超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER- 作:ブリガンディ
「それじゃあいーすん、ちょっと行ってくるね~」
「いってくるね~っ!」
「はい。お二人とも、気を付けてくださいね」
今日は珍しく、朝早くからネプテューヌはピーシェと一緒に出掛けに行く約束をしていたので、ラグナがクエストに行くよりも早く外に出ていった。
ピーシェに付き合うネプテューヌの姿勢を見て、「子供の面倒を見るのは解るが仕事は大丈夫なのか」と不安に思う人と、「変わらずに子供の面倒を見てあげる心の広さは凄い」と思う人で二分されている。
プラネテューヌ以外の国が前者、プラネテューヌは後者の意見が多いが、プラネテューヌ以外の国は精々半々な評価だった。
「・・・よっぽど楽しみにしていたんですね」
「みたいだな・・・」
そんな二人の様子を見ながら、ネプギアとラグナは朝食に使った食器の片付けを行っていた。
ネプテューヌもそうだが、最も楽しみにしていたのはピーシェである。彼女はその約束をしてからというものの、前日はずっとそわそわしていたからだ。
そんな様子を見ていたプラネテューヌ居住組は、その日を待ち遠しくするピーシェとそれに乗っかってあげるネプテューヌという、非常に微笑ましい光景を何度も見ることになった。
「あの・・・ラグナさん。クエストが終わった後なんですけど・・・。少しだけ、時間を貰えますか?」
「大丈夫だが・・・どうした?」
「少し気になる場所があるんで、一緒に来て欲しいんですが・・・大丈夫ですか?」
頼んでくるネプギアの表情が、真剣さと不安さが混ざっているものだったので、それがとても大切な話なのだろうとラグナは察することができた。
「分かった。終わったら連絡するよ」
ラグナは最近、ネプギアにそんな不安げな表情はして欲しく無いと、以前より強く思うようになっていた。
勿論、相談やそう言った事には元々自分でいいなら乗るつもりでいたラグナだが、これでネプギアの不安が払拭できるならより良いと思った。
「ありがとうございます。連絡待ってますね」
「(どうにか不安は取れたのか・・・?それなら良かったよ・・・)」
ネプギアが笑みを見せて礼を言ったので、ラグナは少し安心した。
それと同時に少しだけ心臓が高鳴るのを再び感じた。それを感じたラグナは「今度訊いてみよう」と考えるのであった。
「さて、片付けも終わったし、そろそろ行ってくるよ」
「はい。ラグナさんも気を付けて下さいね?」
「おう。そんじゃまたな」
食器の片付けも終わったので、ラグナもネプギアに見送られて外へ向かうのだった。
* * *
「それじゃあ、私は行って来ますね」
「ああ。連絡は怪しまれるだろうから、見つけ次第此処まで連れてくると良い」
プラネタワーから少し離れた森道で、レリウスに見送られながらレイはプラネテューヌに向かった。
予定通り、レイは少し大きめなビニール袋の中に大量のお菓子があり、袋の口からは目に見えて解るように蓋に『ネプの』と書かれているプリンがあった。
ちなみにこのプリン、蓋にそうやって書いてあったものが偶然映像に映っていた事で実現が可能になったもので、ペンの種類はおろか、書き方まで完全に一致させると言う徹底ぶりだった。
それを実現させたのは、レリウスの指示を受けたイグニスによる、鉤爪のような手とは思えない器用さは機械故にできる超精密な作業だった。
暫く歩いていると、プラネテューヌの国内に入れたレイは、この時間帯はラグナがクエストを受けて国外へ出る時間と被っている事を頭に入れていたので、即座に人目の付かない場所へ移動する。
そして少しの間様子を伺っていると、バイクで国外へ走っていくラグナの姿が見えた。彼が何事もないように通り過ぎていくのが見えたレイは、ホッと胸を撫でおろすのだった。
「(危なかった・・・もう少し遅かったら、完全に出くわしてた・・・)」
第一の危機が去ったのを確認したレイは、そのままプラネテューヌの国内で最も人通りの多い場所へ向かって行ってみる。この時ビニール袋に入っているお菓子の品質を保つ為、アイテムパックにしまうのを忘れない。
何やら行列が出来ていたので確認してみると、その先にはアイスクリーム屋があった。恐らくは新規に開店した店なのだろう。
しかしながら、ここまで人の列ができてしまうと逆に見つけづらいかも知れないと思ったレイが場所を変えてみようと思ったところに、まさかの出来事が起こる。
「ねぷてぬ!アレ食べたいっ!」
「あぁ、今日新しくできたお店みたいだねぇ・・・。じゃあ並ばないといけないけど・・・ぴーこも一緒に並ぶ?」
「う~ん・・・」
何と、運よくその店を見つけて並ぶかどうか考えているネプテューヌたちの姿があった。
その為、レイは移動せずその場で一度足を止めた。
「(あわよくば、女神一人で並んでくれないかな・・・?)」
「なが~い・・・でも食べたい~・・・」
「今日ちょっと暑いもんねぇ・・・。それなら私が並ぶから、ぴーこはあそこで待ってる?」
「うん。そうするっ!」
元々体が丈夫だからそんなことはないと思うが、ピーシェが倒れてしまったら大変なのでネプテューヌが日陰の近くにある椅子を指して言えば、ピーシェは勢い良く頷いた。
つまりは、レイが望んでる展開が運良く展開されたのである。
「(・・・あっ、これって凄い偶然のチャンスだ・・・。取りあえず焦らずに様子を見よう)」
思い立ったが吉日か、レイはすぐにピーシェに接触することはせず、人目の付かない所に隠れてピーシェが待つのに飽きるまで待つ事にした。
物凄い行列をしているので、ネプテューヌが中間辺りにまでくれば嫌でも飽きるはずだ。レイはそう踏んで気を長く待つ事にした。
そして、予想通りピーシェはネプテューヌが行列中間に来て、殆どピーシェを視界に入れることが出来ない位置にいるようになると、案の定退屈そうにしていた。
「(あの女神も見ていない・・・チャンスは今しかない・・・!)」
覚悟を決めたレイはアイテムパックから先程のビニール袋を取り出し、そのままピーシェの傍まで歩いて行く。
こんなにもあっさりと行動を起こそうとしたレイは、自分でも驚く程に躊躇いが無くなっていたことを感じる余裕があったのは気のせいだと思いたかったが、そうでもないようだ。
ピーシェは子供であること、ネプテューヌが現在ピーシェを見る余裕がない事、この二点がレイの心境を楽にさせていた。
また、他にもこれに失敗してもバレさえしなければ次があること、もしバレてしまっても術式通信用の端末を使えばレリウスの救援がある等、フォローがもらえる事もそれに拍車をかけている。
「大丈夫?お腹空いてない?」
レイはまず初めに、ピーシェの様子を心配しているかのように話しかける。
普段なら目に付けられてしまうかもしれないが、今はネプテューヌがピーシェから僅かとは言え離れていること。前途のとおり行列があって気が付き難いこと。そしてピーシェが隅っこの日陰にいることの三点が、奇跡的に人目を逸らしていたのだ。
知らない人に話しかけられたので戸惑いはするものの、ピーシェは縦に頷いた。その様子を見たレイは「お昼の時間が近いからね」と愛想よく答える。時間が経過してレイの名前が表向きで全く話に上がらないこともあって、彼女はただ、偶然通りすがった人としか認識されていなかった。
「良かったら、一緒にこれを食べない?」
「・・・っ!」
レイが持つビニール袋の中身を見たピーシェが叫びそうになったので、レイは落ち着いて静かにするようにジェスチャーで伝える。
それは偶然間に合い、ピーシェは表情だけそのままに口から出そうになった言葉を飲み込んだ。その様子を見たレイは心底ホッとした。
「(これ・・・言っても通じるのかな?余りにも薄っぺらな内容だけど・・・)」
レイは一瞬悩んだが、上手く行けば御の字だと考えて言ってみる事にした。何しろ時間がないので、打てる手は打っておきたいからだ。
「プラネタワーから少し離れた所にいい場所があるんだけど・・・一緒に来る?」
「・・・!うん!一緒に行くっ!」
「(あっ、通じちゃった・・・)」
こんなに内容の少ない話が通じるのかと疑問に思っていたレイは、あっさりとピーシェが頷いた事に困惑する。
―いい場所と言えば何でもいいのだろうか?思わずレイはそんなことを考えてしまった。
しかしながら、思った以上に上手く行きすぎてしまったのはある意味助かった。そう前向きに考えてレイは微笑んだ。
「それじゃあ、こっちだからついてきて」
「わーいっ!」
レイが先導するように歩き出すと、ピーシェは喜んでついていった。否、正確には
そして、ネプテューヌが丁度アイスを買い終える頃には二人の姿は無くなっていた。
「お待たせ~っ!いやぁ長かった・・・アレ?」
そして、二人分のアイスを持って戻ってきたネプテューヌは、真っ先に反応してくれるはずのピーシェの姿がない事に気が付いた。
レイの踏み出したタイミングの速さが勝負を決定付けた。それ故に、ネプテューヌは一切気づけないのであった。
「・・・ぴーこ?」
ネプテューヌは暫くの間ピーシェを探したが、既に彼女はプラネテューヌ国内から出た後であった。
* * *
「(ふぅ・・・上手くいって良かった)」
プラネテューヌから離れて少しして、レイは何事もなく事を進められてホッとした。
後ではピーシェが相変わらず楽しそうについてきている。彼女が何の疑いも無くついてきていることで、もう後は歩くだけになっているのも、気を楽にさせていた。
そして、指定されていた場所に着いたので、レイはそこで足を止める。
「・・・どうしたの?」
「さっきいい場所って言ってたのはここなの・・・」
「ほう・・・思った以上に早く終わったか。見事な手際だ」
レイの回答に続いてレリウスが現れた事で、ピーシェは妙な怖気を感じた。本能的にこの人は危険だと感じていたのだ。
「・・・あ・・・」
「残念だが、逃がしはせんよ」
ピーシェは回れ右してすぐに逃げようとしたが、その努力虚しくイグニスに頭から掴まれ、レリウスがかけてきた睡眠魔法によって眠らされてしまった。
これにより、レリウスたちの目的である、ピーシェを連れて用意してある設備に向かうという目的はもう達成されたも同然となってしまった。
「さて、行こうか」
「はい」
短く言葉を交わした二人は、ピーシェを掴んで離さないイグニスを連れてすぐさま転移魔法でその場を離れた。
この極めて短時間で行われた犯行は、当日中に気づけた者は誰一人としていなかった。
* * *
「戻ったぞ」
「おおっ!?一発で成功とはやるじゃねぇか」
「思った以上にすんなりと行ってしまいました・・・」
新しく用意した施設に戻って来れば、テルミが驚いた様子で歓迎してくれた。実際、余りにも上手く行きすぎたのでレイは苦笑交じりに答える。
ちなみに現在レイたちが戻ってきた調整室は今、テルミしか残っていなかった。
「他の人たちはどうしたんですか?」
「外の警戒に回ってるぜ。こないだ女神たちが調査に来たから念の為にな・・・。そろそろ戻ってくるはずだ」
実はこの施設はシャボン玉発生装置に差し替えておいた施設であり、あの砲身の本来の目的は正しく大砲としてのものである。
ちなみに、リンダはこの事実を一切知らされておらず、ただR-18アイランドの役員として呼ばれただけである。
女神たちが中に入ってまで調べようとしなかった事が幸いして、今回はバレないで済んだのである。
それでもまた来るとは限らない為、マジェコンヌたちが外を回って念入りに確認していた。
「戻ったぞ・・・。ん?お前も戻ってきていたか・・・」
「おぉ・・・見事に一発っちゅね」
テルミが言ったタイミングに合わせるかのようにマジェコンヌたちが戻ってきて、彼女とワレチューはピーシェが連れてこられていることに関心を示す。
自分は簡単な事をしただけだと思っていたレイも、全員に褒められると悪い気はしなかった。
とは言え、後戻りがもうできないことを忘れてはいけないが、レイはそこまで気にしていなかった。
「(最初はどうなるかと思ってたけど・・・私、今のこの生活が結構好きなのかも知れない)」
レイはこの同盟での活動をいつの間にか楽しんでいる節が出ていた。
ビラ配りだけの日々では何も変わらないという無力感沸く日々と、今の同盟による一日の充実感が一層それを強くしていたのである。
その二つと今回の初めて自分が簡単に見えて最も重要な役割を果たしたと言う事が重なり、レイが
「さて・・・睡眠魔法が効力を発揮している時間も限られていることなのでな・・・始めようか」
「ああ。そのことだが、追加報酬をもらえれば協力すると申し出てくれた奴がいるが・・・どうする?」
「私は構わんが・・・御前たちは問題ないか?」
マジェコンヌに問われたのでレリウスが肯定しながら確認を取ると、全員が首を縦に振った。
「そうか・・・ならば、そいつも協力させるとしよう。操作は私が説明するから、御前たちは休んでおくと良い」
イグニスに合図を出し、指示を受けたイグニスがピーシェを調整器にセットするのが確認できたので、レリウスとイグニスを残し、全員は一度部屋を後にした。
「(・・・さぁ、実験と研究の時間だ)」
人の手で『
* * *
「ここで良かったのか?」
「はい・・・。私も、『あの子』に呼ばれていたので・・・」
レリウスたちが施設で合流してから少しした頃、クエストを素早く終わらせたラグナはネプギアと合流して洞窟に赴いた。
暫くの間全く来れなかったこともあってなのか、『少女』に来て欲しいと頼まれていたようだ。
ラグナとネプギアは始めて入った時から『敵』と認識されていない為、他の人たちより圧倒的に入る時に躊躇いが無い。
「確か、ラグナさんは前に一番奥まで入った事があるんですよね?」
「ああ。一番奥に扉があった」
ネプギアの問いにラグナは簡単に答える。
何故そこに扉があったのか?どうして『
「さて、着いたぞ」
「ここが・・・一番奥の場所なんですね・・・」
目の前の扉を見たネプギアは何か懐かしいものを感じた。
―この扉の奥で、『
「えっと・・・どう開ければいいんですか?」
「扉に手を押し当てて、意識を集中させるんだ・・・。この時、俺と一緒にいるのが『蒼を手にする人』、もしくは『蒼を手にする資格を持つ人』なら扉が開くらしいんだ・・・」
しかしながら、条件は知っているものの扉を開ける方法を知らないネプギアは大人しくラグナに聞いた。
勿論教えなければ始まらないので、ラグナもやり方をしっかりと教える。
とは言え、そのやり方自体難しいものでは無いので、ネプギアもそこまで不安には感じなかった。
話しは済んだので、二人は左右の扉に手を当て、扉を開けることに意識を集中させる。
そして、今回は夢で見たように、扉の外側の枠と文字が全て蒼い光に包まれた後、ゆっくりと扉は開かれた。
「・・・!」
「あ・・・開いた・・・?」
扉が開いたときの状況が夢の時そのままであることにラグナは目を見開き、まさか自分が条件に当てはまるとは思わなかったネプギアが呆然とする。
「・・・どうする?」
「取りあえず入りましょう・・・。何があるかだけでも把握しませんと・・・」
ネプギアに言われ、それもそうかとラグナは腹を括った。
実際に扉の中へ入れば、そこには広い空間があった。ここも夢の中で見たものと全く同じだった。
「アレだな・・・」
「はい。あの中にいます・・・」
「(てことは、やっぱりあの夢は嘘じゃなかったってことか・・・)」
これもまた夢と同じく棺の存在を確認したラグナは、一度それを開けるのは後回しにして、先に奥へと進んだ。
それは、その時見ることが叶わなかったモノを確認する為である。
「あった・・・こいつだ・・・!」
ラグナが少しだけ奥に進んでみると、そこには何らかの紋章があって、一部が蒼い光を放っている巨大な門があった。
「こんなところにあったか・・・『蒼の門』・・・」
「これが・・・門ですか?」
ラグナが唯一見ることの出来なかったものが判明し、それはハクメンとの対決以来探し続けていた『蒼の門』だった。
しかしながら、前回は『窯』を通じて赴いたが、今回は全く持って趣旨が違っていた。恐らくは、扉を開けたらここに繋がっているのだろう。
「間違いねぇ・・・コレを使えば、あいつらを送り返せる」
ノエルたちの世界は自分で送り返してやれるから問題なし、ナオトもラケルが補助すれば帰ることができるので心配は無用。
プルルートの方も、向こう側のイストワールがサポートすると言う話になっていたので、こちらも大丈夫であった。
詰る所、これで元の世界に帰る為の手段は確保できたのである。
「さて、後はこれだが・・・『あいつ』はここの中であってんのか?」
「はい。間違いなくここに・・・。・・・緊急通信?」
棺の事を確認しておきたかったが、ネプギアのNギアに緊急通信が入ったので、一度それを確認する。
内容が分かった瞬間ネプギアが目を見開いた。
「・・・どうした?」
「ピーシェちゃんが、いなくなっちゃったみたいなんです・・・!」
「なんだって・・・!?」
その知らせにはラグナも驚いた。
流石にそんなことになってしまえば、この場所を調査している場合ではない。ラグナ達も急いでこの場を後にし、ピーシェの捜索に加わった。
* * *
ピーシェがいなくなってから三日後。ピーシェがいなくなってからと言うものの、ネプテューヌは朝早くから夜遅くまでピーシェの捜索を繰り返していた。
そして、この日の朝も例外無くピーシェの捜索に赴いていおり、普段はプルルートとネプギアに同行を頼んでいたのだが、今回はラグナにも参加を頼んでいた。
普段と違って飛べないラグナがいるので、彼はプルルートに運搬してもらう形で捜索に協力していた。
また、ナオトたちはプラネテューヌの国内に残り、聞き込みをしてピーシェの行方を探していた。
「何も変わっていない・・・?やっぱりぃ、三日じゃあまり変わらないのかしら?」
「いや、たった三日でも侮れねぇ・・・何か変わっていてもおかしくないはずだ・・・」
自分たちのいたゲイムギョウ界が比較的平和であったこともあり、プルルートはそう考えていたが、元の世界では追われている身であったラグナは逆の考えをしていた。
そして、今回はラグナの考えが正しかったことが証明されることになる。プラネタワーからある程度離れた山道に、複数の野犬が確認されたのだった。
「あら・・・?野犬がいるわねぇ?」
「あいつらは三日前にはいなかったが・・・人里に向かうことはねえし、迂回して探せば・・・」
「いいえ、万が一の事もあるから今すぐに倒すわっ!」
「ちょ、ちょっと待って!お姉ちゃんっ!」
しかしながら、人に被害を出すことは無い状況なので、無視して進めば良いと思ったラグナの考えをネプテューヌが一瞬で否定し、今までとは比べ物にならない速度で野犬に向かっていった。
余りにも余裕が無さすぎるその行動を見て、ネプギアも慌てて追いかける。
「アレ・・・大分荒れてるわねぇ・・・」
「ああ。大分参ってるみてぇだな・・・」
やはり自分が目を離している間にいなくなってしまっていることもあり、ネプテューヌの荒れ具合は誰の目にも明らかだった。
どうにかして落ち着かせる方法はないだろうか?そう考えていた時に術式通信が来たので、プルルートに一言入れてからラグナはそれに応じる。
「どうした?」
『ラグナ、今から全員をプラネテューヌに集めることはできる?』
「・・・何かあったのか?」
『ええ。ピーシェの件だけど・・・転移魔法が使われていた痕跡を見つけたわ・・・。大分薄かったから、恐らくは三日前に使ったもののはずよ』
「・・・本当か!?」
通信の主はナインによるもので、ピーシェの行方の洗い出しに有力なものを見つけたそうだ。
これなら一度ネプテューヌを止められるかも知れない。そう考えたラグナはもう少しだけ情報を聞いてみる事にした。
「・・・転移先とかはわかるか?ネプテューヌ引き留めてすぐに連れて行く!」
『もう少しで判明するわ。集合できる状態になる頃には特定できる』
「分かった。取りあえず、どうにかして落ち着かせるわ」
『ええ。お願いね』
すぐに場所がわかるなら問題ない。状況を把握できたラグナは短く返答して、互いに術式通信を終える。
「とは言ったものの、まずはどうやって落ち着かせるかだな・・・」
「そうねぇ・・・アタシが止めるからぁ、ラグナがネプちゃんに説得・・・でいいかしら?」
前の世界での後悔などをラグナが話せば、流石にネプテューヌも落ち着く・・・そうプルルートは踏んでいた。
ラグナは一瞬それで大丈夫かと思ったが、確かに自分が話せば効果は大きいだろうと受け入れた。
実際、前にもブランを焚きつけた事があり、その時も自分の後悔や戻せないモノを話したので、そうすれば流石のネプテューヌも止まるだろうか?そんな考えを持った。
「だが、アイツを話せる状況に持っていくのには俺も手伝うぞ。あの野犬状況にも、ちょっと覚えがあるからな・・・」
「ええ・・・分かったわ」
覚えがあるのは暗黒大戦時代で野犬に襲われた時の事だ。
セリカを護りながら右上半身が動かない状態で野犬と戦い、瀕死の野犬にトドメを刺そうとしたところを、その野犬に襲われたはずのセリカが助けた瞬間を見たことがある。
そして、セリカが治療し終えた後はそのまま仲間を気にしつつも去って行った。とは言え、治癒魔法の使えない自分の場合は少し違う止め方になるだろうなとラグナは考えた。
そう思い返しているうちにも、プルルートはあっさりと賛成してくれていた。
「さて・・・あのままだと大変だし、まずはネプちゃんを止めに行きましょう」
「ああ。済まねえが途中まで頼んだ」
「もちろんよ。じゃあ、しっかり掴まっててね?」
ラグナが自身の手を強く握ったのを感じたプルルートは、速度を上げてネプテューヌたちの方へ向かった。
少し短くなってしまった気もします・・・(汗)。
勇者ネプテューヌの発売日が決まりましたね。9月なので「結構先かな?」と思いましたが、最近積みゲーが溜まり始めているので、消化しきれずに勇者ネプテューヌが発売する未来が見え始めてしまっています(笑)。ちょっとヤバいです・・・。
そんなこと言っておきながら、この話が投稿される頃には、友人と徹夜カラオケに赴いているのですが・・・お前やること絞れよと(笑)。
次回はアニメ9話の続きになります。