べ始めるのだった。
「ネプテューヌ・・・少し変わったな?」
「ん?そうかな?ラグナ程短時間で変わってる人なんて私知らないよー?」
ラグナの疑問にネプテューヌはプリンを食べながら返す。
実際のところ、ラグナ程短時間で私生活等といった外側の面が変わった人間はいないだろう。
しかし、ラグナが言いたかったのは内面の方であり、ネプテューヌはピーシェという年下の子供がそばにいることによって変わってきたのは間違い無かった。
以前であれば人の事を気にせずゲームで遊び惚けたりすることが多かったのだが、今はピーシェが遊んで欲しいと言えば遊んであげたりする。
もっと早く言うのであれば、少女の事を知ってからだろう。ネプギアの事に関わるなら、流石に無視できないものである。
こちらの事に関しては表向き出すことができないので何とも言えない部分があるものの、それでも「小さい子供に付き合ってあげられる心の広い女神様」と言う評価は貰っており、それによってマイナス分はある程度緩和している。
《自分の変化は分かりづらいものだし、仕方ないわよ。それこそナオトやラグナのように異世界で生活するという事にでもならなければ簡単には気づけないわ・・・》
「異世界に来ちまったら変わるしかないよな・・・」
ラケルの説明を聞いたラグナは苦笑交じりに呟く。
まさか今まで反逆者だった身の自分がたった数日で正式な職業でなくとも真っ当に働く身になるとは思わなかっただろう。
その後たった一ヶ月であそこまで注目されるようになる・・・しかもいい意味で人の目を集めるとは思ってもおらず、本来ならばもっと静かに過ごすことになると思っていた程だ。
「何が起きるか解らないとは言え、流石に異世界生活をすることになるとは・・・」
―思いませんよね。そうイストワールが言いかけたところで、何らかの影響を受けて彼女の体が振動を起こした。
「あばばばば、あばばばばばば・・・」
「い、いーすんさん!?」
「大丈夫!?私の声聞こえる?」
「あばばばば・・・」
不安になったネプギアとネプテューヌが声を掛けるものの、イストワールは振動を起こしたまま「あばばばば」と声を上げるだけだった。
「ん?こりゃなんだ?」
イストワールの背後に何か光っている物を見つけたラグナは、それを摘まんでみた。
するとどうにかイストワールの振動が収まり、イストワールは振動が収まるやすぐ「極秘の通信が来てました」と言って即座にシェアクリスタルのある部屋へと飛んでいった。
* * *
『何でも、大女神様が言うには間違ってそれに触れ、そちらの世界に飛んで行ってしまったそうで・・・(・.・;)』
シェアクリスタルのある部屋を使って、イストワールはプルルートのいるゲイムギョウ界にいるイストワールと通信をしていた。
プルルートと共にいたイストワール・・・向こう側のイストワールはこちら側のイストワールよりも更に小柄で、舌使いもどこかおぼつかないものになっている。
どうやらとある少女が間違って危険な物に振れてしまったらしく、それによってこちら側に来てしまったようだ。
『そんなこともあって、この度はその子をこちらの世界に連れ帰るべく、プルルートさんをそちらの世界に向かわせて貰いました。できることなら、プルルートさんと一緒にその子を探すのを手伝って欲しいのですが、大丈夫でしょうか?(・・?』
「わかりました。後ほど皆さんに情報を共有しておきますね。流石にいつでも・・・という訳にはいきませんが、皆さんのことなので協力自体はすんなりと得られるはずです」
どうやらプルルートは何もわからないままこちら側へ来たという訳ではないようだ。
向こう側のイストワールに頼まれたものの、こちら側の人たちの事を考えると然程心配には及ばなかった。
『洞窟だとかなんだとかって、すごく大変そうですね・・・(・.・;)そちらはプルルートさんにも手伝うようにすれば良さそうですね』
「ありがとうございます。では、お互いに協力するという形にしましょう」
その後、イストワールたちの会話は円滑に進んだ。
* * *
「というわけで、何かありましたら連絡をお願いします。皆さんには私の方から伝えておきますので」
「分かった・・・洞窟と並行でいいならそうさせてもらうわ」
翌朝、朝食を終えた全員はイストワールからの話を聞かせてもらった。
ラグナは洞窟関係の話では中心になるので、並行でいいなら可能な限りそうさせて貰うつもりだったので願ったりだった。
他の人たちは何事も無ければあまり進展させることができないので、ひとまずはその子供を探すことにするという方針を選んだ。
「えっと・・・ネプテューヌさん?一応話の内容は大丈夫ですか?」
「な、何とか大丈夫ー!変わったことあったらでしょー?」
ラグナたちが真面目に聞いていた中、ネプテューヌは一人だけピーシェの遊びに付き合いながらだったので不安になって訊いてみたのだが、どうやら大丈夫だったようだ。
また、プルルートはプルルートで一応話はしっかり聞いているものの、何か裁縫しながらだった。
「よ~し♪で~きたぁ~♪」
「あれ?ぷるるんそれって・・・」
「ねぷてぬーっ!」
「あったり~♪」
プルルートが作っていたのはネプテューヌを模倣したぬいぐるみで、特徴をしっかりと捉えた状態でデフォルメされたデザインになっていた。
それを見たネプテューヌが嬉しそうな声を上げ、ピーシェも思わずはしゃいだ。
「・・・俺の料理よりも普通にこっちの方がすげえ気がする」
「何もない状態から作ったからじゃないですか?」
「ラグナのアレも十分凄かったけどね・・・」
ラグナの呟きにコンパは疑問符混じりで返し、アイエフは苦笑交じりで返した。
実際の話、ラグナの料理の腕前は一般の人で比べるとかなり高いレベルだった。
にも拘らず、ラグナが大して自信のあるような事を言わないのは元々シスターの負担を和らげる為のものと捉えていたからだ。
「ラグナさん、今度料理の事教えてもらってもいいですか?」
「良いぜ。時間を見つけてぼちぼちとやるか」
「・・・はい!ありがとうございます」
ネプギアがラグナに頼んでみると承諾してくれたので、笑顔で礼を述べた。
ラグナはゲイムギョウ界に来て以来、自分でも驚くくらい人の頼みを聞くようになっていた。まるで余計な鎖が外れたような気分になるからだろうか?ラグナは恐らくそうだと思っていた。
「ん?お二人さん時間大丈夫か?そろそろ仕事じゃないか?」
「・・・あっ!もうそんな時間だったか・・・」
ナオトは偶然時計が目に入ったので二人に確認すると、案の定結構な時間になっていたようで、アイエフがハッとした表情になる。
「コンパ、乗っていく?」
「はいです♪アイちゃん、ありがとうですぅ♪ラグナさんはどうするですか?」
「ん。俺もそろそろ行くか。そんじゃあまた後でな」
「また後でーっ!皆頑張ってね~!」
「いってらっしゃ~い」
ネプテューヌとプルルートが送る声を掛け、残った全員に見送られながらラグナたちはプラネタワーを後にした。
* * *
「んで?俺はそっちに行っちゃっていいんだな?」
「ああ。全員が来ないのであれば私一人でも十分に対処可能だ」
「了解だ。じゃあ、何かあったら言うからな」
テルミはマジェコンヌたちが女神を打倒する間に洞窟の調査を担当することになった。
事実マジェコンヌの戦闘力は非常に高く、シェアエナジーの共鳴とセリカの干渉さえなければ勝っていた確率の方が圧倒的に高い。
更に、他の女神たちが合流するよりも早くに叩いてしまえばテルミの加勢も不要になるので今回はこの判断を取った。
それならば問題ないと判断したテルミは早速洞窟に向かうべくこの場を後にした。
「ネズミ、準備は終わったか?」
「大丈夫っちゅよ。後はレリウスが連れてくるのを待つだけっちゅ」
ワレチューに確認すれば仕込みは完了したとのことで、それを聞いたマジェコンヌは満足そうに頷いた。
レイは今回無理に戦わせる訳にはいかないので、廃工場の施設点検を頼んだ。それ故にレイは今この場にはいない。
「(さて・・・後は私次第だな)」
マジェコンヌは表情こそ悪人らしい笑みをしているものの、リベンジに燃える彼女は拳をきつく握りしめていた。
* * *
「うわ・・・ここも交通整理中・・・」
アイエフはコンパを乗せて互いの仕事場に行く際中だったのだが、どこもかしこも交通整理の標識を出されてしまってかなりの回り道をする羽目になっていた。
ラグナは一度クエストを受けに行くので、すでに途中で別れていた。
「ごめんねコンパ・・・遅くなっちゃって」
「私は大丈夫です。アイちゃんとなら楽しいから気にしないですぅ♪」
「・・・それなら良かった」
コンパが本当に心の広い人で良かったとアイエフは安堵しながら前に視線を戻す。
信号が青になっていたので進もうとしたが、目の前から何やら紫色の煙が迫ってきていた。
「・・・!不味いっ!コンパ、ちょっと我慢してて!」
「は、はいですっ!」
それが睡眠ガスだと言う事に気が付いたアイエフは、コンパに一言入れてからドライブを使って煙を前方に押し返す事を試みた。
周囲にに青い風の暴風圏を作り、そこから先に煙が来ないようにすることで自身とコンパの身を守る。
「す・・・凄い風ですぅ・・・」
「コンパ・・・このガスが消えるまで我慢しててね・・・!」
アイエフはコンパに投げかけるものの、この方法には大きな問題点があった。
それは煙の出る時間が終わるまで自分が持つかどうかであった。正直なところドライブを全開で発動しているので、そこまで長い時間は耐えられないのが目に見えていた。
「ほう・・・中々使いこなせて来ているようだな。良い傾向だ」
「!あ、アイちゃん後ろですぅ!」
「・・・レリウス=クローバー!?何だってこんな時に・・・!?」
また、目の前の状況に対処するので精一杯になってしまったので、レリウスの接近に気付く暇すら無かった。
実際にアイエフがレリウスを目視したのは、自分たちの傍まで歩み寄っていた頃だった。
また、この時アイエフとコンパは気付く余地が無かったのだが、レリウスは自分だけ暴風の影響を受けないように魔法を掛けていたので普通に歩み寄る事を可能としていた。
「私も頼まれている身なのでな。共に来てもらおう・・・イグニス」
「しまった・・・あぁっ!」
レリウスの合図によってアイエフの前に現れたイグニスが即座に左腕を振り下ろす。
ドライブの制御で精一杯だったアイエフは反応する余裕すらなくイグニスに掴まれ、ドライブも強制的に発動を解かれてしまった。
少しでも抵抗しようと試みたのだが、レリウスが間髪入れずに無動作で催眠魔法を掛けたので、何もすることができずに気を失ってしまう。
「では・・・私はこれにて失礼する」
コンパが啞然しているのをよそに、レリウスは転移魔法でアイエフを捕らえたままのレリウスと共にどこかへと消えた。
「ま・・・待って下さいです!あ・・・アイ・・・ちゃ・・・んを・・・」
コンパはバイクから降りてレリウスを追いかけようとしたが、アイエフの張っていた防衛線が消えていたことで催眠ガスがコンパの元まで来ていた事に気がつかなかった。
それによってコンパは催眠ガスを吸ってしまい、言葉を言い切るよりも早くその場に倒れ伏し、気を失ってしまった。
そんなことでアニメ7話部分のスタートです。
催眠ガスの部分はアイエフがドライブ使えるので多少は抵抗させた方がいいと思いこうなりました。
ラグナの料理ネタはもうここしかないと思ってこちらも取り入れました。
さて、少々遅れましたが、ぶるらじ復活とブレイブルー新作、そしてネプテューヌRe,Birth1+の発売おめでとうございます!
ネプテューヌは初回特典で公式裏設定集の復刻版をもらえました。私自身これは入手し損ねていたので嬉しい限りでした。
ブレイブルーの組み合わせは現在、ラグナとオリエの二人で安定してきました。二人共戦うレンジが近いのが影響してるかもしれません。
中の人ネタな面もありますが・・・(笑)。
次回かその次回でアニメ7話分が終わると思います。